村田基の逆転日記

進化倫理学の威力を試すブログ

2017年01月

トランプ大統領はイスラム圏の7カ国からの入国禁止を指示する大統領令に署名し、禁止措置が実行されたことから混乱が起きています。
 
入国禁止対象の7カ国というのはイラク、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンです。どうしてこの国が選ばれ、ほかの国が選ばれないのか、よくわかりません。また、こんなことでテロが防げるとも思えません。
要するにトランプ大統領が神のように裁定し、イスラム教徒が従うという構図がトランプ大統領の満足になるのでしょう。
 
トランプ大統領は日本や韓国、NATOに対して米軍駐留経費の負担増を求めると選挙中に主張してきました。「守ってやっているんだから金を出せ」という論理です。
しかし、イスラエルに対しては、アメリカは今後10年間で380億ドル(約4兆円)の軍事援助をする約束をしていますが、なにも文句は言いません。逆に「イスラエルはアメリカのもっとも信頼できる友」「われわれは100%イスラエルのために戦う。永遠に戦う」と言っています。
 
また、トランプ大統領は、イラクから米軍を引き上げアフガニスタンの米軍を削減するというオバマ大統領の方針を批判していましたから、イラクとアフガニスタンへの関与は強めるのでしょう。
 
さらに、トランプ大統領はIS殲滅作戦を30日以内に提出するよう統合作戦本部に命令しました。どういう作戦が出てくるのかわかりませんが、ますます中東に軍事的に関与することになるでしょう。
 
トランプ大統領の政策を「内向き」と評する意見がありますが、まったく的外れです。
 
トランプ大統領は、日本、韓国、NATOに米軍駐留経費の負担増を求め、プーチンのロシアとは仲良くすることで軍事力を中東に集中しようという戦略のようです。
いや、トランプ大統領にそんな戦略思考はなく、半ば無意識に十字軍的行動をとっているのでしょう。
 
かりにIS殲滅に成功したところで、アルカイダはそのままですし、素人が単独でやる「DYI(日曜大工)テロ」と呼ばれるものもふえているので、かえってテロは深刻化するでしょう。
トランプ大統領を放置していると、核戦争にまで行ってしまいかねません。
安倍首相は中国包囲網なんかやっている場合ではなく、トランプ包囲網を各国首脳と連携してつくるべきです。

安倍政権は「共謀罪」の名前を変えた「テロ等準備罪」の法案を今国会に提出し、成立させる方針です。
テロの定義は存在しないのに、テロという言葉を使った法律ができるのは不思議だなと思っていたら、「テロ等準備罪」は法案を説明するための呼称で、条文にテロの言葉は出てこない見込みだということです。
「共謀罪」はイメージが悪く、テロ対策を前面に打ち出せば賛同が得やすいということで適当な名前をつけたようです。
 
しかし、今の日本でわざわざテロ対策の新法をつくる必要があるとは思えません。というのは、日本では年々テロの発生件数がへっているからです。
世界でのテロはふえていますし、日本人がテロの被害にあうケースもふえていますが、日本国内で発生するテロ件数はへっています。
 
テロは定義がないので公式の統計もありませんが、件数そのものが少ないので、ウィキペディアの「テロ事件の一覧」を見れば十分でしょう。
 
テロ事件の一覧
 
昔は浅沼稲次郎暗殺事件、三島由紀夫事件、あさま山荘事件、三菱重工爆破事件、連続企業爆破事件、赤報隊事件、オウム真理教事件など世間を震撼させる事件がいくつもありましたが、2000年以降は、目ぼしいものとしては、実弾入りの脅迫状を送ったり施設への発砲をしたりした建国義勇軍事件があるぐらいです。あとは新しい歴史教科書をつくる会事務所放火事件、加藤紘一宅放火事件、防衛省火炎瓶投擲事件、それから中核派による金属弾発射事件がいくつかありますが、テロ事件はきわめて少なくなっているといえます。
 
