村田基の逆転日記

進化倫理学の威力を試すブログ

2019年07月

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Kuaさんによる写真ACからの写真 


吉本興業の岡本昭彦社長のぐだぐたな記者会見を見てから、こちらの頭の中もぐだぐだになってしまいました。

普通は社長があんなひどい記者会見をしたら、代表権のある大崎洋会長が出てきて、謝罪して、やり直しするものです。
あるいは、岡本社長本人が自分でやり直して、謝罪して訂正するというのもあるかもしれません。
そういうことがなにもないので、あの社長会見で示されたことが吉本の最終見解ということになります。
岡本社長は、「テープ回してないやろな」も「全員連帯責任でクビや」もパワハラと認めていませんし、謝罪会見をしたいと要求した宮迫博之氏と田村亮氏に対して「静観や」と拒否し続けたことも間違いと認めていません。

企業が不祥事を起こすと、役員がずらりと並んで頭を下げるというのがパターン化していますが、吉本は、記者が追及を諦めるまで社長一人がぐだぐだの会見を続けて、不祥事をごまかしてしまうという新しいパターンを創出したようです。


経営陣はなにもしていませんが、代わりに芸人たちがさまざまな動きをしています。
中でも松本人志氏がキーマンのようです。

松本氏は7月28日にフジテレビ系「ワイドナショー」で、加藤浩次氏や友近氏とは対立関係ではなく話し合いができていると言い、加藤氏とは「ゴールが少し2人の中で違いがあるので折衷案を探っている状態」と説明し、友近氏とは「昨日も楽屋でずっとしゃべってたんや。これ以上しゃべってたら疑われるんじゃないかっていうぐらい」と言いました。
対立点があるから話し合いをするわけで、松本氏と加藤氏、友近氏が対立しているのは間違いないでしょう。

松本氏は「ワイドナショー」でさらに、「会社が悪いことをやってるんだったら、膿は全部出してくれ」と言ったあと、「そこをちゃんとしないなら、僕が全員芸人を連れて出ますわ」と言いました。これは冗談でもなんでもなく、真剣な言い方でした。

「全員」というのは「松本派の全員」という意味でしょうが、松本氏にはそれだけの力があるということが、この発言からわかります。
また、松本氏は自分の配下の芸人の意志のことはなにも考えていないということもわかります。完全な主従関係なのでしょう(あとで「みんなを連れて出ると言ったけど、誰もついてこないかも」と言いましたが、これは笑いをとるための言葉です)。

松本氏が動かせる松本軍団が何人いるのかわかりませんが、そもそも松本氏が吉本を出るということが吉本にとって大打撃であり、それが軍団規模になると、吉本の存立にかかわります。
ということは、吉本の経営陣は松本氏にさからえないということです。
そもそも大崎会長と岡本社長は、ダウンタウンの元マネージャーです。ダウンタウンの人気を背景に出世しました。今も「人気芸人とマネージャー」の関係ではないでしょうか。

松本氏が吉本興業の実質的な支配者であるという記事はいくつもありました。



吉本の上層部責任逃れの中、おぎやはぎ・小木が「松本さんが一番裏で牛耳ってるワル」、「文春」も松本の吉本支配を批判

私は一人の芸人が吉本のような大企業を支配できるのかと疑問に思っていましたが、松本氏の「僕が全員芸人を連れて出る」という一言で、それが間違いでないとわかりました。

松本氏・大崎会長・岡本社長という支配体制があって、これは松本氏の体質からパワハラ支配です。そのため不満を持つ芸人がいっぱいいます。
この支配体制に異を唱える代表が加藤氏や友近氏などです。

「松本氏・大崎会長・岡本社長」という支配体制のトップに松本氏がいるなら、松本氏が前面に出て加藤氏と友近氏と話し合うのは当然です。
そして、大崎会長と岡本社長がそれを見守るのも当然です。

吉本は松本氏の個人事務所のようなものです。吉本のような大企業がそんなことはないだろうという思い込みがあると、そのことがわかりません。

岡本社長は松本氏に指示されて記者会見をしました。まさに「ガキの使い」だったわけで、そのためぐだぐだの会見になりました。
大崎会長が会見をしてもやはり「ガキの使い」で、同じことになるでしょう。

吉本興業は松本人志の個人事務所のようなもので、経営陣は統治能力を欠いている――と理解すれば、頭の中がすっきりします。

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吉本興業は宮迫博之氏との契約解消撤回を再検討――一読しただけでは意味がよくわかりません。
要するに吉本興業は、宮迫氏をクビにするのはやめたと発表しましたが、やっぱりクビにするかもしれないと態度を変えたのです。
吉本興業は巻き返しに動き出したようです。

テレビを見ていると、吉本興業を巡る問題がどんどんわけがわからなくなっていきます。
吉本は2009年に上場廃止をし、そのときに市中の株を買い取って、その株をテレビ局などが持ちました。今は株主の上位にずらりとテレビ局が並びます。

吉本興業の株主
https://maonline.jp/articles/yoshimotokogyo_20190726?page=2


吉本興業とテレビ局は利益共同体ですから、テレビ局は吉本の不利益になるようなことはしません。ニュース番組やワイドショーなどのコメントはみな吉本寄りです。

たとえば、宮迫氏らが詐欺グループの忘年会に出たときにギャラをもらっていないと嘘をついたことが問題の発端で、吉本はむしろだまされた被害者だというのが、今のテレビの論調です。
その論調に乗って、吉本も宮迫氏をクビにする方向に動いたようです。

