村田基の逆転日記

進化倫理学の威力を試すブログ

2017年02月

国有地を不当に安く取得した疑惑のある学校法人森友学園は、「安倍晋三記念小学校」の名前で寄付集めをし、安倍昭恵さんが名誉校長を務めるなど(現在は辞任)、安倍首相と密接な関係があります。いったいどういう教育をしているのかと思って、この4月に開校予定の小学校のホームページを見てみました。
 
瑞穂の國記念小學院平成294月開校
 
 
「日本で初めてで唯一の神道の小学校です。キリスト教や仏教の学校は日本には沢山ありますが、神道の小学校はありません」とうたっています。
「教育理念」に「日本人としての礼節を尊び、それに裏打ちされた愛国心と誇りを育て」とあり、また「教育の要」に「天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ」「愛国心の醸成。国家観を確立」とあります。
 
その一方で、「論語」だの「大學素読」という言葉も出てきて、儒教にも力を入れているようです。森友学園系列の塚本幼稚園は、君が代斉唱、教育勅語暗唱とともに論語素読をさせることでも知られています。
籠池泰典理事長は「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」といったことを書いた文書を保護者に配布し、ヘイトスピーチであるとして問題になりました。
しかし、「論語」という“支那人”の文化は教えているわけです。
 
また、英語教育にも力を入れ、小学校一年生から英語を教えるというのも特徴です。
一年生で「外国語」に年間120時限が割り当てられ、これは「国語」「算数」の次で、「体育」の111時限よりも多い数です。
 
こんなに英語の授業が多いと、ほかの教科の授業時間がへらされているのかと思いましたが、そうではなく、「豊富な授業時間」をうたい、「標準的な小学校と比べ6年間で1,282時限多い時間数です」ということです。
要するに詰め込み主義です。
 
「神道を中心理念として、日本人としての誇りを持つ人材を育成する」と言い、日の丸君が代、教育勅語暗唱、軍艦マーチ演奏(塚本幼稚園)など右翼色を前面に出していますが、中を見ると、儒教があったり、英語教育があったりします。
ここには安倍首相など日本の右翼の矛盾が集約されています。
 
教育勅語も同じです。儒教道徳に近代ナショナリズムを合体させ、国家神道で権威づけたのが教育勅語です。
明治政府が富国強兵のためにむりやりつくったもので、日本の伝統とはむしろ縁遠いものです。
 
ところが、これを日本の伝統だと勘違いしているのが日本の右翼の痛いところです。
 
先日亡くなった鈴木清順監督は、そのへんをちゃんと理解していて、「天声人語」にこんなことが書いてありました。
 
▼東京・日本橋に呉服商の長男として生まれ、本所で育つ。江戸の文化を明治維新が滅ぼしたという持論を曲げず、上野公園の西郷隆盛像に納得しなかった。「僕が都知事になったら(略)一心太助か葛飾北斎の銅像を建てるね」。自著で歯切れよく語った
 
日本の伝統でないものを日本の伝統だと教わる子どもたちがかわいそうです。
 
 
また、論語素読とか教育勅語暗唱とかは教育の放棄と同じです。
「読書百遍意自ずから通ず」という言葉を根拠として、論語をただ読むだけで意味がわかってくるという説があるわけですが、わからないことは百遍読んでも千遍読んでもわかりません。ちなみに孔子はそんな教え方はしていません。具体的な例を挙げてわかりやすく教えています(それが論語になった)。その後は論語を使って教えるようになり、まったく教える能力のない教師は読ませるだけになっただけのことです。
 
教育勅語の暗唱も同じです。「夫婦相和し」と繰り返し唱えていれば夫婦仲がよくなるものでもありません。
 
安倍首相などの右翼は、富国強兵や軍国主義が日本の伝統だとする勘違いから脱して、一から出直すべきです。

万引き被害にあったメガネ店が防犯カメラに映った犯人の写真をインターネットにアップしたことが議論を呼びましたが、それに影響されたのか、今度はマクドナルドでも同じようなことがありました。
 
 
「単品って何だ!」「バカにしてるのか」 マックに顔写真晒された男の暴言内容
コンビニやメガネ店で「万引き犯」の顔写真を店頭やネット上で貼り出す騒ぎが相次いでいるが、今度は、マクドナルドの店舗で写真貼り出しが分かった。
   その店舗は、千葉県市川市内のマクドナルド妙典駅店だ。
 