当然、日本は世界でテロ事件の少ない国です。
 
 
「世界テロ指数」日本は124カ国で最も安全 インド、タイ、英国への出張は要注意
 豪シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が発表した2015年度版の「世界テロ指数(GTI)」で、日本は最下位の124位となったことが分かった。気になる上位の順位は1位イラク、2位アフガニスタン、3位ナイジェリア、4位パキスタン、5位シリアと中東・アフリカが並んだ。
(後略)
 
 
ところが、マスコミも政府もこうした事実には触れないので、なんとなくテロは怖いとか、テロ対策をやらねばというムードが醸成されていて、それに乗じて「テロ等準備罪」が出されるわけです。
 
テロ対策の成功している日本がテロ対策に失敗した外国のまねをするのは間違っています。むしろ外国に対して、日本を見習えと言うべきです。
 
では、日本のテロ対策のどこがよかったかというと、なにも対策をしなかったところです。
たとえば、中核派に対して破防法を適用するべきだという議論がありましたが、結局見送られました。その結果、中核派は金属弾発射というまるで伝統芸能みたいなことをするだけの組織になりました。
また、オウム真理教に対しては、破防法適用寸前まで行きましたが、結局適用されませんでした。その結果、オウム真理教の後継組織はなにも事件を起こしていません。もし破防法を適用していたら、なにか事件を起こしていた可能性があります。
 
逆に、かつて全共闘運動が盛り上がって多くの大学でバリケード封鎖がされたことに対して、政府は「大学の運営に関する臨時措置法(大管法)」を制定して、大学に機動隊を導入してバリケード封鎖を実力で解除するという対策を取りました。その結果、日本赤軍など大量のテロリストが出現し、よど号ハイジャック事件、テルアビブ空港乱射事件、三菱重工爆破事件、連続企業爆破事件などが起きました(三島由紀夫事件もこの流れにあるといえます)
 
アメリカは9.11テロに対して対テロ戦争を始めましたが、その結果、世界中でテロがふえました。
 
つまり、テロ対策はやればやるほどテロがふえるのです。
これは子どもが反抗期だからといって反抗をやめさせようとすると、ますます反抗するのに似ています。放っておけば、そのうち反抗は収まるのです。
 
日本はテロがどんどんへっているのに、なぜ外国と同じテロ対策をやろうとしているかというと、表向きの説明は国際組織犯罪防止条約批准に必要だからということですが、実際は警察司法組織の利権のために違いありません。
日本では刑法犯も13年連続でへり続けていて、今では最盛期の4割弱になっています。このままでは予算も組織も縮小されてしまうため、刑法改正で厳罰化を進めてきました。「共謀罪」新設もその流れにあるわけです。
とりわけ公安警察は、破防法が無意味になって組織の存在価値が問われる状況ですから、「共謀罪」がどうしても必要なのでしょう。
 
安倍首相は2020年の東京オリンピックのテロ対策まで「共謀罪」新設の理由に挙げていますが、日本がアメリカの対テロ戦争に協力しなければ、日本がテロの標的になることはありません。
 
国民は法務省や警察司法組織のたくらみをしっかり監視していく必要があります。
 

トランプ大統領の頭の中はどうなっているのかとずっと考えていて、だんだんとわかってきました。
 
トランプ大統領は就任式の翌日、CIA本部で職員を前に演説した際、マスコミが就任式の聴衆を少なく見せたとして批判し、「超満員だったのに、あるテレビは人がいない場所を映した」「150万人いたように見えた」「今、私はメディアと戦争をしている。彼らは地球上で最も不誠実な人間だ」などと語りました。
 
どうやらオバマ大統領のときより聴衆が少なかったことにプライドが傷つけられたようです。
ですから、事実に基づいて主張しているわけではありません。8年前のオバマ大統領の就任式の写真と今回の写真を比べれば、聴衆の少なさは歴然です。
 
