村田基の逆転日記

進化倫理学の威力を試すブログ

2017年10月

大阪府立懐風館高校で、生まれつき髪の毛が茶色いのに黒く染めるように強要され精神的苦痛を受けたとして、女子生徒が損害賠償を府に求める訴えを起こしました。
この学校は、染色や脱色を禁じる「生徒心得」を理由に髪を黒く染めさせるという論理矛盾した指導を行っており、「たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせる」など人権無視の発言をして、世間をあきれさせています。
 
校則と頭髪といえば、少し前に都立高校の約6割で入学時に「地毛証明書」を提出させているという記事が朝日新聞に出て、話題になりました。
パーマをかけていたり髪の毛を染めていたりするのではないかと疑わしい生徒に「地毛証明書」を提出させ、一部では証拠として幼児期の写真も提出させているということです。
 
黒く染めるよう強制するとか、「地毛証明書」を提出させるとかは話題になりやすいケースですが、どうやら茶髪禁止とかパーマ禁止というのは当たり前に行われているようです。
 
私の若いころは、男子生徒に丸刈りを強制する中学や高校がかなりありましたが、最近はほとんどありません。学園の自由化はいくらか進んでいるのかと思っていたら、そうでもなかったようです。
 
昔、丸坊主が強制されたのは軍隊がそうだったからで、いわば軍国主義教育の名残りです。
刑務所に入るときも丸刈りにされるので、それとの関連もあるかもしれません。
頭髪は身体の一部ですから、「お前たちには身体の自由もないのだ」ということをわからせるねらいでしょう。
それが今も続いているわけです。
 
もっとも、こういうことを言うと、高校生が髪を染めることがいかによくないことであるかとか、黒髪がいかに素晴らしいかとか、反論する人が出てきそうです。きっと教育現場ではつねにそういう議論がされているのでしょう。
 
髪型とか毛髪の色とかについてはいろいろな価値観がありますが、これは価値観の問題ではなく、「自分のことは自分で決める」という自己決定権の問題です。
教師がどんな価値観を持ってもかまいませんが、それを生徒に押しつけてはいけません。
 
それに対して、ルールを守ることのたいせつさを主張する人もいます。
しかし、それもやはり自己決定権の問題です。
生徒のルールは生徒が決めるべきです。
 
現在は生徒のルールを教師が決めているので、「おかしな校則」がいっぱいできています。
 
「自分が守るルールを自分でつくったら、自分に甘いルールをつくるからだめだ」という人もいるかもしれませんが、その主張は民主主義の否定です。
「地方自治は民主主義の学校」という言葉がありますが、「生徒自治は民主主義の学校」でもあります。
18歳選挙権が実施されていますが、民主主義について学ばないのに急に投票だけしろと言われても、うまくいきません。
 
現在、生徒自治会の活動が不活発だということもあるようですが、それは自治会の権限が小さいからです。校則をすべて自治会がつくることにするだけで、まったく変わるはずです。
 
 
立憲民主党の枝野幸男代表は、「上からの政治か、下からの草の根民主主義か」と対立軸を設定しましたが、これはきわめて明快でした。
これは学校のあり方にも適用できます。
自民党政権下の学校では、生徒は教師から一方的に指導されるだけです。
若者は自民党支持率が高いというデータがありますが、こういう学校で育った結果でもあるでしょう。
ついこの前も、小中高校のいじめ認知件数が過去最多の32万件になったというニュースがありましたが、いじめの多い学校というのも、結局は生徒の声が学校運営に生かされていないからです。
 
文科省、学校、教師の上からの学校運営か、生徒の草の根民主主義の学校運営かという対立軸で教育改革の議論をすれば、うまくいくはずです。

トランプ大統領は11月初めに予定されている訪韓の際に、南北軍事境界線の板門店を視察することを検討していると報じられていましたが、結局トランプ大統領の安全を考慮して視察はしないことになりました。
トランプ大統領の訪韓は1泊2日の日程なのに、そこに板門店視察を押し込もうとしたのは、よほど板門店を見たかったのでしょう。
 