しかし、ノーギャラで宮迫氏らが忘年会に出て、あんなに歌を熱唱したりするとは、芸能界にうとい一般人でも信じられません。吉本の人間がだまされるわけがなく、嘘とわかって発表したはずです。
ところが、「宮迫さんの嘘を吉本はほんとに信じたんでしょうか」と問う人をテレビで見たことがありません。


吉本の岡本昭彦社長は記者会見で、「吉本はファミリーだ」ということを繰り返しました。
それに対して「ファミリーと思ったことはない」という芸人の声が上がれば、「ファミリーと思っている」という声も上がりました。
また、岡本社長は「ギャラの配分は5対5か4対6ぐらい」と言い、それに対して「そんなわけがない」という芸人の声も多数上がりました。
ほかにもいろいろな意見を言う芸人がいます。

「バイキング」で坂上忍氏はこうした動きを「派閥争い」と表現しました。
また、あるニュース番組では女性コメンテーターが「男気あらそい」と表現しました。加藤浩次氏のことを念頭に置いているのかと思いますが、男たちが男気のあるところを見せ合っているのだというわけです。
芸人たちが愚かな争いをしていると印象づけることで、吉本を相対的に持ち上げています。

しかし、芸人たち同士で争っているわけではなく、立場によって意見が違うだけです。
立場というのは、吉本で上のほうにいる芸人は“吉本ファミリー”の恩恵を受けて、下のほうにいる芸人は恩恵がなく、ギャラが安いという不満があります。
要するに格差問題が意見の違いとなっているのです。
こうした格差をつくりだしているのも吉本の問題です。


とはいえ、芸人の格差は実力の問題ということもできます。
真の問題は、芸人が吉本をクビになると食べていけないということです。
吉本とテレビ局は一体ですから、吉本の意に反して辞めた芸人は、ほかの芸能事務所に移っても、テレビの仕事はできなくなります。
サラリーマンを「社畜」と言ったりしますが、社畜でも会社をクビになれば、ほかの会社に移って生きていくことはできます。しかし、吉本所属の芸人は吉本をクビになると生きていけないので、社畜以下です。

明石家さんま氏はそうしたことを踏まえて、宮迫氏を“明石家興業”で預かるということを表明しています。さんま氏は吉本興業所属ですが、その実力からそうしたことが可能なのでしょう。

ただ、ここで疑問なのは、加藤浩次氏は「今の会長、社長の体制が続くなら、僕は吉本を辞めます」と言っていますが、加藤氏は吉本を辞めてもテレビに出続けることができるのかということです。
さんま氏は加藤氏について一言、「俺、わからへん」とだけ言いました。
芸能界に詳しい人がこのへんを解説してくれるといいのですが、誰もなにも言いません。
そもそも「吉本を辞めた芸人はテレビに出ることができない」ということすらテレビでは誰も言いません。

吉本の芸人が会社に隷属しているかと思うと、それだけでテレビが楽しくなくなります。

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アドリブのきかない芸人がノープランでステージに上がって醜態をさらした――吉本興業の岡本昭彦社長の記者会見は、まさにそういうものでした。

宮迫博之氏と田村亮氏が7月20日に記者会見を行い、その反響が大きかったために、急きょ2日後に岡本社長が会見することになったようです。準備不足は否めませんが、それにしても「お前らテープ回してないやろうな」と言ったのは「冗談のつもりで言った」とか、「全員連帯責任でクビにするからな」と言ったのは「父親が息子に言う『勘当や』という意味合いだった」など、弁解がお粗末すぎます。
会見の前に弁護士などと相談して、謝るべきところは謝り、主張するべきところは主張するという作戦を立てそうなものですが、こういうパワハラ体質の人は人の意見を聞かないのでしょうか。


問題は、岡本社長個人よりも吉本興業という会社にあります。
宮迫・田村会見で、岡本社長が「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本が株主やから大丈夫や」と言ったことがばらされましたが、吉本はテレビ業界を完全に抑えているという自信があるわけです。宮迫氏は最初、詐欺集団の闇営業のギャラをもらっていないと弁明していて、誰もがそんなわけないだろうと思ったはずですが、ワイドショーなどはほとんど追及しませんでした。

それに、吉本は行政との結びつきを強め、大阪万博の民間企業体連合のトップになっていますし、NTTグループと組んで教育関連のコンテンツを配信する事業を始め、これには官民ファンドの出資も決まっています。
「wezzy」の「吉本興業に行政案件を担う資格はあるか 大阪万博、国連、教育事業との関わり」という記事にはこう書かれています。


こういった行政案件への食い込みを可能にしている背景には、吉本興業と安倍政権の密接なつながりがあることは疑いようもない。

 NMB48の吉田朱里は大阪G20におけるロゴマークを決める選考会のメンバーに選ばれていたし、大崎会長はいま現在も、沖縄の米軍施設・区域が返還された後の跡地利用を協議する有識者懇談会の委員に選任されている。
 安倍政権と吉本興業のつながりはどんどん露骨になっている。統一地方選直前の4月に安倍首相が吉本新喜劇の舞台に上がり、その後、6月に吉本所属のタレントたちが首相官邸を表敬訪問したことは記憶に新しい。