大統領に就任したのだから職務に専念すればいいのに、なぜ就任翌日に、しかも事実に反することでマスコミ批判をするのかというと、トランプ大統領はつねに誰かを批判しないではいられないからです。
当選後もツイッターで工場の海外移転を計画する企業を攻撃し続けていました。
実業家だったころも、オバマ大統領は外国生まれだということで執拗に攻撃し続けていました。
おそらくこれからも、つねに誰かを攻撃し続けていくのでしょう。
 
 
それからトランプ大統領は、良心がないというのか、自分が悪い場合でも罪悪感とか引け目を感じるということがないようです。
たとえばトランプ大統領は自身の納税証明書を今にいたるも公開していません(法的義務はないが、大統領候補は公開するのが慣例)。公開すると都合の悪いことがあるに違いありませんが、本人は「国民はそんなものを求めていない」と言って平然としています。
われわれは事実よりも態度を見てその人のことを判断します。人がおどおどしていればやましいことがあるに違いないと判断し、堂々としていればやましいことはないに違いないと判断するのです。
トランプ大統領はセクハラを初めこれまでさまざまなことで批判されてきましたが、いつも堂々としているので、それで通ってきました。
究極の鈍感力です。これは政治家にとってはひとつの能力ではあります。
 
 
トランプ大統領は自分が悪いということは考えられない人なので、なにか不都合なことが起こると、自分以外の誰かのせいだと考えます。具体的にはマスコミやCIAの嘘だと主張します。
この思考パターンは国に関しても同じで、アメリカがうまくいっていないのは外国のせいだと考えます。中国、日本、メキシコが卑劣なやり方でアメリカの雇用を奪い、アメリカの貿易赤字をつくっているのだというわけです。
これが有権者に支持されて当選したといえます。
 
これは事実に基づいて考えているのではなく、トランプ大統領の思考パターンなのです。
ですから、トランプ大統領が「日本の自動車市場は不公平だ」と批判したことに対して事実を示して反論してもむだでしょう。
 
では、どうすればいいかというと、はっきり言ってお手上げです。トランプ大統領の退陣(あるいはお飾り化)を待つしかありません。
で、それは案外近いような気がします。
就任演説はまったく無内容で、聴衆の拍手もまばらでした。
これから具体的な政策を打ち出していかなければならないのに、相変わらずマスコミ批判、外国批判ばかりです。支持者が愛想をつかすのは早いと思われます。
 
その日を楽しみに待ちたいと思います。
 

1月20日、トランプ氏がアメリカ大統領に就任し、就任演説では「アメリカファースト」を強く主張しました。
「アメリカファースト」というのは、要するに国家規模の利己主義です。日本はアメリカの利己主義にどう向き合えばいいのでしょうか。
 
安倍首相は「価値観外交」ということを言っていて、日本とアメリカは価値観を共有しているという考えのようです。トランプ大統領と価値観をともにすると、どうなるでしょうか。
安倍首相も「アメリカファースト」と考えて、日本よりもアメリカを優先して考えるというのがひとつの答えです。
もうひとつの答えは、安倍首相は「ジャパンファースト」を主張して、アメリカと競うというものです。これも価値観を共有していることになります。
 
前者のやり方は、売国そのものです。
後者のやり方は、アメリカに力負けして、うまくいきそうにありません。
 
ですから、ここはアメリカと価値観を分かたなければなりません。
では、日本はどういう価値観でいくかというと、日本国憲法前文にちゃんと書いてあります。
 
 
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 
 
トランプ大統領の「自国のことのみに専念」するというやり方は、普遍的な政治道徳の法則に反するというのが日本国憲法の考え方です。
これは当たり前のことです。自分の利益ばかり追求する人は社会道徳で許されません。国家においても同じです。
これは倫理学の基本です。
 