代わりにというわけではないでしょうが、トランプ大統領に先立って訪韓したマティス国防長官は1027日、韓国の宋永武国防相とともに板門店を訪問しました。
 
トランプ政権高官は板門店訪問が好きなようです。
ティラーソン国務長官は3月17日に、ペンス副大統領は4月17日に板門店を訪問しています。
 
非武装地帯をはさんで両軍がにらみ合っているという休戦状態のところは、世界で朝鮮半島にしかありません。
ですから、ここは一種の観光名所になっています。
 
私も数年前に板門店ツアーに参加したことがあります。
「なにがあっても責任を問いません」みたいな文書に署名させられ、手を振ってはいけないとか笑ってはいけないとかの注意を受けます。
軍事境界線のちょうど上に会議場があって、周囲には両軍の警備兵がいて、緊張感があります。会議場の中に入ることもできますが、向こう側のドアに近づくなと注意されます。急にドアが開いて向こう側に拉致されるかもしれないというのです。
非武装地帯は野生動物の楽園になっているということです。
 
あたりを見物していると、軍事境界線の向こうのほうに人の集団が見えます。ガイドが言うには、やはり板門店見物にきた中国人観光客だそうです。北朝鮮も板門店ツアーをやって外貨稼ぎをしているのです。彼らもこちらを見ていて、観光客の見物の対象になるのは妙な気分です。
 
トランプ政権の高官たちはどういうつもりで板門店を訪れるのでしょうか。外交的に意味がある行為とも思えません。やはり休戦状態なるものを一度見物しておきたいということでしょう。
 
朝鮮休戦協定が成立したのは1953年ですから、もう64年も休戦状態のままです。なぜこんなことになったのかというと、アメリカが朝鮮半島から撤退するという約束を破って平和条約を締結しなかったからです。このことは前に書いたことがあります。
 
知らなかった朝鮮休戦協定の話
 
ですから、いつまでも休戦状態が続いているのはアメリカが望んだことなのです。
アメリカ政府高官たちも、それが望ましい状態だから見にくるのでしょう。
 
なぜアメリカはそんなことを望むかというと、覇権主義のためというしかありません。
アメリカは世界の70以上の国と地域に約800の軍事基地を有しています。
朝鮮半島の基地は、アメリカから見て西方の最前線です。アメリカは建国以来、西へ西へと開拓を進めてきて、とうとうここまでたどり着いたのです。
 
アメリカが軍事基地を置いておくには一定の軍事的緊張が必要です。休戦状態というのは実に好都合で、そのため64年も続いてきたのでしょう。
ただ、その結果、北朝鮮の開発したICBMがアメリカ本土に届くかもしれないという事態になり、アメリカも少々あわてているというところでしょう。
 
現在、アメリカが北朝鮮を攻撃するかしないかという話になっていますが、そもそもアメリカは朝鮮半島をどうしたいのかということが問われないといけません。
平和条約を締結して朝鮮半島を平和にしたいのか、それとも軍事的緊張状態を続けたいのか、どちらかということです。
 
本来なら安倍首相がトランプ大統領に会ったときに問いただすべきですが、トランプ大統領に追随するだけの安倍首相にできるわけがありません。

選挙に勝利した自民党ですが、安倍首相にほとんど笑顔はありませんでした。
今後、なにもいいことがなさそうだからでしょう。
 
今後の政治の焦点は憲法改正だというようなことをマスコミは書いていますが、私はそれに疑問を感じています。
安倍首相は選挙演説で憲法改正にはほとんど触れませんでしたし、選挙翌日の記者会見でも自分からは憲法改正については述べませんでした。ただ、記者の質問は改憲問題に集中し、新聞各紙は一面トップに「改憲論議、首相が意欲」といった見出しを持ってきました。
マスコミが改憲問題を大きくしているのです。
 
安倍政権はすでに解釈改憲をして安保法制を成立させました。つまり実質改憲をしたことになります。
「仏つくって魂入れず」という言葉がありますが、仏をつくる前に魂を入れたので、これから仏をつくるのは抜け殻をつくるのと同じです。安倍首相はあまりやる気がないのではないでしょうか。
 
改憲に賛成する議員が8割ほどになるというアンケート結果がありますが、改憲といっても、憲法九条、教育無償化、緊急事態条項、首相の解散権といった項目があり、どれと特定せずにアンケートをしているので、あまり意味がありません。
 
問題は憲法九条ですが、いまだ改憲案が決定しません。
安倍首相は九条に第三項を追加して「自衛隊」を明記するという案を出していますが、どういう条文かは言っていません。
第二項で戦力は保持しないと書いてあるのに、第三項で自衛隊を保持すると書いたのでは、明らかな矛盾ですから、具体的な条文は示せないのでしょう。
憲法は施行されて70年、ずっと改憲が議論されていますが、議論するばかりで、具体的な案はいまだに出てきません。
自民党は2012年に改憲草案をつくりましたが、今はこれは反故になっているようです。
つまり具体案が出ると、いろいろと批判されて消えてしまいます。
改憲案はお化けみたいなもので、出る出ると言いながら、いつまでたっても出てこないのです。
 