 安倍政権は吉本芸人のタレントパワーを人気取りに利用し、吉本興業は安倍政権との密接な関係で行政案件に食い込んでいく──吉本興業のブラック体質とともに、この関係性についても見直しが求められてしかるべきなのではないだろうか。
https://wezz-y.com/archives/67889

吉本興業はアベ友企業だったのです。
安倍政権とつながっているということが岡本社長の自信になり、記者会見への対応をおろそかにしてしまったのでしょう。

アベ友の不祥事といえば、もちろん森友加計があります。
最近では幻冬舎の見城徹社長もそうです。作家の津原泰水氏が百田尚樹氏の「日本国紀」を批判したため、見城社長が津原氏の本の実売部数をツイッターで公表して炎上しました。

「権力は腐敗する。絶対権力は絶対的に腐敗する」という言葉があるように、安倍長期政権は腐敗の極みです。
安倍政権に関わった人が腐敗にまみれて不祥事を起こすのは不思議ではありません。


なお、今回のことでは、「クビ」や「解雇」や「契約解除」や「引退」という言葉が飛び交いましたが、これらの言葉はみな同じ意味です。
吉本興業をクビになると、芸能界を干されて、引退に追い込まれるのです。
かつてサブローシローという漫才コンビが吉本興業の意に反して独立し、徹底的に干されて、つぶされるということがありました。
ですから、宮迫・田村の両氏は芸能界引退をかけての記者会見だったわけで、必死さが伝わったのは当然です。
本来なら、この二人のような実力のある芸人なら、吉本をクビになれば、ほかの芸能事務所が喜んで迎えてくれて、今まで以上に活躍できても不思議ではありませんが、吉本に限ってはそういうことがありません。
いや、ジャニーズ事務所も同じです。元SMAPの三人は今もテレビ番組にほぼ出られません。公取委はそうしたことでジャニーズ事務所に「注意」をしています。
レプロエンタテインメントから独立したのん(能年玲奈)さんも、ほとんど芸能活動ができない状態です。
吉本の芸人のギャラが安いということが話題になっていますが、もし芸人が自由に移籍や独立ができるようになれば、そうした問題はなくなります。

今回の事件をきっかけに、芸能界のダーティな体質も徹底的に改善されるべきです。

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Foto-RabeによるPixabayからの画像 

トランプ大統領は7月14日、民主党の4人の女性議員に対してツイッターで「アメリカで暮らして幸せでないなら出ていけばよい」「どうして彼女たちは完全に崩壊し、犯罪が横行するもとの国に戻って建て直さないのか」などと発言し、さらに17日に支持者を集めた集会で、「彼女たちがアメリカを好きでないなら出て行けばよい」と繰り返しました。
4人の女性議員は、もとはソマリアの難民だったり両親がパレスチナ人だったりするので、トランプ大統領は「もとの国」と言ったようです。

こうした発言に対して、「アメリカは移民の国だ。トランプ大統領も移民の子孫なのに、出ていけというのはおかしい」という声がありますが、それはアメリカについて考え違いをしています。
アメリカは白人が先住民を追い出してつくった国ですから、白人が非白人に対して出ていけと言うのは建国の理念にかなっています。
ついでにいうと、白人は銃を使って銃を持たない先住民を追い出したので、白人が銃を持つことも建国の理念にかなっています。
アメリカ独立宣言には基本的人権がうたわれましたが、先住民にも黒人にも人権は認められませんでした。ということは人種差別がアメリカの建国の理念なのです。
リンカーン大統領は奴隷解放という偉業を成し遂げたとされますが、ヨーロッパは奴隷制を廃止していたのにアメリカは最後まで奴隷制を続けていただけのことです。

つまりアメリカは世界最悪の人種差別国家です。
トランプ大統領が言ったことはアメリカの建国の理念であり、白人至上主義者の本音です。


とはいえ、差別主義の発言に世界から批判が集まるのは当然です。
イギリスのメイ首相は「まったく受け入れられない」、ドイツのメルケル首相は「強いアメリカと矛盾する」、ニュージーランドのアーダーン首相は「ニュージーランドでは人々が正反対の考え方を持っていることを誇りに思う」、カナダのトルドー首相は「カナダで私たちがとる対応ではない」といった具合です。

わか安倍首相はというと、もちろんなにも言いません。
トランプ大統領に従うことしか考えていませんし、それに、もともと人権感覚がほとんどないからです。

トランプ大統領の差別発言を批判しないのは日本のメディアも同じです。
そもそも日本のメディアは、トランプ大統領の差別発言を差別発言でないようにごまかして報道しています。
たとえば、次の日経新聞の記事がその典型です。