しかし、今の倫理学はまったくいい加減ですし、政治学はアメリカ中心の学問になっているので、「アメリカファースト」を正面から批判する有識者はほとんどいないのが現状です。
 
 
ともかく、トランプ大統領の演説を聞くと、経済政策がむちゃくちゃで、「イスラム過激派のテロを地上から完全に根絶する」などと明らかに不可能なことを言っているので、早晩行き詰まり、アメリカ国民からも見放されると思われます。
 
主要国の首脳もそのへんは見きわめているようで、トランプ大統領を支持する発言をした人はほとんどいません。例外はプーチン大統領とヨーロッパの極右政治家ぐらいです。
 
ところが、安倍首相はトランプ大統領に面会したときに「信頼できる指導者であると確信した」などと発言し、1月20日の施政方針演説では「これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそが我が国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則です。できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟の絆を更に強化する考えであります」と述べました。
アメリカ崇拝がほとんど宗教の域に達してしまって、軌道修正ができないようです。
 
ということは、ここは民主党にとってチャンスです。
民主党はトランプ政権に批判的なスタンスをとって、安倍政権を追及すればいいのです。最初はそうしたやり方が批判されるかもしれませんが、トランプ政権がバカなことをするたびに評価されることになります。
 
日本外交は、日本国憲法前文の精神に立って行われるべきです。

アパホテルの客室に、アパホテルグループ代表の元谷外志雄氏が書いた南京虐殺や慰安婦問題を否定する本が置かれているということが、中国のネットにアップされ、炎上騒ぎになっています。
アパホテルは、「日本には言論の自由がある」として本を客室から撤去しないという方針を表明しました。
 
もちろんこれは「言論の自由」の問題ではなく、経営者個人の思想とビジネスを混同しているという問題です。経営者が訴えたいことを書いた本を客室に置くのは、客へのサービスと対極にある行為です。中国人客が多いホテルだけに、なおさら問題です。
 
とはいえ、一企業のおかしな経営者のことで、たいした問題ではないと思っていたら、菅官房長官が言及して、問題が拡大しました。
 
 
中国のアパホテル批判に菅義偉官房長官「過去の歴史に過度な焦点当てるな」と応戦
 菅義偉官房長官は18日の記者会見で、アパホテルの客室に「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定した書籍が備えられていることを中国外務省の華春瑩報道官が批判したことについて「報道官の発言一つ一つに政府としてコメントすることは控えたいと」述べた。
 その上で「過去の不幸な歴史に過度な焦点を当てるのではなく、日中両国が国際社会が直面する共通の課題、そして未来志向に向けて取り組んでいる姿勢を示すことが重要だ」と指摘した。
 
 
「コメントすることは控えたいと」と言いながらコメントしています。
中国外務省の報道官が先にコメントしたとはいえ、この問題をさらに大きくしています。
 
また、菅官房長官は韓国が竹島に少女像を設置する動きをしていることについてもコメントしました。
 
 
竹島への少女像設置運動に強く抗議 菅氏「極めて遺憾」
菅義偉官房長官は17日の記者会見で、韓国北部・京畿道(キョンギド)の与野党議員らが、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島〈トクト〉)に慰安婦問題を象徴する「少女像」を設置するための募金運動を始めたことについて、韓国側に強く抗議したことを明らかにした。
 菅氏は「竹島の領有権に関する我が国の立場に照らしても(少女像設置は)受け入れられず、極めて遺憾だ」と述べ、慰安婦問題の日韓合意を履行するよう求めた。岸田文雄外相も同日の閣議後の記者会見で、「竹島は国際法上も歴史的にも我が国固有の領土だ。(少女像設置は)受け入れられない」とした。
(後略)
 
 
少女像(慰安婦像)といえば、釜山の日本総領事館前に少女像が新設されたことで日本政府は駐韓大使を一時帰国させるという強硬手段に出ました。
私はこれについて前回の記事で、「韓国政局の混乱とアメリカの政権移行期に乗じた機敏な行動」と書きましたが、よく考えると、そういう単純なことではなさそうです。
 