具体的な改憲案もないのに議論するのは時間のむだです。改憲派が具体的な改正の条文を提示したら、それから議論すればいいのです。
 
 
安倍首相も時間のかかる改憲に熱意はなく、それよりも安保法制の具現化を目指しているのではないかと思われます。
つまりアメリカの戦争に参加するということです。
自民党の今回の選挙のキャッチコピーは「この国を、守り抜く」でした。これは明らかに戦争を前提としています。
 
アメリカが作戦を立てて北朝鮮を攻撃するという可能性はほとんどないと思いますが、意図せずに戦争が起こることはありえます。
いずれにせよ、朝鮮半島で戦争が起こったとき、日本はどうするかを今から決めておかないといけません。
そういう議論がまったくないのは不思議です。
 
困るのは、参戦するつもりはないのに結果的に参戦してしまうことです。
安倍首相はそれを狙っているのではないかと思われます。
 
米空母と海自が共同訓練 北朝鮮けん制、28日まで

2017.9.2220:42

海上自衛隊は22日、米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンと海自の護衛艦が太平洋で共同訓練を実施したと発表した。28日までの予定で、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮をけん制する狙いがある。
 
 訓練は11日から房総半島沖で始まり、ロナルド・レーガンが海自のヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」と通信の手順などを確認しながら巡航した。その後、いせと交代で護衛艦「あけぼの」が参加。沖縄周辺の海域まで移動しながら訓練した。
 今後、あけぼのに代わって護衛艦「さざなみ」が加わる。米海軍はイージス艦なども参加した。
 ロナルド・レーガンは今月8日、周辺海域の警戒任務に当たる長期航海のため、横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出港していた。
 
「訓練」とは言っていますが、要するに自衛艦が米空母を護衛している形です。
こんなときに戦争が起こったら、自衛艦だけ離脱するわけにいきません。自衛艦が護衛する米空母から攻撃機が飛び立てば、日本も参戦したことになります。
これは安倍政権の「自発的まきこまれ」作戦だと思われます。
 
日本がアメリカの戦争に参戦するつもりがなければ、今の時期は自衛艦と米艦の共同行動は避けるべきです。
 
しかし、こんなことを言うのがむなしいほど、今や自衛隊と米軍は一体化しています。
国民のほとんども自衛隊と米軍が一体化した現実を受け入れているかもしれません。
 
ただ、立憲民主党は「違憲の安保法制は廃止」という立場です。
今すぐ安保法制は廃止できませんが、朝鮮半島で戦争が起きても、参戦するしないは日本が決めることです。
立憲民主党は、第二次朝鮮戦争が起きたときに日本は参戦するか否かという議論を巻き起こし、とりあえず自衛隊と米軍の分離を主張し、安倍政権の「自発的まきこまれ」作戦を阻止してほしいものです。

トランプ大統領が11月5日から2泊3日で来日することが決まりました。
拉致被害者家族の横田夫妻とも面会するそうです。
安倍首相とトランプ大統領がゴルフをする方向で調整という報道もあります。
 
安倍首相、来日するトランプ大統領とゴルフを計画
場所は埼玉県川越市の「霞ケ関カンツリー倶楽部」で調整
 
世界から白い目で見られているトランプ大統領理と親しげにゴルフをする姿が世界に報道されることの意味が安倍首相にはわかっていないようです。
 
海上自衛隊のヘリ空母「いずも」に安倍首相とともに乗艦し、日米両国の結束を示すことも検討されているそうです。
 
トランプ米大統領、来日時に海自「いずも」乗艦検討 安倍晋三首相も
 
「いずも」は海自最大の自衛艦で、日本の自慢かもしれませんが、米軍の空母と比べればしょぼいものです。なぜそんなものをトランプ大統領に見せるのかと思いましたが、「アメリカのためにこんなものをつくりました」とアピールしたいのでしょう。自衛隊はほとんど米軍と一体化した存在だからです。
 
トランプ大統領の韓国訪問は1泊2日の日程なので、韓国では日本に差をつけられたと不満の声が出ているそうですが、そういうことを報じる日本のマスコミも韓国との差を気にしているのでしょう。まるで殿の寵愛をめぐって争う大奥の女みたいです。
 