  千葉県警の行徳署がJ-CASTニュースの2017222日の取材に答えたところによると、妙典駅店では、客の男が2017218日午後10時半ごろ、レジに並んでビッグマックを注文した。
   「セットにしますか? 単品にしますか?」。アルバイトの男性店員が通常通り、こう男に聞くと、男は、急に怒り出した。「単品って何だ!」と店員を怒鳴り付け、店員と口論状態になった。店長も出てきて仲裁しようとしたが、男の怒りは、さらにエスカレートし、「バカにしてるのか!」と大きな声で店員らに暴言を浴びせたのだ。
   これに対し、店員が「お帰りいただけますか?」と言い、男の後ろに並んだ他の客に商品を渡そうと、カウンター越しに右手を伸ばしたときだ。男はいきなり、店員の手を払いのけるように右手ではたいた。そして、「外で待っている」と言って、男は、店の外に出た。
   その間、店側が警備会社に通報し、それを受けた警備会社が警察に110番した。このときの話では、男は酒に酔っていたという。警察が駆け付けたときは、男が立ち去った後だった。店員には、ケガはなかったという。男については、店では初めて見る顔だったそうだ。
   妙典駅店ではその後、防犯カメラに映った男の写真2枚をポスターにして、店内や入口のガラスに貼り出した。通行人も見えるような場所だ。
 
2枚とも男の顔がはっきり分かるようになっており、「犯罪者探しています!」と赤字でタイトルが付けられていた。このときは警察にまだ被害届を出していなかったが、「2/18()夜に店舗内で従業員への暴言、暴行で被害届を出しています!下の写真の人物に心当たりのある方、店舗までご連絡いただけますと助かります」とも書かれてあった。
(中略)
  男の写真貼り出しについて、ニュースのコメント欄などでは、「こんな店には怖くてゆけない」といった声もあるものの、総じて理解を示す向きが多く、「別にいいんじゃないの?」「店側の気持ち分かるよ」「こうでもしなければ警察は動いてくれないんだろ」などといった感想も書き込まれている。
 
 
こういうやり方にはかなり賛同の声があります。ネットではなおさらです。
しかし、これはよくないに決まっています。なぜならマクドナルド妙典駅店の言い分が正しいとは限らないからです。
 
客の男がビッグマックを注文したところ、店員が「は? 単品?」といかにもバカにしたように言い、客が口の利き方をたしなめたところ、「貧乏人のくせに人に説教か」などと暴言を吐き、言い争いとなって、客が帰ったあとも店員は腹立ちが収まらないために、防犯カメラの写真を嘘とともに張り出したということも考えられます。
つまりこの時点では、どちらが正しいかわからないのです。警察が捜査して、双方の言い分や目撃者の証言などを踏まえた上で判断し、それから情報公開という手順になるべきです。
 
実際のところは、たぶんマクドナルド 妙典駅店の言い分が正しいのでしょうが、こういうことが許されると、人を陥れようとして嘘の情報を流す人がでてくるものです。そして、そのときに「この情報は怪しいのではないか」という声は、「悪いやつをやっつけろ」という声にかき消されがちです。最終的にそれが嘘だとわかって、嘘の情報を流した人が罰されたとしても、ネットの嘘情報はなかなか消せないので、被害者はたまったものではありません。
 
今の犯罪報道は、ローマ時代のコロシアムみたいに大衆の娯楽になっています。今回のメガネ店やマクドナルド店のやり方はそれに便乗したものです。
 
便乗したといえば、芸能人の犯罪を大げさに騒ぎ立てる芸能マスコミもそうです。結果的に不起訴になる件を平気で有罪扱いしています。
 
そして、「共謀罪」だか「テロ等準備罪」だかをつくろうとしている政府も同じです。国民はそんな新しい罪をつくる必要は感じていないのに、警察の権限拡大のためにつくろうとしているのです。
 
個々の犯罪を罰するのはゴキブリをたたいているようなものです。
ゴキブリをたたき殺すと達成感があるかもしれませんが、それよりも家を清潔にしたほうがいいのは言うまでもありません。