今、アメリカのトランプ新大統領の就任を迎え、日本はどう対応するかを考えなければならないときです。
おそらくトランプ大統領は外交軍事でも経済でも日本に無理難題を吹っかけてくるのではないかと思われます。そうすると、日本はアメリカから自立しなければという議論になるはずです。
しかし、今のように中国韓国と歴史問題で対立していると、そういう議論にならず、ますますアメリカ依存が深まってしまうかもしれません。
 
そういうことを考えると、安倍政権が駐韓大使を一時帰国させたり、菅官房長官が中国韓国と対立をあおるようなコメントをしたりするのも、アメリカ依存を続けようという戦略に基づくものと思えます。
少女像問題で駐韓大使を一時帰国させるという強硬なやり方は、これまでの日本外交にはなかったもので、多くの人が意外に思いましたが、そういう戦略があると思えば納得できます。
 
ともかく、ネットの論調を見ていると、日米関係のことよりも中国韓国との関係に関心が向かっています。
安倍首相は当選直後のトランプ氏に会って、「信頼できる指導者だと確信した」とおバカ発言をしましたが、そのことも忘れられています。
中国韓国と対立してアメリカ依存を深めるという安倍政権の戦略は、今のところうまくいっているようです。
 

トランプ大統領の出現によって世界は大揺れになっていますが、日本ではそれよりも慰安婦像を巡る日韓関係のほうに関心が集まっているようです。
 
釜山の日本総領事館前に慰安婦像が新設されたことに対して、安倍政権は駐韓大使を一時帰国させるという強硬手段に出ました。韓国政局の混乱とアメリカの政権移行期に乗じた機敏な行動です。
私は菅官房長官が主導したのではないかと思っています。菅官房長官は伊藤博文を暗殺した安重根をテロリスト呼ばわりするなど、昔から韓国にきびしいところがあります。
 
この安倍政権の行動が日本では好評のようです。
しかし、力の入れどころが違うと言わざるをえません。
 
慰安婦像そのものは、ただの清らかな少女の姿です。そこに存在していても日本の国益を損ねませんから、撤去したところで国益になりません。
 
ただ、日本の一部に慰安婦像の存在を気にする人たちがいるので、そういう人は撤去されると満足するでしょう。
ただ、それは自己満足です。
 
日本で閣僚が靖国参拝をしたとき、よく「心の問題」だということを言います。「心の問題」だから他人や他国に干渉してほしくないということでしょう。
慰安婦像もやはり「心の問題」です。
そして、「心の問題」で他国に干渉しているわけです。
 
もちろん韓国の民間団体も日本人へのいやがらせで慰安婦像を設置しています。
しかし、「いやがらせ」というのは、相手がいやがるから「いやがらせ」になるのです。
日本人がいやがらなければ、彼らもやる意味がなくなります。
 
私は前に、日本の大使館員が毎朝出勤するときに慰安婦像に一礼すれば、慰安婦像は日韓友好の役に立つと書いたことがあります。
「心の問題」ですから、どうにでもなるはずです。
 
慰安婦問題で韓国を非難している人たちは、「日本の名誉回復」といった理由づけをしますが、実は彼らは「軍国日本の名誉回復」をやろうとしているので、やればやるほど現在の日本をおとしめてしまいます。
 
外国から慰安婦像を巡る日韓の対立を見れば、日韓両国ともなんと低レベルの国かという感想しかないでしょう。
日本としてもこれはさっさと終わらせてしまうしかありません。

大統領になればもうちょっとまともになるだろうという期待は見事に打ち砕かれました。
1月11日の記者会見においてもトランプ氏はトランプ節全開でした。
 
トランプ氏は会見で「私は神が創り出した最高の雇用創出者になる」と発言しました。
「私は神だ」とは言っていませんが、「私は神の次だ」という思いはあるでしょう。
自意識が極限までに肥大化していると思われます。
 