 
日本人にとってアメリカ大統領は特別な存在なのかもしれません。
私が子どものころは、子ども向けの偉人伝の中に「キュリー夫人伝」や「エジソン伝」とともに必ず「ワシントン伝」と「リンカーン伝」がありました。
ワシントンやリンカーンはアメリカ人にとっては重要人物ですが、日本人までが重要人物だと思い、しかも偉人だと思っていたのは、やはりアメリカによる占領で日本人が洗脳されていたからでしょう。
それが今まで尾を引いているのか、トランプ大統領に媚びようとする安倍政権の姿は情けないというしかありません。
 
 
情けないといえば、このところ米軍のオスプレイやヘリコプターの事故が相次いで、そのたびに小野寺防衛相が米軍に飛行中止の要請をしていますが、まったく無視されています。
飛行機事故は日本人の人命にかかわる問題です。それにもかかわらず「要請」するだけで「命令」できないというのは、日米安保条約と日米地位協定が不平等条約になっているからですが、多くの人はこれが不平等条約だという認識すらないようです。逆にアメリカに守ってもらっているという引け目を感じていたりします。
 
こうしたアメリカ観のゆがみは、そもそもペリー来航のときから始まっているというのが私の考えです。
アメリカの武力の脅しによる開国要求は、先住民虐殺や黒人奴隷化の延長上にあるもので、当時の日本人が反発して攘夷に沸き返ったのは当然です。
幕府は脅しに屈して開国し、1858年に日米修好通商条約を締結しましたが、これが不平等条約だったためにますます攘夷の世論は高まり、それを背景に1866年、薩長連合が成立し、倒幕がなって明治政府が成立しました。しかし、薩長は攘夷の旗を降ろして国民を裏切り、明治政府は開国はよいことだとしました。
 
開国はいいことだったにせよ、開国は自主的な判断で行うことで、脅されてすることではありません。
「押しつけられた開国はよかった」という認識はゆがんでいます。
このゆがみを正そうとする心理が今の「押しつけ憲法」論につながっている気がします。
 
その後、明治政府はたいへんな努力の末に不平等条約を改定します。
ここのところはちゃんとしていました。
しかし、戦後の自民党政府は江戸幕府のようなもので、アメリカから不平等条約を押しつけられっぱなしで、関係を対等にしようという意欲がありません。
 
で、民進党と希望の党が薩長連合のように手を結んで、自民党幕府を倒そうというのが前原誠司氏の思いだったでしょうが、小池百合子氏のほうはさらさらそういう気はなかったようで、安倍政権と戦うのではなく、民進党内のリベラル派と戦うというそっぽに行ったので、希望の党は失速し、安倍政権有利の展開になってしまいました。
 
選挙結果はどうあれ、今後の日本にとって最大の課題は、アメリカからいかに自立するかということです。
日本の安全保障をアメリカに丸投げするという安倍政権の方針は、アメリカが相対的に地盤沈下し、世界が多極化していく中でいつまでも続くはずがありません。

二世タレントの清水良太郎容疑者(29)が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、父親の清水アキラ氏が記者会見をしました。
 
普通、成人の犯罪に親の責任は問われませんが、親がタレントであると、黙っているわけにいかないので、こうした記者会見が行われ、それによって見えてくることがあります。
 


 
この会見の中でアキラ氏はこう語っています。
 
 
「バカ野郎と突き放したいですけど、家族ですから。家族みんな一生懸命やってるんですけど、そういうやつもいるということ。私の育て方がダメだったんだと思います。他人の家以上に厳しくて、何かあればひっぱたいたりもしたけど、それが逆にうそつきにしてしまったのかもしれないです。これまでもうそをついたことはあったんだと思います。怒られちゃ嫌だから、うそついてきたんじゃないですかね」
 
「私の育て方がダメだった」と反省の弁を述べています。
具体的には、きびしくして体罰もしたのが悪かったということです。
こういうことを言う親はめったにいません。記者会見せざるをえないタレントだからこそ出てきた言葉です。
 
しかし、マスコミはこの部分をまったく取り上げようとしません。
マスコミは二世タレントがなにか不祥事を起こした場合、「親が甘やかしたからだ」という論理で非難するのがパターンになっていて、そのパターンから抜けられないようです。
 
甘やかすのもよくありませんが、きびしすぎるのもよくありません。とくに暴力をふるうのがよくないのはわかりきっています。
マスコミはこうした反省の言葉をちゃんと取り上げて、今も子どもに暴力をふるっている親に反省のきっかけを与えるのもたいせつな役割です。
 