トランプ氏「国へ帰れ」発言が波紋、与野党が批判
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領の人種差別と受け取られかねない発言が米政界で波紋を広げている。祖先の出身地が中東やアフリカの野党・民主党の女性下院議員に「国に帰ったらどうか」と促した。不法移民対策の停滞に不満を示し保守層にアピールする狙いがあるとみられるが、非白人議員を狙い撃ちした批判に民主党は猛反発し、与党・共和党内からも「限度を超えている」と非難する声が出ている。
「彼女らは(過激派組織の)アルカイダに近い」。トランプ氏は15日、ツイッターでソマリア出身のオマル、パレスチナ系のタリーブ両下院議員らを念頭に断じた。両議員らがトランプ政権の批判を繰り返す姿勢に不満をにじませ「この国を愛せないのであれば、国を去った方がよい!」と訴えた。
オマル、タリーブ両氏は2018年秋の中間選挙でイスラム教徒女性として連邦下院議員に初当選した。同時に当選したプエルトリコ系の母親を持つオカシオコルテス氏、アフリカ系のプレスリー氏と合わせた新人女性議員4人は民主党の急進リベラル派の中核的存在だ。トランプ氏の不法移民政策を厳しく批判してきたことでも知られる。
オマル氏は15日、他の3議員とともに緊急記者会見を開いて「トランプ氏は白人至上主義者の主張をしている」と痛烈に非難した。タリーブ氏はトランプ氏の言動が弾劾に値するとの考えも示し、対決姿勢を鮮明にした。
トランプ氏の発言は不法移民対策の進捗への不満を反映したとの受け止めが多い。米税関・国境取締局(CBP)によると、メキシコ国境での拘束数は18年10月~19年6月の9カ月間で約69万人と、すでに18会計年度(17年10月~18年9月)の通年実績の1.7倍に上った。
(中略)
だが人種差別とも受け取られるトランプ氏の言動は米社会の分断を広げかねない。トランプ氏はこれまでも白人至上主義者と反対派が衝突し死者を出した事件を巡り、白人至上主義を非難せず激しい批判を浴びた。ユダヤ教の礼拝堂で銃乱射事件が相次いだのも、トランプ氏の人種間の分断をあおる言動が一因だとの指摘は根強い。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47408260W9A710C1EA1000/

「人種差別と受け取られかねない発言」とか「人種差別とも受け取られるトランプ氏の言動」というように、人種差別と断定しない書き方になっています。

では、トランプ大統領はなぜそんな発言をしたかというと、選挙対策のために「保守層にアピールする狙い」であり「不法移民対策の進捗への不満を反映」したものであるので、差別主義からではないということになります。
しかし、それはあくまで記者の推測です。そうしたことは解説や論説で書くべきで、こうした短い記事は事実だけでいいはずです。

差別主義の発言ではなく再選戦略のための発言だ――という論理でトランプ大統領の差別発言を擁護することは、日本のあらゆるメディアが行っています。
今回の差別発言に限ってもそうした記事がいくつも目につきます。

たとえば毎日新聞の『「国に帰れ」 裏に再選戦略 岩盤支持層にアピール、野党左傾化を印象付け』という記事はこう書いています。

発言からは、保守派の「岩盤支持層」にアピールすると共に、野党・民主党の「左傾化」を強く印象付けて批判材料にしようとするトランプ氏の再選戦略が透けて見える。 
https://mainichi.jp/articles/20190718/ddm/007/030/134000c

日刊スポーツの『トランプ大統領、非白人議員に「国に帰れ」撤回せず』という記事はこうです。

トランプ氏には来年の大統領選に向け、保守派支持層にアピールする狙いがある。女性議員らがペロシ下院議長ら民主党指導部ともあつれきを生んでいる点を突き、同党内の亀裂を深めさせる思惑もありそうだ。
https://www.nikkansports.com/general/news/201907160000109.html

FNNPRIMに木村太郎氏が執筆した記事は、民主党の4人の女性議員を過激な「独立愚連隊」と見なすNBCニュースの記事を紹介する形でこう書いています。

反トランプの立場を貫いているNBCニュースのサイトに「トランプは民主党が急進左派に縛られるよう期待し、その通りになった」という分析記事が16日掲載された。

それによると、トランプ大統領は来年の大統領選で対立候補が誰であれ急進過激派に近ければ「国を率いるには過激すぎる」と攻撃して有利な立場になると計算してシナリオを作り、まず「独立愚連隊」に攻撃を仕掛けた。案の定民主党内では反発が広がり、もともとは「独立愚連隊」と党内で対立していたペロシ下院議長も大統領の主張は「米国を白人第一に」とするものだと非難する声明を発表した。

大統領の狙い通り、民主党を「独立愚連隊」の周囲に結束させることになったわけだが、これについてNBCニュースの分析記事はこう評している。

「トランプが喋ったりツイートする誹謗中傷の全てが彼の天才的な駆け引きの賜物であると考えるのは間違いだが、彼のメッセージが何の思惑もなく発せられていると考えるのも間違っている」

民主党は、トランプ大統領の「罠」にハマったのだろうか?
https://www.fnn.jp/posts/00047257HDK/201907161730_tarokimura_HDK

こうした分析に当たっているところがあるかもしれませんが、過激な差別発言はコアな白人支持層にしかアピールしません。再選されるには中間層に支持を広げる必要があり、もしこれが再選戦略であるなら、間違った再選戦略です。

ともかく、日本のメディアはトランプ大統領の差別発言を、あの手この手で差別発言でないように報道しています。
トランプ大統領は今でも40%ぐらいの支持率があります。トランプ大統領の差別主義はアメリカの根幹とつながっています。
トランプ氏個人を批判することはできても、アメリカの根幹を批判することはできないということでしょう。
首相もメディアも属国根性です。