トランプ氏が考えているのは自分のことばかりです。
ですから、すべてを自分の敵か味方かで判断します。
会見でも気にいらないマスコミを攻撃しましたし、会見の少し前にはアーノルド・シュワルツェネッガー氏やメリル・ストリープ氏を攻撃するツイートをしていました。
大統領としてふさわしくふるまおうなんていう思いはまるでなさそうです。オバマ大統領とは対極です。
 
トランプ氏は、貿易相手国としてメキシコ、中国、日本を名指しで攻撃しました。
これに対して日本の外務省幹部は「日米がウインウインの関係にあることを、もっと知ってもらうために働きかけないといけない」と語りましたが、そういう理性的判断をトランプ氏に求めてもむだです。トランプ氏は日本が下僕としてふるまうのでなければ満足しないでしょう。
 
 
一方、この会見においてアメリカのマスコミは、もっぱらロシアのハッキングの問題でトランプ氏を追及しましたが、このマスコミの姿勢にも疑問を感じます。
 
トランプ氏が裏でロシアと取引していたなら別ですが、ロシアがトランプ氏に有利なように動いたからといってトランプ氏を非難するのは筋違いです。
 
トランプ氏に唯一いいところがあるとすれば、それはロシアと仲良くやっていきそうなところです。ところが、マスコミはトランプ氏とロシアの間にくさびを打ち込んで引き裂こうとしています。
この点で、マスコミは共和党主流派などのエスタブリッシュメントと同じです。ロシアと対立する冷戦構造を維持したいのでしょう。
 
もちろんマスコミが批判するべきは、トランプ氏の人種差別主義です。
たとえばトランプ氏は、メキシコとの国境に築く壁の費用をメキシコに払わせると言っていますが、こういうこと自体がメキシコ人をバカにしています。しかし、これはほとんど批判されていません。マスコミも人種差別を共有しているからでしょう。
 
日本のマスコミも同じです。
たとえば、フォードがメキシコに新工場を建設する計画を撤回したとき、マスコミはフォード労働者の「トランプのおかげで雇用が継続してうれしい」みたいな声を報道します。しかし、メキシコの新工場建設予定地の人の声は報道されません。現地に取材に行けば、「フォードの工場で働けなくなって悲しい」といった声が聞けるはずです。両者を対比させれば、人種差別政策のばかばかしさがおのずとわかります。
アメリカのマスコミも日本のマスコミもメキシコ人を差別して、その声を伝えないので、トランプ批判に切れがありません。
 
ともかく、世界は史上最悪のアメリカ大統領を迎えることになりました。
日本もどう対応するか、頭の痛い問題です

毎年、成人式の時期になると、成人式とはなにか、成人(おとな)とはなにかということを考えてしまいます。
 
今年も例によって“荒れる成人式”があって、つくば市の成人式会場では複数の新成人が壇上に上がって騒ぎとなり、うち1人が逮捕されました。
毎年こういうことが起こるということは、成人式そのものに問題があると考えなければなりません。
 
成人式は基本的に地方自治体の主催で、出席者は選択の余地がありません。つまらない成人式だと腹が立って、主催者に文句を言いたくなるのは自然な感情です。騒ぎを起こすのはいただけませんが、“主催者責任”が問われて当然です。
 
成人式ではたいてい、市長など偉い人たちが壇上であいさつし、あいさつだけにとどまらずに人生訓を垂れたりします。いったいどういう資格で人に人生訓を垂れるのでしょうか。
会場にいるのは新成人、つまり壇上の人も会場の人も同じおとななのです。
その資格もないのに偉そうに人生訓を垂れられると、誰でも不愉快になります。
 