甘やかすとかきびしくするとかはあくまで「行為」です。問題なのはそこに「愛情」があるか否かです。
その点でアキラ氏の子育てはどうだったのでしょうか。
記者会見ではこのように語っています。
 
記者「面会できたとしたら?」
アキラ氏「ぜんぜんそんな気ないです」
記者「思わない?」
アキラ氏「思わないですね」
記者「行く予定は?」
アキラ氏「ぜんぜんないです。話もしたくないです」
 
覚せい剤取締法違反で逮捕されただけで、自分の息子に会いたくもないし、話もしたくないというのは、親としてはありえないことです。
 
息子が逮捕されたからだという意見もあるかもしれませんが、親の愛情というのはそんなことでなくなるものではありません。もとからなかったとは言わないまでも、少なかったのではないでしょうか。
 
親の愛情が少なかったら子どもがまともに育たないのは当然です。
 
清水良太郎容疑者は、違法カジノ店に出入りしていたことを今年2月に写真週刊誌に報じられ、一時芸能活動を休止して、6月から再開したところでした。
ギャンブル依存症や薬物依存症などは、愛情が欠乏した心の隙間をギャンブルや薬物で埋めようとすることが大きな原因です。
良太郎容疑者は愛情欠乏症だったのではないでしょうか。
 
映画やドラマ、小説では愛のたいせつさが、これでもかというぐらいに描かれますが、現実のことになると、愛のことがまったく無視された報道がされているのは不思議です。
マスコミは、清水アキラ親子の問題を取り上げるなら、親の愛はどうであったかといういちばんたいせつなことに焦点を当てるべきです。

今年のノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セイラー教授は行動経済学の先駆けとされる人です。
行動経済学とは、従来の経済学が合理的経済人を前提にしていたのとは違い、人間の不合理な行動を研究し、そこに一定の法則性を見出そうとするもので、最近はたくさん本も出て、ブームになっています。
 
私は前から、どうして行動政治学がないのだろうと思っていました。政治の世界における人間の行動は不合理きわまります。これこそ研究してほしいものです。
 
しかし、考えてみると、経済の世界はたいていのことが数字によって表現されますが、政治の世界はそういう客観的な基準がありません。太平洋戦争を始めたことについても、日本人の誇りを守るために正しい行動だったと主張する人もいるぐらいです。
 
そもそも政治学というものがまともな学問ではありません。
政治学者は権力者に都合のいいことを言ったほうが出世できるからです。
 
日本の国際政治学は圧倒的にアメリカの影響下にあるので、日本の国際政治学者はアメリカに都合のいいことを言ったほうが出世できます。このことは白井聡氏が書いておられたので、このブログで紹介したことがあります。
 
国際政治学という売国学問
 
これは、最近の国際政治の動きを見ていてもよくわかります。
 
一般社会では利己主義というのはよくないことだとされ、利己的なふるまいをする人間は当然周りから批判されます。
ところが、トランプ大統領は「アメリカファースト」と言っているのに、そのことはほとんど批判されません。逆に「○○ファースト」と言って、真似する人が出てくるぐらいです。
 
それから、アメリカとイスラエルがユネスコ脱退を表明しました。ユネスコがパレスチナ自治政府の加盟を認めるなど「反イスラエル的」だというのが主な理由です。
もし北朝鮮が国連かどこかの国際機関を脱退したら、暴挙だ非道だと非難ごうごうになったでしょうが、アメリカもイスラエルもまったく非難されません。
 
また、今回の脱退は、アメリカとイスラエルの「反イスラム」の姿勢の表れです。この姿勢がイスラム過激派のテロの原因になっているのですが、そのこともまったく指摘されません。
 
アメリカが大国なので、誰も批判しないのです。
経済学はノーベル賞の対象になっても、政治学がノーベル賞の対象にならないのは当然です。
 
 
ついでに言うと、日本の法学もまともな学問ではありません。
 
自衛隊は違憲だとか合憲だとか、安保法制は違憲だとか合憲だとか、政治家や国民が議論していますが、こうしたことは本来裁判所が判断するものです。ところが、裁判所は自衛隊が合憲か違憲かすら判断することから逃げているので、政治家や国民が延々と終わりのない議論をしているのです。
法学者は、これは裁判所が判断するべきことで、裁判所が憲法判断から逃げているのはけしからんと言うべきです。
 