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政府が発表した「自殺対策白書」によると、自殺者総数はへりましたが、未成年の自殺はふえました。
幼児虐待が相次ぐ世の中では当然の結果でしょう。

未成年の自殺死亡率最悪…親子関係や進路に悩み
 政府は16日午前、2019年版「自殺対策白書」を閣議決定した。
 18年の自殺者数は2万840人で、9年連続減少した。前年から481人減り、37年ぶりに2万1000人を下回った。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は、1978年に統計を取り始めて以来、最も低い16・5だった。ただ、19歳以下の未成年の自殺者数は前年より32人増えて599人となり、自殺死亡率は2・8と、78年の統計開始以来最悪だった。
 白書では、若者の自殺が深刻な問題となっていることから、過去10年の統計によって、原因を分析した。小中学生の自殺の原因は「親子関係の不和」「家族からのしつけ・叱責」などの家庭問題が多かった。中学生以降、高校生や大学生になると、「学業不振」や「進路に関する悩み」「うつ病」などが目立った。
 厚生労働省は、若年者に対する自殺対策として、昨年からSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での相談事業を始め、昨年度は延べ2万2725件の相談があった。相談者は19歳以下の未成年(43・9%)が最も多く、女性が92・1%を占めた。相談内容は「メンタル不調」「自殺念慮」「家族」などが多かった。
 白書は「若者の状況を把握するとともに、対策の効果検証を行い、見直しを行っていくことが必要である」と指摘している。
https://news.livedoor.com/article/detail/16780227/

小中学生の自殺原因の「親子関係の不和」「家族からのしつけ・叱責」というのは、要するに親による虐待でしょう。

虐待で子どもが死んだり、大けがをして親が逮捕されたりする事件はあくまで氷山の一角で、目に見えない虐待は広範に存在しています。
虐待に耐えかねて自殺する子どもがいても当然です。ただ、自殺は事件ではないので、メディアに取り上げられません。親に虐待され、精神的に追い詰められて自殺した場合、親に殺されたも同然だと思うのですが。


高校生以降は、家庭よりも学校関係の自殺原因が多くなりますが、学校関係の内訳はこのようになっています。
自殺原因
「毎日新聞」2019年7月16日 夕刊より

「学業不振」とありますが、単なる学業不振では自殺しないでしょう。親から相当なプレッシャーをかけられていたに違いありません。
「進路の悩み」というのも、自分だけの問題ならなんとか対処できるはずです。自分の希望と違う進路を親から強要されるというようなケースが多いのではないでしょうか。
自殺原因というのは、周りの人間に都合よく解釈されるものです。

「教育虐待」と「しつけ虐待」が子どもの自殺の大きな原因と思われます。

それから、「いじめ」による自殺が2件しかないのが目を引きます。
「いじめ自殺」はつねにマスコミで騒がれますが、意外な少なさです。
いや、学校や教委が隠蔽するケースがあるので、実際は2件よりももっとありそうですが、それでも子どもの自殺総数からすれば少数です。

なぜマスコミが「いじめ自殺」について騒ぐのかというと、いじめっ子を悪者にして、親は悪くないことにできるからです。
新聞の購読者は子どもでなくて親ですから、どうしても親に都合のいい報道になります。

「自殺対策白書」は若年層の自殺について「第 3 節 若年層の自殺をめぐる状況」において分析していますが、「親の虐待が原因」というような指摘はありません。
これもマスコミと同じで、親に都合よく分析しているのです。

「親に虐待されて殺された子ども」のことは最近大きく報道され、人々は親を非難し、子どもに同情するようになりました。
「親に虐待されて自殺した子ども」についても同じであっていいはずです。

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ネットを見ていたら、『国分太一「女児誕生」報告を「変態呼ばわり」した東大教授が炎上』というニュースがあり、「東大教授」とは誰かと思って見てみたら、安冨歩氏のことでした。
安冨氏は女装家の東大教授として知られていますが、今は「れいわ新選組」の比例区候補になって、選挙戦の真っ最中です。
「炎上商法」ならぬ「炎上選挙運動」をしたのかと思いましたが、よく見るとそのニュースは2016年11月のものでした。昔のニュースがむし返されているのです。
選挙のネガキャンかもしれません。

ただ、安冨氏の指摘は意表をついたもので、考えさせられるものがあります。選挙とは切り離して、考えてみる価値がありそうです。


国分太一「女児誕生」報告を「変態呼ばわり」した東大教授が炎上
1日、TOKIOの国分太一(42)が司会を務めるTBS系情報番組『ビビット』の中で、初めての子供となる女児誕生を生報告した。

「昨日、パパになりました。女の子です。3,176グラムの元気な女の子。蠍座の女です」

というきわめて一般的な出産報告だが、これに対して東京大学東洋文化研究所の安冨歩教授が衝撃的なツイートを投稿し、話題となっている。

安冨歩(やすとみ あゆみ)
@anmintei
【どうして自分の子供の性器の形状をまっさきに報告する?変態か?】
〈速報〉国分太一生報告「パパになりました。女の子です」 

まだ名づけも決まっていない赤ちゃんの場合、産科医や助産師から得られる情報も「元気かどうか」「性別」と「体重」くらいに限られるため、それらが報告されるもの。
また、出産は何よりの慶事であり、そこに水を差すどころかイメージ商売の芸能人を「変態呼ばわり」するようなツイートに批判が殺到。炎上している。
https://sirabee.com/2016/11/04/20161026613/