そこで最近は、有名人を招いて講演会をしたり、若者に人気のミュージシャンのコンサートをしたりということが多いようですが、誰もが満足する講演会やコンサートはありません。講演や音楽を聞きながら、退屈して時間のむだだと思っている人も多いはずです。
 
そこで、成人式を立食パーティの形式にすればいいのではないかということを、去年このブログで書きました。ほとんどの参加者は成人式の内容などどうでもよくて、友だちと会って、それから遊びにいくことが目的なはずです。だったら、立食パーティがいちばんいいはずです。
 
ただ、これは会費がかかりますし、自治体の主催だとやはり運営に不満の出るおそれがあります。
 
そこで今回考えたのは、成人式の廃止ないし民営化です。
 
 
成人式の起源は元服にあるという説がありますが、元服はたいてい数え年15歳ですし、もともと民間行われていたので、役所が主催する必要はありません。
戦前の日本では、満20歳の徴兵検査でもって男は一人前になるという考え方がありました。成人式は戦後始まり、役所が主催するという形式からして、徴兵検査に代わるものとして始まったと考えるべきでしょう。
 
そうすると、だんだんとその意義も失われてきて、とくに18歳選挙権が実現した今、20歳をもって成人とすることの意味もなくなりました。
無意味なことに税金を使うことは許されません。
 
近年、ハローウィンに仮装で街を歩いたり、パーティをしたりということがひじょうに盛んになってきています。
成人式にもし意味があるなら、ハローウィンと同じように民間で勝手にやるでしょう。
その場合は、「若者が晴れ着を着て街を歩いたりパーティをやったりする日」ということになるはずです(その日を境におとなになるなんていうことはないので)
成人式という意味づけが必要なら、役所が「成人式参加証」みたいなものを発行して、各パーティ参加者に配るという方法もあります。
 
成人式で騒ぎが起こるのは、おとなの権威も役所の権威もなくなっているのに、いまだにおとなや役所が偉そうにするからです。
 

アメリカのフォード・モーターは1月3日、メキシコに新工場を建設する計画を撤回すると発表しました。トランプ次期米大統領に脅されての屈服です。
トランプ氏は工場の海外移転を計画する企業を次々と名指しで攻撃し、計画撤回に追い込んでいます。
アメリカ経済は「見えざる手」ではなく「トランプの手」によって動かされているようです。
こんなやり方でアメリカ経済がよくなるはずがありません。
トランプ氏はテレビ番組で「お前はクビだ」という決め台詞を言っていたのと同じ感覚で、要するに自分が喝采を浴びたいのでしょう。
 
トランプ氏はトヨタにも矛先を向けてきて、5日、メキシコでの工場建設計画を撤回しなければ重い輸入税を課すと脅しました。
これに対しトヨタは「メキシコで新工場ができることによって、米国における生産台数や雇用が減ることはない」との声明を発表しましたが、これはアメリカにだけ配慮した声明で、国際企業としてふさわしくありません。
 
トヨタは「メキシコの新工場はメキシコの雇用に貢献する」と言えばいいのです。
あと、「メキシコ人のほうがアメリカ人より安い給料でよく働くので、アメリカの消費者にも貢献できる」と言ってもいいのですが、さすがにこれは角が立ちそうです。
 
ともかく、トヨタがトランプ氏の差別主義的な主張に従ったら、トヨタはメキシコ人を差別することになり、差別主義的な企業と見なされることになります。
 
トランプ氏の選挙のスローガンは「アメリカファースト」です。
これは要するに「アメリカさえよければいい」ということで、アメリカ国内でしか通用しない理屈です。
「自分さえよければいい」という人間が世の中で嫌われるのと同じです。
そのことをトランプ氏とアメリカ国民にわからせるためにも、トヨタは正しく対応することがたいせつです。
 