また、今度の総選挙でも最高裁判所裁判官国民審査が行われますが、不信任の裁判官に「×」をつけ、信任の裁判官には無記入にするという制度は、棄権が全部信任と見なされてしまうというインチキな制度です。
しかし、法学者はほとんどそのことを指摘しません。
法学者が裁判所や司法制度を批判すると出世できないからでしょう。
 
憲法問題にせよ安全保障問題にせよ、国民や政治家がごく初歩的な議論をして時間をむだにしているのは、すべて政治学者や法学者が学者としてまともな仕事をしていないからです。
政治学者や法学者は経済学者に学ぶべきだ――と主張したいところですが、彼らはプライドだけは高いので、そんな主張はまったく無視されるのでしょう。
 

マスコミ各社の選挙予測を見ると、与党が圧倒的に有利なようです。野党が分裂したので当然ではあります。
 
民進党の前原代表と希望の党の小池代表が合流を発表したときは、薩長連合のように倒幕を目指すのかと思いました。
前原代表は「どんな手段でも安倍政権を止める」という言葉を繰り返し言っていましたから、そういうつもりだったのでしょう。
しかし、小池氏は違ったようです。小池氏が笑顔でリベラル派を「排除いたします」と言ったために、流れが変わりました。
 
小池氏としては、郵政選挙のときの成功体験から、リベラル派と戦う姿勢を見せれば人気が出ると思ったのかもしれません。しかし、郵政選挙のときは強力な抵抗勢力と戦ったから人気が出たので、リベラル派に踏み絵を踏ませるのは弱い者イジメですから、ぜんぜん違います。
 
しかし、そのおかげで対立軸がはっきりしたとはいえます。
対立軸は、いわゆる踏み絵となった希望の党の「政策協定書」を見れば明らかです。
 
 
政策協定書
 私は、希望の党の公認を受けて衆院選に立候補するに当たり、下記事項を順守すること、当選した場合には希望の党の所属する会派に所属して国会活動を行うこと、希望の党党員として政治活動を行うことを誓います。
 記
 1、希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
 2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。
 3、税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、国民が納める税の恩恵が全ての国民に行き渡る仕組みを強化すること。
 4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
(以下略)
 
 
「1」と「3」はどうでもいい内容ですから、踏み絵になったのは「2」の安保法制支持と、「4」の改憲支持のところです。
憲法よりも安保法制が前にきているところが重要です。
 
安倍政権も、改憲よりも安保法制を重視して、解釈改憲により安保法制を成立させました。
ですから、今では改憲の必要性がなくなって、「違憲の疑いがあると自衛隊員の子どもが悪口を言われるから」などというへんな改憲理由を持ち出しています。
 
安保法制の目的は、自衛隊を切れ目なく米軍に協力させることです。
安保条約は、アメリカが日本を守って日本はアメリカを守らなくていいという片務性がありましたが、安保法制ができてからは逆に自衛隊が米軍を守ることになります。
独ソ戦のときは、ハンガリー、ルーマニア、フィンランドも軍隊を派遣してドイツ軍とともに戦いましたが、日本もそういう立場になったわけです。
 
希望の党の踏み絵は、そういう日本を認めろと迫るものです。
自民党と希望の党と維新の会はその点で一致しています。
 
問題は、立憲民主党がそういう対立軸を理解しているかどうかです。
 
 
民主党政権のとき、脱官僚依存、普天間基地移設の「最低でも県外」、コンクリートから人へ、東アジア共同体構想などの政策を掲げましたが、それよりも重要なことがありました。
それは「脱対米依存」です。
日本は重症の対米依存症にかかっていたからです。
ところが、そのことがまったく認識されていませんでした。そのため官僚はアメリカを盾に抵抗し、「最低でも県外」は実現できず、東アジア共同体構想ももちろんできず、民主党政権は失速してしまいました。
 
民主党、民進党はそのときの反省がまったくできていません。
 
立憲民主党は公約で「安保法制は専守防衛を逸脱して違憲」としていますが、これではアメリカとどういう関係になろうとしているのかわかりません。
 
対米依存症の重症化は最近のことです。
1976年成立の福田赳夫内閣は「全方位外交」を掲げていましたし、バブルのころは「日米は対等のパートナーシップ」と言っていました。
冷戦が終わってから、日本の官僚はアメリカから見捨てられるのがこわくなって、どんどん日本をアメリカに依存させるようにもっていっているのではないかと思います。
 
ともかく、立憲民主党は「アメリカと対等の関係構築を目指す」といった公約を掲げてほしいところです。
アメリカが北朝鮮を攻撃しようとしたときに、ちゃんと止められる政権が日本には必要です。