「変態」呼ばわりするのはいけません。
しかし、「子どもの性器の形状を報告する」という表現は間違っていません。
国分太一氏が「女の子です」と言ったのは、性器の形状を見て女の子と判断したに違いないからです。

安冨氏が言いたかったのは、その赤ん坊は将来トランスジェンダーになるかもしれないのだから、身体の性を世間に告知しないほうがいいということでしょう。

世の中の人にとっても、国分太一氏の子どもが女の子か男の子かということはどうでもいいことです。

親戚や身近な人に赤ちゃんの性別を知らせるのは当然ですが、テレビやSNSで世間に告知するのは無意味であり、リスキーでもあります。


ところで、私は性別より国分氏が「3,176グラム」と報告したことのほうが気になりました。
体重を公表したくない人は多いでしょう。女性の場合はなおさらです。親だからといって勝手に公表していいはずはありません。
国分氏の赤ちゃんは平均体重とそれほど変わりませんが、かなり重かった場合など、その子が思春期になったころ、「あんた、生まれたとき4000グラム以上あったんだって」などと友だちに言われるのはいやでしょう。
赤ん坊のときの裸の写真が世間に出回ったらいやなのと同じです。

出生時の体重を記録することは、その後の健康管理のためにもたいせつなことです。
ところが、その体重を親が人に知らせるということが広く行われています。
私たちは「人を数字で比較する」ということに慣れています。試験の点数、学校の偏差値、会社の給料、さらには血圧とか血糖値とかも人と比較したがります。
赤ん坊の場合は、比較する数字は体重くらいしかないので、その数字を互いに知らせ合って、「うちの子はもうちょっと軽かったわ」などと比較して安心するのでしょう。

そもそも生まれたばかりの赤ん坊は基本的にみな同じです。赤ん坊についてなにか言おうとすると、「蠍座の女です」みたいな無意味なことを言ってしまいます。
言うべきなのは、親としての気持ちです。
親のあり方は千差万別で、子どもを虐待して殺す親から愛情深く育てる親までいます。赤ん坊を初めて見て、「気持ち悪い」とか「サルみたい」と言う親もいます。
国分氏は赤ん坊を見てどう思い、親になったことについてどう思ったのでしょうか。
それを語るべきでした。

性別や体重は赤ん坊の“個人情報”ですから、親が勝手に公開するものではありません。

赤ん坊が生まれたときに性別や体重をSNSなどに上げるという習慣は終わらせたほうがいいでしょう。

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山本太郎代表率いる「れいわ新選組」がネットで人気です。
政見放送の再生回数が自民党や立憲民主党よりも圧倒的に多いというので、どんな政見放送か見てみました。



主張が単純明快で、説得力があります。

政策を一言でいえば、「消費税を廃止して累進課税を強化せよ」ということです。“日本のバニー・サンダース”というところです。

昔の日本は累進課税の率がすごく高くて、松下幸之助などは9割以上を税金に取られて、「私は国に税金を納めた手数料をもらっている」と言っていました。本田宗一郎もソニーの井深や盛田も、「税金が高いからやる気がしない」などと言ったことはありません。累進課税の率を低くして、ストックオプションなどで経営者が大金を手にするようになってから、日本の経営者は劣化しました。
この政策では金持ちが海外に逃げていくのではないかという疑問はありますが、今の日本にこういう主張が出てきて、貧困層の支持を得るのは理解できます。

政策については人によって賛否があるでしょうが、山本代表の訴える力の強さは誰もが認めるでしょう。

たとえば、れいわ新選組は比例区に9人の候補を立てていますが、山本代表は重度障碍者の舩後靖彦候補と木村英子候補の2人と自分の名前を挙げただけです。ほかに拉致被害者家族会関係者で安倍首相批判をしている蓮池透候補とか、女装家で東大教授の安冨歩候補といった話題性のある人もいます。こういう人は、山本代表が説得して候補になってもらったはずです。そういう人を全部無視して、「重度障碍者を国会に送り込む」という一点に絞ったのはたいしたものです。

それは演説のテクニックかもしれませんが、それだけではなく、思想も徹底しています。

「重度障碍者が国会で仕事ができるのか」という疑問に対して、山本代表は、障碍者運動の有名なスローガンの「私たち抜きで私たちのことを決めないで」という言葉を挙げます。
これは本質をついた言葉で、すべてのことに応用できます。

たとえば、ハイヒールやパンプスの強制に反対する「 KuToo」運動が話題ですが、これも要するに男性が女性のことを決めているからだめなのです。
ブラック校則も、教師が生徒のことを決めているので、むちゃくちゃな校則をつくってしまいます。
今の学校は、生徒は学校のことについてなんの決定権もありません。教育改革もすべておとなが決めます。これではいじめや不登校はなくなりません。

それから、「生きているだけであなたには価値がある。そう感じられる社会をつくりたい」と語ります。これが山本代表の根本思想のようです。
新自由主義的価値観の逆をこう表現しているわけで、いい表現だと思います。