 
それを思うと、安倍首相がトランプ氏当選直後にニューヨークに会いにいって、「信頼できる指導者だと確信した」などと言いましたが、これもトランプ氏とアメリカ国民を勘違いさせます。
安倍首相は「私の信念はジャパンファーストだ。これからトランプ氏とやり合うのが楽しみだ」とでも言うべきでした。
もちろん「アメリカさえよければいい」という考えは国際社会では通用しないぞという意味です。
安倍首相はトランプ氏より圧倒的に政治的キャリアがあるのですから、上から目線で教えてもおかしくありません。
もっとも、アメリカに尻尾を振ることしか考えない安倍首相にはむりなことですが。

明けましておめでとうございます。今年もこのブログをよろしくお願いします。
 
年が改まったのを機会に、このブログの基本的立場を説明しておきます。
 
人間性について性善説と性悪説とふたつの考え方があって、どちらが正しいか結論が出ていません。
なぜこんな単純なことがわからないのかというと、実は性悪説が正しいのですが、人間は自分が悪い人間だとは認めたくないからです。
 
世の中には性悪説を唱える人もいますが、そういう人は自分のことを棚上げにして主張するので、論理性がなく、説得力もありません。
また、性善説を唱える人もいますが、性善説は現実となかなか合致しません。
ですから、たいていの人は、そのときの状況に合わせて性善説を唱えたり性悪説を唱えたりしているのが実情です。
 
性悪説が正しいといっても、人間性は全面的に悪だというわけではありません。ほんのちょっと悪いだけです。
 
「ちょっと悪い」というのは、利己性と利他性の差から生じます
人間を含めた動物は、自己の生存を優先するという利己的性質を持っています。一方で、子どもの世話をしたり仲間を助けたりする利他的性質も持っています。利己的性質と利他的性質を比べると、利己的性質のほうがちょっと強いというわけです。
 
たとえば、なわばりを持つ動物は、ほかの個体のなわばりを尊重する性質を持っていて、それによってむだな争いを回避しています。しかし、自他のなわばりを完全に公平に判断できるわけではありません。少し自分に有利なように判断するので、多少のなわばり争いが生じます。
 
それは人間も同じです。完全に公平であるよりは少し自分に有利に判断する性質を持っています。
たとえば、買い物をして釣銭が少なかった場合、ほとんどの人はすかさず指摘しますが、釣銭が多かった場合は、そんなにすかさず指摘しませんし、中には黙っている人もいます。
 
ただ、動物の場合は同じレベルでとどまっていますが、人間の場合は文化が進化していきますから、悪も進化していきます。そのため人間社会には動物社会にはない悪があふれることになりました。
 
もっとも、それも自然の摂理として肯定すればいいという考え方もあるでしょう。ただ、戦争は肯定するわけにいきません。
国と国が領土問題で争うのは、動物のなわばり争いと同じです。しかし、人間の場合は、戦争のやり方と兵器がものすごく進化したので、戦争による不利益はたいへんなものです。ここは知恵を出して戦争を回避しなければなりません。
 
それから、親が子どもに対してしつけ・教育をするのは人間だけです。これも親の利己的行動の進化したものではないかと想像されます。
どんな人間になるかは子ども自身が決めることです。しつけ・教育は子どもの自己決定権の侵害ですから、しつけ・教育についても見直していかなければなりません。
 
人間性悪説の立場に立ち、自分は生まれつき利己的だと思っていれば、夫婦喧嘩も回避できて、離婚という不幸に至ることも少なくなるはずです。
 
 
日めくりカレンダーに書いてあった名言に「他人の罪はとがめるが、自分の罪は気づかない」というのがありました。
これは自分のことを棚上げにする「偽の性悪説」をうまく表現しています。
「真の性悪説」は他人の罪も自分の罪も同等に認めるものです。
この立場に立てば、すべて論理的に明快になり、争いも避けられ、なにより家庭が平和になります。
 
そういう「真の性悪説」を完成させ、普及させるのがこのブログの目的です。

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