北朝鮮の核開発が問題となっているところに、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞し、混乱した議論が生じています。
 
ICANのベアトリス・フィン事務局長は、トランプ大統領のことをツイッターで「間抜け」と呼んで批判したことがあります。
ネトウヨなどは「ICANは北朝鮮を批判しないのか」などと言ってICANを逆に批判しています。
ICANが北朝鮮を批判しないはずはありませんが、北朝鮮よりもアメリカ批判に比重がかかるのは当然です。
なにしろアメリカは核兵器保有量が多い(ロシア約7000発、アメリカ約6800発、フランス300発、中国260発など)。しかも、ロシア、中国、インドは核兵器先制不使用宣言をしていますが、アメリカはしていません(ロシアは先制不使用宣言をしたものの、最近はあいまい戦略に変わったとも言われます)
 
しかも、問題なのは、アメリカは自分の核兵器はそのままで北朝鮮に対して核放棄を迫っていることです。
こんな理屈はどうやっても成り立ちません。
 
アメリカは自分が核兵器禁止条約に加盟して、その上で北朝鮮に核放棄を迫るなら、それなりに筋が通っていますが、核兵器禁止条約に加盟しないと明言しているので、ICANのフィン事務局長にトランプ大統領を「間抜け」呼ばわりされてもしかたありません。
 
北朝鮮の核開発はもちろん批判されるべきですが、北朝鮮は他国に核放棄を迫るような理不尽な主張をしていないだけアメリカよりましです。
 
 
アメリカの主張にはまったく正当性がないので、もし北朝鮮に核放棄させるなら、見返りを与えて取引するしかありません。クリントン政権のときは、北朝鮮が核開発を凍結する代わりにアメリカが軽水炉を提供し、経済制裁も段階的に解消するという「米朝枠組み合意」がなされました(これはアメリカ議会で承認されなかったために、アメリカが合意を破る形で失敗しました)
 
今、トランプ政権は北朝鮮に対して圧力ばかり加えているので、うまくいかないことは明らかです。
安倍首相も「対話より圧力」と言ってトランプ政権に同調していますから、これも「間抜け」呼ばわりされて当然です。
 
トランプ大統領と安倍首相が「間抜け」なので、北朝鮮の核開発を止めることはできません。
これも総選挙の争点になるべきです。

101日に起きたラスベガスの銃乱射事件は死者58人、負傷者500人近くと、アメリカ史上最悪の銃乱射事件となりました。
犯人のスティーブン・パドック(64)は自殺して、動機はよくわかっていませんが、銃社会アメリカの病理を象徴するような事件です。

安倍首相はこの事件についてトランプ大統領に電話しましたが、おかしなことを言っています。



安倍首相、トランプ氏に電話で哀悼の意…銃乱射
 安倍首相は4日夜、トランプ米大統領と電話で会談し、米ラスベガスで起きた銃乱射事件について、お見舞いの言葉を伝えた。
 首相は、電話会談で犠牲者への哀悼の意を示した上で「この困難な時に日本・日本国民は米国・米国国民と100%ともにある」と述べた。トランプ氏は「感謝する。シンゾウは真の友人だ」と応じた。
 両首脳は、北朝鮮情勢も意見交換し、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるため連携していくことで一致した。トランプ氏は、ラスベガスへ向かう大統領専用機「エアフォース・ワン」で電話を受けた。
 
 
安倍首相は「日本・日本国民は米国・米国国民と100%ともにある」と言っていますが、犯人も米国民なのですから、この言い方はありません。これは外国人テロリストに米国民が被害にあったときの言い方です。
この場合は、犠牲者への哀悼の意を示したあと、「日本ではこんな事件は考えられない。殺傷力の強い銃は売ってないからだ。アメリカでも銃規制をやったらどうか」ぐらい言うのが日本の首相としての正しい対応です。
 
ともかく、この銃乱射事件は日本とアメリカの違いをはっきりと見せつけました。
アメリカは暴力社会です。世界保健機関(WHO)によると、人口10万人当たりの殺人件数は、日本の0.4件に対してアメリカは5.4件と、10倍以上です。
国内だけではありません。対外的にも、アメリカは世界各国に基地を置いて、戦争や武力行使をしています。
イギリス、スペイン、日本もかつては植民地を広げるために世界に軍隊を送っていましたが、今はやめています。アメリカだけがやめていないのです。
 