「れいわ新選組」というネーミングも、思想的に意味があります。
「日本維新の会」というのがあり、それに対抗するなら「新選組」になるのは当然です。
自民党も明治維新以降の日本にだけ価値を見ている政党です。
「れいわ」も、私などは令和には安倍色がついているような気がして好感が持てませんが、若い人は「れいわ」に新しさを感じるでしょう。


山本代表には戦う姿勢が感じられます。
これはたいせつなことです。
古い考え方だと、政治は政策本位で争うもので、理性的に政策を判断することがたいせつだとされました。
しかし、進化倫理学では、人間は基本的に互いに生存闘争をしていると見なすので、政治の世界も闘争の場ということになります。
ですから、どんな立派な政策があっても、強くなければ話になりません。
トランプ大統領は、政策はむちゃくちゃですが、強さがあるので実行力があり、国民の支持もある程度あります。

れいわ新選組は弱小政党ですが(現時点では政党要件も満たしていません)、山本代表の闘志や迫力に可能性が感じられます。


野党第一党の立憲民主党の枝野幸男代表の政見放送はどうでしょうか。



枝野代表は政治家として優秀な人だと思いますが、山本代表の政見放送と比べると、いかにも普通の政治家のしゃべり方に見えてしまいます。はっきり言って、聞いているのが退屈ないし苦痛です。

枝野代表は外交安保について、「私たちはまず日米同盟を堅持します」と言ったあと、辺野古移設について「アメリカと再度交渉します」と言いますが、これでは民主党政権の失敗に対する反省が見えません。
民主党政権のときは、アメリカさらには日本の外務省と防衛省に力負けして、辺野古見直しができなかったわけで、そのときとどう違うかを語らないといけません。

「れいわ」の山本代表は、政見放送では外交についてなにも語りませんでしたが、日本の対米従属外交には明確な批判をしています。
2015年8月の参院特別委で山本太郎議員は、安倍政権の政策はアーミテージ・ナイレポートそのままではないかと追及しました。


この質疑応答は、新聞テレビにはほとんど取り上げられませんでした。「属国タブー」の深刻さがわかります。
ともかく、山本代表は対米従属の問題をとらえているのに対し、枝野代表はまったく認識していないようです。
立憲民主党の人気がイマイチなのは、このへんに原因があるのではないでしょうか。


自民党の安倍晋三総裁は、属国のほうに振り切っています。
政見放送では、トランプ大統領と「深い関係にあるからこそ、率直になんでも言い合える仲なんです」とアピール。アメリカファーストのトランプ大統領と仲良くなるとは、売国をアピールしているのと同じです。
アメリカに従属していると独自の外交はできません。安倍首相が強く出られる外国は韓国だけになりました。

三原じゅん子議員のヨイショぶりが北朝鮮みたいで気持ち悪いと評判になった安倍総裁の政見放送も張っておきます。





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「教育虐待」という言葉があります。
ウィキペディアによると「教育熱心過ぎる親が、過度な期待を子どもに背負わせてしまい、思うとおりの結果が出ないと厳しく叱責してしまうこと」とされます。2011年に日本子ども虐待防止学会で初めて発表され、最近広まった言葉です。

「指導死」という言葉もあります。
これは「学校において教師の指導により肉体的、精神的に追い詰められた生徒が自殺に追い込まれること」とされます。
「大貫隆志による造語」となっていて、大貫隆志著「指導死」という本が2013年に出ているので、やはり最近広まった言葉です。

「学校ハラスメント」という言葉もあります。
これはウィキペディアの項目にないので、まだそんなに広まっていないかもしれません。学校での巨大組体操の危険性などを指摘してきた教育社会学者の内田良氏に『学校ハラスメント 暴力・セクハラ・部活動ーなぜ教育は「行き過ぎる」か』という著作があり、それ由来のようです。

こうした言葉が使われるようになってきたのは、教育のマイナス面に目が向いてきたからでしょう。
私もこれまでこのブログで教育のマイナス面を訴えてきましたが、教育のマイナス面を一言で表すのが困難でした。私は「過剰教育」という言葉を使ってきましたが、あまり意味がはっきりせず、インパクトもありません。「教育虐待」や「指導死」という言葉はインパクトがあります。

このブログで人気の記事も、たいてい教育のマイナス面について書いたものです。
しかし、このブログは、ヤフーブログから6月初めにここライブドアブログに引っ越してきたのですが、引っ越したためにグーグル検索にほとんど引っかからなくなりました。ヤフーブログには12月まで記事が残ることになっていますが、こちらも検索に引っかかりにくくなっているようです。
このまま埋もれてしまうのはもったいないので、検索の順位を上げるためにも、これまでアクセス数が多かった人気記事を紹介したいと思います。



「かぼちゃのつる」の正しい指導法

小学校のすべての道徳教科書に載っているのが「かぼちゃのつる」という話です。どんな話かという紹介と、教師の指導方法への批判を書きました。このブログのいちばん人気の記事かもしれません。おそらく小学校の教師が教える参考にと検索して見にくるのだと思われます。果たして私の批判を受け止めてくれているでしょうか。



今井メロさんが書いた「泣いて、病んで、でも笑って」というタレント本の紹介です。
今井メロさんというのは、昔は成田夢露という名前で、スノボー選手としてトリノオリンピックにも出場した美人アスリートです。この父親というのがものすごい人で、むちゃくちゃなスパルタ教育をしました。おかげで兄の成田童夢さんとともに有名なスノボー選手となりますが、スパルタ教育を受けたためにさまざまな不幸に見舞われます。
父親や成田童夢さんがメディアに出るたびにこの記事のアクセス数がふえます。



