民進党と小池百合子都知事率いる「希望の党」が合流しそうな雲行きです。
小池氏は激動する政治状況で素早く決断して行動することに天才的な能力があります。
郵政選挙のとき、刺客第一号に名乗りを上げ、それから一気に小泉自民党が大勝する流れをつくりました。
去年の都知事選のときも、小池氏は唐突に立候補を表明し、自民党都連関係者が不快感を示す状況でしたが、自公推薦候補に大差をつけて勝利しました。
それから政治塾で人を集め、都議選に「都民ファーストの会」として多数の候補を立て、ほとんどを当選させました。
そして、今回の「希望の党」としての国政進出です。
小池氏が都知事に当選したのが去年の7月ですから、目まぐるしい展開です。
私は小池氏の行動に、そのつどこれがうまくいくのだろうかと首をかしげますが、結果は小池氏の圧勝になります。
今回もうまくいくのではないでしょうか。
9月27日の希望の党設立の記者会見では、方針として「しがらみのない政治」「寛容な改革保守政党」「税金の有効活用」といった抽象的な言葉が並ぶだけでした。具体的な政策がありません。
しかし、それがいいのでしょう。
今、国民は安倍政権にうんざりしているので、代わりになりそうな政党ができれば票を集めるでしょう。具体的に政策を決めると、そのために逃げていく票があります。
ただ、小泉元首相と会談して、「原発ゼロ」という政策は表明しています。
政策は「原発ゼロ」一本というのもいいのかもしれません。
小池氏は関東大震災で殺された朝鮮人追悼メッセージを拒否したり、韓国人学校への都有地貸与の撤回をしたり、国旗国歌へのこだわりを示したりして、極右ではないかという声もあります。
しかし、小池氏はもともとそういう政治的立場のない人で、今は右翼的なことが受けると思ってやっているのでしょう。
以前は、トヨタのプリウスをいち早く購入するなどして、エコを重視する政治家をアピールし、環境大臣になったりしています。エコは国民受けするという計算からだと思われます。
最近は無電柱化推進を打ち出していました。これも国民にわかりやすい政策だからでしょう。
そして、今は「反安倍」が国民に受けると思ってやっているのでしょう。
小池氏の希望の党と前原氏の民進党がいっしょになったのでは、自民党と同じような政党がもうひとつできるだけではないかという見方があり、実際そうでしょう。
しかし、それでも安倍政権を終わらせることができれば、それだけでも意味があります。
とりあえず小池氏と前原氏の動きに期待したいと思います。