安倍首相は徹底的にアメリカに追従していく方針です。
もしアメリカがすばらしい国なら、それもいいかもしれません。しかし、アメリカは暴力的で自分勝手な国ですから、いいようにされてしまうに決まっています。
 
 
今度の総選挙のひとつのテーマは憲法(九条)改正ですが、これもアメリカとの関係で考えるべきことです。
 
アメリカは占領前期には日本を非武装化するために平和憲法を押しつけ、占領後期には冷戦に対応するために再軍備を押しつけました。
アメリカの矛盾した態度が戦後日本のかかえる矛盾をつくりだしたのです。
ところが、多くの日本人は再軍備を「逆コース」と言い、軍国主義者による戦前回帰だととらえました。この誤解がいまだに尾を引いて、議論が混乱しています。
日本はアメリカに憲法九条を押しつけられ、自衛隊も押しつけられたと考えると、わかりやすくなります。
 
安倍首相が切れ目のない安保法制をつくり、憲法改正を目指しているのは、占領後期から今に続くアメリカの押しつけにひたすら従っているわけです。
 
ラスベガスの銃乱射事件を見てもアメリカの病理が認識できない安倍首相の対米従属は深刻です。早く退場してもらわねばなりません。
 

今回の解散は安倍首相によると「国難突破解散」だそうですが、正しくは「国難利用解散」です。
北朝鮮の脅威を国難として利用しています。
 
その北朝鮮が「日本に核の雲」と、まさに脅威なことを言いました。
 
 
安倍首相演説で「日本に核の雲」 北朝鮮メディア警告
北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、安倍晋三首相が国連総会の一般討論演説で北朝鮮への圧力を強調したことに関連し、「安保危機を高めれば、自らの政略的な目的を達成しやすくなるという打算だ」と批判する論評を配信した。
 その上で、同通信は、朝鮮半島情勢は一触即発で「いつ核戦争になるか分からない」と指摘。「情勢をあおる制裁圧力騒動は、日本の領土に核の雲をもたらそうとする自滅行為だ。地球で唯一、核の惨禍を受けた日本人が再び軍国主義者たちの政略実現の犠牲になるなら世紀の悲劇だ」と警告した。(ソウル)
 
 
これは朝日新聞の記事ですが、小さなベタ記事です。
産経新聞なら一面トップにしていてもおかしくないと思い、調べてみましたが、記事にすらなっていません。読売新聞も記事を載せていません。
共同通信と時事通信が記事を配信していることがわかりましたが、それも小さな記事です。
 
北朝鮮が「日本に核の雲」と言って脅したわけですから、安倍政権や産経新聞や読売新聞が利用しないのは不思議です。
 
今回、産経新聞を読んでいると、『専守防衛も非核三原則も放棄せぬ日本 中国や北朝鮮にいたぶられるのを待つ「被虐国家」だ! 』という記事が目につきました。
 
人工透析を受けている人は北朝鮮の「電磁パルス弾」が日本上空で破裂すれば透析治療が受けられなくなり、死を待つばかりとなるという例を挙げ、北朝鮮の脅威を強調しています。
 
しかし、「電磁パルス弾と人工透析」というのはかなりレアな例ですし、一般人にとっては脅威ではないとも言えます。
また、これまでJアラートが鳴った例は、日本の上空を通過するミサイルが事故で落ちてくることを想定していて、これもかなり低い確率です。
一方、「核の雲」が意味する核爆弾は現実的で圧倒的な脅威です。
産経新聞は脅威の認識が間違っているのではないでしょうか。
 
それは安倍首相も同じです。
韓国の統一相が今年2月に国会で「ノドンに核搭載は可能だと考えている」と答弁していますし、アメリカのシンクタンク「科学国際安全保障研究所」(ISIS)も「核爆弾はノドンに搭載できるほど小型化された」と発表しています。
そんな北朝鮮を相手に安倍首相は国連演説で『「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする米国の立場を一貫して支持します』と言いました。つまりアメリカの武力行使を支持すると言ったのです。
もしトランプ政権が北朝鮮に武力行使した場合、それを支持する日本も北朝鮮から報復を受けてもおかしくありません。
現に北朝鮮がそのことを警告したわけです。
 
しかし、安倍首相や産経新聞はそういう現実の脅威は見て見ぬふりをして、どうでもいいミサイルの上空通過に空騒ぎをしています。
 
北朝鮮がすでに核保有国になっているという現実を認めようとしない安倍政権こそ日本の脅威です。
 

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