トランプ政権が発足して2月20日でちょうど1か月ですが、トランプ大統領は大統領令に署名するパフォーマンスをするだけで、まったく実行力がないということが見えてきました。
なにもかもがうまくいっていませんが、いちばんの問題は、メキシコ国境の壁の建設費をメキシコが払いそうにないことです。アメリカ国民の税金で建設費を払うのなら、トランプ支持者もがっかりでしょう。
 
トランプ大統領は18日にフロリダ州メルボルンで支持者を前に演説し、政権の混乱を伝えるメディアを攻撃し、「メディアが国民に嘘をついたら必ず罰してやる」などと言いました。
それに対してマケイン上院議員は「自由な報道が失われれば、独裁の始まりとなる」と批判しました。
 
トランプ大統領の人種差別主義と独裁的手法から、彼をヒトラーにたとえる向きもあります。しかし、ヒトラーとは大きく違うこともわかってきました。
 
ヒトラーのナチ党には突撃隊がいて、共産党など敵対組織とつねに殴り合いを演じて、死者を出すことも珍しくありませんでした。政権を握ってからは国会議事堂放火事件を理由に反対派を多数逮捕し、ゲシュタポも使って、反対派や一般市民に恐怖を与えました。また、ナチ党内でも突撃隊を粛清するなどしています。
ヒトラー自身も、その鋭い目つきや激しい語調で人々に恐怖を与えました。
つまりヒトラーの独裁は多分に恐怖を利用したものでした。
日本の軍部独裁も、五・一五事件、血盟団事件など暗殺の恐怖があったからこそです。
 
トランプ支持派に突撃隊のような実力部隊はいませんし、おそらく制度的にトランプ大統領がFBIやCIAを使って反対派を弾圧するということもできないでしょう。
トランプ大統領がどんな人間かもわかってきました。タフでパワフルですが、要するにひたすら自己中心的な人間です。そういうことがわかると、恐怖も感じません。
これではヒトラーのような独裁はむりです。
 
むしろこれからはトランプ大統領はどんどんバカにされるようになるのではないでしょうか。
たとえば、写真を加工して「小さいトランプ」をおもしろがるということがすでに流行しているということです。
 

トランプ米大統領を小人化した「小さいトランプ」画像が大流行!なんかカワイイwwwww

 
権力者は多くの人から笑われたりバカにされたりすると、権力者でなくなってしまいます。
 
トランプ大統領の行く末が見えてきました。
 
 
 
 

女優の清水富美加さんが芸能界を引退して幸福の科学に出家すると表明したことで大騒動が起きています。
 
清水さんが所属していた芸能事務所レプロエンタテインメントは、のん(能年玲奈)さんが所属していた事務所でもあります。相次いで人気女優が逃げ出していくというのは、よっぽどブラックな体質なのでしょう。
のんさんは本名である「能年玲奈」の名前が使えなくなりました。本名を使うなというような不当な要求をする事務所がまともなわけありません。
 
清水さんの次のツイートにそれがうかがえます。
 
千眼美子 (本名・清水富美加) ‏@sengen777  212
力ある大人の怖い部分を見たら
夢ある若者はニコニコしながら
全てに頷くようになる。
そんな中ですり減って行く心を
守ってくれようとしたのは
事務所じゃなかった。
 
 
しかし、レプロエンタテインメントは大手バーニングの系列なので、芸能マスコミはまったくといっていいほど事務所の批判をせず、逆に個人批判をします。のんさんの場合は、のんさんが洗脳されたという報道がまかり通っていました。今回は、仕事を放りだすのは無責任とかわがままとかの批判があふれています。
芸能マスコミやテレビのコメンテーターも怖い大人の仲間と思えます。
 
清水さんはブラックな事務所から逃げ出しましたが、逃げ出した先が幸福の科学です。
幸福の科学は清水さんの芸能界引退を否定し、清水さんの告白本を出版しました。こんなに早く本が出るということは、計画的に仕組まれていたわけで、幸福の科学は清水さんを教団の広告塔に使うつもりと思われます。
 
となると、「清水富美加は幸福の科学に洗脳された」みたいな報道になりそうなものですが、今回は「洗脳」という言葉がまったくといっていいほど出てきません。
これはやはり幸福の科学が新興宗教の中でも大手で、メディアに広告費を多く出しているという事情があるようです。
 
それから、清水さんの両親も幸福の科学の信者であるということもあります。
清水さんが出家した背景には両親の意向もあるに違いありません。
親が子どもを自分の意のままにすることは、今の世の中では決して批判されません。親が子どもになにかして批判されるのは、幼児虐待と認定されたケースだけです。
ですから、「親が子どもを洗脳する」という表現はありえません。
そのため「幸福の科学が清水さんを洗脳した」という報道もないのではないかと思われます。
 
親が子どもになにをしても批判されないというのは、世の中を支配している大人たちのほとんどが子を持つ親だからです。
 
 
芸能事務所、教団、子を持つ親などの大人たちはみな自分の利益を考え、その結果、清水さんがいちばん批判されるという展開になっています。
私は清水さんがどんな人間かまったく知りませんが、22歳という若さですし、少なくとも自分の利益のために他人を批判したり陥れたりするという大人の悪知恵はまだつけていないと思います。自筆のコメントに「毎日がギリギリの状態でした」と書かれていたのもほんとうでしょう。
 
周りはろくでもない大人ばかりのようですが、それに染まらずに生きていってほしいものです。
 

トランプ大統領は選挙中に「安倍は頭が切れる。キャロライン・ケネディは安倍に飲まされ食わされ、日本が望むことを何でもするようになった」と語っていました。
これはかなり悪意のある言葉です。
安倍首相はトランプ大統領に夕食をごちそうになるとき、「まさか私がケネディ大使にしたのと同じことをするつもりじゃないでしょうね」くらいの皮肉を言うべきですが、安倍首相にはむりでしょう。
 
日米首脳会談において、アメリカ側は貿易赤字問題を持ち出さなかったということで、日本側は安堵しましたが、これもおかしな話です。
トランプ大統領は「日本では、我々の車の販売を難しくしているのに数十万台の車が大きな船で米国に入ってくる」「公平ではなく、話し合わなければならない」と語っていました。これについては日本のほうから議題にして、「われわれは不公平なことはしていない。アメリカの貿易赤字は公平な貿易の結果だ」と主張するべきです。なにも言わないと、トランプ大統領の言ったことを認めたことになります。
 
日本がアメリカにものが言えないのは異常なほどです。安保法制にしても、日本はアメリカに言われたことをやるだけです。
 
ただ、これらは国益の問題です。もっと大きな、世界史的な問題もあります。
 
 
トランプ大統領は1月28日、イギリスのメイ首相との共同記者会見の場で、「(米英の)特別な関係は正義と平和にとって偉大な力の一つとなってきた」と語りました。
「正義」という言葉を持ち出したのは、第二次世界大戦で枢軸国を相手に戦ったことを念頭に置いているのでしょう。英米が正義で、枢軸国は悪だというわけです。
 
日本の左翼は、日本軍国主義を悪だと思っているので、この発言に反発はしないでしょうが、日本の右翼は、日本軍国主義を悪とするのは東京裁判史観であり、日本人に罪悪感を植え付ける洗脳プログラム(WGIP)のせいだと主張しているので、この言葉には反発しなければなりません。
しかし、日本でこの言葉はまったく問題にされていません。
右翼は慰安婦や南京事件で中国韓国にはものが言えますが、アメリカにはまったく言えないのです。
 
 
また、メイ首相は1月26日、フィラデルフィアでのアメリカ共和党の集会で演説し、「英米が、世界を自らのイメージに合わせて作りかえるために主権国家に介入した時代は終わった」と語りました。
「時代は終わった」と言っているだけで、主家国家に介入してきたことについて謝罪も反省もしていません。
いや、メイ首相はその言葉のあと、「だが、脅威が本物であり介入がわれわれ自身の利益になる場合においては、手をこまぬいているわけにはいかない」と述べています。つまりこれからも主権国家に介入するぞと言っているのです。
現にアメリカはアフガニスタンやイラクで主権国家を自分のイメージに合わせてつくりかえています。
民族自決権なんか完全に無視です。こうした米英の傲慢な態度こそがテロを生み出しており、世界平和にとって最大の脅威となっています。
 
しかし、こうしたことにも右翼はなにも言いません。
左翼にはまだ言う人がいますが、ごく少数です。
 
日本とアメリカでは圧倒的に国力の差があるので、二国間交渉ではどうしても不利になります。安倍政権は一国安全保障主義なので、軍事に関してはアメリカの言いなりです。
しかし、トランプ政権はアメリカファーストですから、日本が世界的な視野に立てば、有利になる可能性があります。
一国安全保障主義から世界平和主義への転換が急がれます。
 

訪米した安倍首相は、トランプ大統領との会談のあとゴルフをして、親密さを演出する作戦です。
 
イギリスのメイ首相も、1月27日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談したときは、手をつないで歩くなどして親密さを演出しました。しかし、帰国すると「トランプのプードル」と批判され、メイ首相自身もトランプ大統領のイスラム圏7カ国からの入国禁止政策を批判するなど軌道修正をはかっています。
 
安倍首相は前車の轍を踏んでいます。
しかし、日本では事情が違うかもしれません。すでに「日米会談は100パーセント近い成果」と報道するマスコミもあります。「トランプのポチ」と批判する声は少なそうです。
 
日本人はいまだにアメリカ大統領を神格化しているのかもしれません。
 
昔はアメリカでも大統領は雲の上の人で、映画に大統領が姿を現すなんていうことはまずありませんでした。ある西部劇は、インディアンと騎兵隊が決戦をするという直前に大統領の特使が到着し、インディアンに居留地での待遇を約束することで戦いが回避され、ハッピーエンドになります。映画の常道としては、クライマックスで戦いがあるもので、私もそれを期待して観ていたのですが、「大統領の特使」が到着するというのもひとつのクライマックスとして成立していました。
 
日本映画でも、天皇陛下が姿を現すなんていうことは、一部の史実に基づく映画を例外として、まずありません。アメリカ大統領もそれに近い存在で、大統領の特使であってもありがたかったわけです。
 
アメリカ映画での大統領のイメージがまったく変わったのは、1997年制作の「エアフォース・ワン」です。ハリソン・フォード扮するアメリカ大統領は、大統領専用機を乗っ取ったテロリストに単身戦いを挑みます。
 
その前年に制作された「インディペンデンス・デイ」では、元戦闘機パイロットで湾岸戦争の英雄だったという設定のアメリカ大統領がみずから戦闘機に乗り込んで敵の宇宙船を攻撃します。
 
大統領が雲の上の人から、現場で戦うヒーローになったわけです。

その後、リンカーン大統領が吸血鬼と戦う「リンカーン/秘密の書」、ゾンビと戦う「リンカーン vs ゾンビ」なんていうのも制作されています。
 
トランプ大統領の出現もそういう流れの中にあります。
ただ、トランプ大統領はヒーローというイメージでなく、用心棒や借金取立人というところでしょう。
用心棒や借金取立人は凶暴なほうがいい。そういうことでトランプ大統領は支持されているのではないでしょうか。
 
犬にたとえれば、トランプ大統領はドーベルマンというところです。ポチやプードルでは、同じ土俵では勝負になりません。
 
今回の会談で、トランプ大統領は安倍首相と握手するとき、おそらく強烈な力で握りしめ、安倍首相は辟易した顔になっていたことが次の記事で示されています。
 
 
トランプ大統領、安倍首相と握手19秒 たかが握手、されど全てを物語る(動画)
 
 
握手で相手を威圧するというのはなんとも原始的なやり方です。安倍首相もプライドを傷つけられた可能性があります。日本国民はどうでしょうか。

安倍首相は2月10日のトランプ大統領との会談に、約17兆円の米国へのインフラ投資などで約70万人の雇用を創出するプランを手土産に持っていくということです。
日本人の雇用よりアメリカ人の雇用に奉仕するとは、「朝貢外交」と言われて当然です。
 
安倍首相はトランプ大統領といっしょにゴルフをやるという話もあります。白人至上主義者にかわいがられようとする有色人種の姿は、世界から笑われるか、哀れに思われるか、どちらかです。
 
安倍首相がトランプ大統領に会ったとき、するべきことはゴルフではなく、自民党得意の「道徳教育」です。
トランプ大統領ほど道徳教育が必要な人はいません。
 
たとえば、トランプ大統領は水責めなどの拷問を肯定する発言をしています。
安倍首相は「トランプさんはアメリカ兵が水責めされてもいいのですか。自分がされていやなことを人にしてはいけません」と教えるべきです。
 
また、アメリカのヘイリー国連大使は「アメリカの国益が優先されなければ国連分担金の一部拠出停止も辞さない」と発言しています。
安倍首相は「国連はアメリカの国益のためにあるのではありません。アメリカは大国の責任を自覚してもっと国連に貢献するべきです」とトランプ大統領に教えるべきです。
 
ほかにもトランプ大統領に教えることはいろいろあります。
 
「貧しいメキシコに壁をつくる費用を払わせるのは間違っています。豊かなアメリカは逆にメキシコの福祉の費用を払えばどうですか。そうすればメキシコ人の不法移民はへりますよ」
 
「アメリカを偉大な国にするとおっしゃっていますが、偉大であるかどうかは、自分で決めることではなく、周りが決めることです」
 
「アメリカファーストとおっしゃっていますが、世界中の国が自国第一主義になったら、どうなると思いますか」
 
 
もっとも、安倍首相はこういうことは言えないでしょう。
というのは、自民党の道徳教育は、自分より力のある者に対してものを言うということを教えていないからです。
 
自民党の道徳教育は、教師や親に従順な子どもをつくり、さらには企業に従順な労働者をつくるのが目的です。
ですから、イジメはよくないということは教えても、イジメにどう対処すればいいかということは教えませんし、勤勉のたいせつさは教えても、ブラック企業にどう対処すればいいかということは教えません。
 
「自己家畜化」という言葉があります。人間はブタやニワトリを家畜化して人間に都合のよいものにしてきましたが、人間は自分自身もまた人間に都合のよいものにしてきたのではないかという考え方です。
 
安倍首相や自民党は、日本人を権力に従順にしようと教育しているうちに、自分自身も権力に従順な存在に教育してしまったに違いありません。
そのため安倍政権はアメリカにすっかり従順になり、安倍首相はトランプ大統領に会っても媚びを売ることしかできないわけです。

トランプ大統領が就任してわずか2週間余りですが、トランプ大統領の言動により世界は大揺れです。
普通の人間の感覚なら、就任してしばらくは、ハンドルさばきに慣れるまで安全運転を心がけるものです。そのため最初の100日間はハネムーン期間として、マスコミも批判を控えるという慣習がありますが、トランプ大統領の場合は、最初からアクセル全開です。
 
国際政治学者の三浦瑠璃氏は、これは初動で敵を圧倒しようという軍事における「衝撃と畏怖」戦略に似ていると分析していますが、トランプ大統領を美化しすぎです。私が思うに、トランプ大統領に戦略なんかありません。

イスラム圏7か国からの入国禁止令にしても、それによってテロが防げるはずがないので、個人的な反イスラム感情を政策にしただけと思われます。ですから、ワシントン州の連邦地裁が禁止令の効力一時停止の判決を出したのは当然です。それに対してトランプ大統領はまたしても感情的に反応し、ツイッターで判事の個人攻撃をしました。
 
トランプ大統領のやることは戦略ではなく感情ですが、その感情(つまり差別感情)に共感する層はトランプ大統領を支持します。
 
トランプ大統領のやることなすことがトラブルを引き起こしていますが、彼はそれを楽しんでいるはずです。トラブルがいやなら、よけいなツイートなどはしません。
つまり今の状態は、アクセル全開のように見えますが、トランプ大統領にとっては巡航速度なのです。
 
そうすると、同じことをやっていたのでは刺激がだんだん薄れてくるので、これからはもっとエスカレートするはずです。
それで行き着く先は、結局戦争でしょう。
 
 
トランプ氏、メキシコへ軍派遣を示唆? 麻薬組織制圧で
トランプ米大統領が先月27日にメキシコのペニャニエト大統領と電話会談した際、麻薬組織を制圧する目的でメキシコへの米軍派遣を示唆する発言をしたと、AP通信などが報じた。メキシコ政府は報道内容を否定したが、メキシコ国内では「内政干渉だ」などと批判が広がっている。
 国境の壁の建設費を巡って意見が対立している両首脳は先月27日、約1時間にわたって電話で会談。AP通信が1日に報じた内容によると、トランプ氏は「メキシコには悪い連中がたくさんいる。メキシコの軍隊はおびえている。米軍を送ることもできる」などと語ったとされる。
 またAP通信は2日、匿名の米ホワイトハウス関係者のコメントとして「一連の会話は、麻薬組織を制圧するための話し合いでなされた」と伝え、発言は「軽い調子で」なされたとも報じた。米CNNも、トランプ氏がメキシコへの軍派遣を申し出たと伝えた。
(後略)
 
 
トランプ大統領は、メキシコを侵略すると言ったのではなく、アメリカ軍の力でメキシコの犯罪組織をやっつけようと言ったわけですが、メキシコを侮辱した発言です。
 
それはともかく、軍隊で犯罪組織をやっつけるというのがトランプ流の発想なのでしょう。
トランプ大統領はまた、統合作戦本部にIS殲滅作戦を30日以内に提出するよう命令していますが、これも軍隊の力でテロリストを殲滅するというトランプ流です。
 
トランプ大統領はすでにイエメンで対テロ軍事作戦を実施して、民間人に犠牲者が出、アメリカ軍にも戦死者が出たことから批判が高まっています。
しかし、トランプ大統領はこうした批判は平気です。むしろ生きがいになっているかもしれません。
 
これまではトランプ大統領の暴言が世界を騒がせてきましたが、これからは軍事力で世界を騒がせることになるのでしょう。

安倍首相はトランプ大統領とゴルフなんかしている場合ではありません。

トランプ大統領は、イスラム圏7か国からの入国禁止令が突然だったと批判されたことに対して、ツイッターで「入国禁止が1週間前に発表されていたら、悪いやつらはその間に、この国になだれ込んでいただろう」と反論しました。
「悪いやつら」(thebad)という言葉を使ったところがトランプ流です。
 
テロリズムやテロリストという言葉に定義はないのですが、「悪いやつ」という言葉はもっと曖昧で、ほとんど無意味です。人間は誰でも悪いことをするし、悪い面を持っているからです。
ですから、政治の世界で「悪」という言葉が使われることはまずありません。事態を混乱させるだけだからです。
ブッシュ大統領が北朝鮮、イラン、イラクを指して「悪の枢軸」という言葉を使ったことがありますが、評判が悪く、すぐ使わなくなりました。
 
しかし、トランプ大統領の場合、「悪いやつら」という言葉を使うところが人気になっている気がします。要するにハリウッド映画の勧善懲悪の世界観です。

 
トランプ大統領は製薬大手首脳との会合で日本の為替政策を批判して、「中国がやっていること、日本がこの数年でやってきたことを見てみろ。彼らは金融市場を利用し、通貨の切り下げを利用してきたが、我々はバカみたいにじっとしていた」、「アメリカ企業が国内で薬を作らなくなったのは、他の国が通貨やマネーサプライ、通貨の切り下げを利用して我々を出し抜いているからだ」と語りました。
つまり、お人好しのアメリカは日本などずる賢いやつらに食いものにされてきたというわけです。
 
トランプ大統領は就任演説でも、「何十年もの間、私たちはアメリカの産業を犠牲にし、外国の産業を豊かにしてきました。他の国々の軍隊を援助してきました。一方で、アメリカの軍隊は、悲しくも枯渇しています」「他国の暴挙から国境を守らなければなりません。彼らは私たちの商品を生産し、私たちの会社を盗み、私たちの仕事を破壊しています」と同じようなことを語っています。
 
「善のアメリカ、悪の外国」という図式です。
そして、トランプ大統領が正義のヒーローとして現れ、悪い外国をやっつけ、アメリカを救うというのが、就任演説の実質的な内容です。
 
今のところトランプ大統領はそのシナリオに沿って行動しています。
ですから、アメリカ国民からそれなりの支持がありますし、本人も自分のやり方に自信を持っているようです。
 
 
国際政治学者などはトランプ大統領のやり方を保護主義だとか内向きだとか評しますが、まったく的外れです。
正義のヒーローが活躍するハリウッド映画だと考えると、よくわかります。

もちろんそれはトランプ大統領の書いたシナリオです。
今までアメリカはその強大な力でもってむしろ他国から奪い取ってきました。日米関係でいえば、日本は貿易摩擦でもプラザ合意でもアメリカにやられっ放しです。
トランプ大統領はそれをアメリカが食いものにされてきたと逆に読みかえて、さらに日本からむしり取ろうとしているのです。
正義のヒーローがトランプ大統領を退治するのが正しい結末です。

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