1999年に起きた光市母子殺害事件の犯人である大月(旧姓福田)孝行死刑囚について、主に「殺人者はいかに誕生したか」(長谷川博一著)に基いて書いた記事です。凶悪犯といえども私たちと同じ人間だということがわかるはずです。



乃木希典将軍も不幸な少年時代を送った人です。乃木少年はニンジンが嫌いだったために、母親は毎日ニンジンを出して食べさせました。これは今では虐待ですが、この話が国定教科書に載ったために、日本の親はみな子どもの好き嫌いを直さなければならないと思いました。しかし、食べ物の好き嫌いを直す方法はありません。



寺子屋は子どものために読み書きソロバンを教えました。
近代学校は「富国強兵」のために子どもを教育するので、目的が百八十度違います。


戦後になってもまだ「富国強兵」の教育を引きずっているので、「教育虐待」や「指導死」が生じるのです。

幼児虐待事件も絶えることがありませんが、犯人は判で押したように「しつけのためにやった」と言います。
しつけはよいこととされているので、こう言われると誰も反論できません。
教育にマイナス面があるように、しつけにもマイナス面があると認識する必要があります。

そのために「教育虐待」に習って「しつけ虐待」という言葉をつくって広めていけばいいのではないかと思います。

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                Keith JohnstonによるPixabayからの画像 

このままだと「お前」という言葉が使えなくなるかもしれません。
完全に議論が間違った方向にいっています。

発端は中日ドラゴンズの与田剛監督の発言でした。

中日応援歌自粛騒動 与田監督は言葉狩り非難に困惑隠せず
 中日が2日の巨人戦(東京ドーム)で0―6と今季4度目の零封負けを喫し、連勝が5でストップ。勢いに水を差す格好となったのが与田剛監督(53)の巻き起こした“応援歌騒動”だ。

 1日に中日の公式応援団がSNS上で応援歌「サウスポー」使用を自粛すると発表。指揮官が歌詞の「お前が打たなきゃ誰が打つ」の「お前」の部分を疑問視し、球団を通じて歌詞の変更を要請していた。この件がネット上で大炎上し、ワイドショーにも取り上げられるなど大騒動となった。

 今回の事態に与田監督は「意外と不本意な方向にいっているみたいで。僕は単純に『お前』という表現よりは名前の方にしてもらえませんかというのが事の発端なので。応援を自粛してくれとか、応援団を否定しているわけではない。リスペクトもしているのに、いろんな方が言葉尻を逆の方に持っていかれるのはさみしい」と語った。

 しかし、チーム関係者は「紳士たれの巨人軍でも坂本(勇)やゲレーロらの選手応援歌には『お前』のフレーズがあるのに公認されている。こんなことシーズン中に言いだすことではなかった。監督にはもっと試合だけに専念してほしいのに」と指摘する声もある。
(後略)
https://www.tokyo-sports.co.jp/baseball/npb/1456512/


与田監督は「お前という言葉を子どもたちが歌うのは、教育上よくないのではないか」とも発言していますが、これに対して巨人ファンからは、巨人の球団歌の「ゆけゆけ、それゆけ、巨人軍~」というサビの部分を歌うと、中日ファンが「死ね死ね、くたばれ、巨人軍~」という替え歌をかぶせるのが常態化していて、こちらのほうがよほど教育上よくないのではないかという声も上がっています。

この騒動の原因は、ひとえに与田監督の考え違いにあります。
与田監督は、「お前が打たなきゃ誰が打つ」というフレーズを不快に思って、不快の原因は「お前」という言葉にあると思ったわけです。
しかし、「お前」という言葉に悪い意味はありません。目上の人に使えば失礼になりますが、ファンにとって選手は目上ではないはずです。

与田監督が「お前が打たなきゃ誰が打つ」というフレーズを不快に思ったのは理解できます。このフレーズは、「お前」以外のチーム全員を打てないと決めつけているからです。
  「誰が打つ」は反語表現です。受験コトバでいうと「誰が打つ(いや、誰も打たない)」となります。
1人の選手を奮起させるためにほかの選手を否定するというやり方は、ほかの選手が不愉快ですし、監督も不愉快です。
これまでこんな歌を歌っていた公式応援団が間違っています。
ですから与田監督は、「ほかの選手だって打つんだから、『お前が打たなきゃ誰が打つ』というフレーズはおかしい。やめてくれ」と言うべきでした。
そうすれば混乱は起きなかったでしょう。

それから、「お前が打たなきゃ誰が打つ」というフレーズは、選手にプレッシャーを与えるものです。
おそらくこの歌が歌われるときは、得点圏にランナーがいて、その選手が打つかどうかで試合が決まるような重要な場面でしょう。選手はすでにプレッシャーを感じているはずです。その上にさらにプレッシャーをかけるのはマイナスでしょう。

重量挙げとか百メートル走とかは、大きな大会で新記録が出るので、選手にプレッシャーをかけるのは意味があるかもしれませんが、野球のバッターの場合は、リラックスさせたほうがいいはずです。肩に力が入るとろくなことはありません。

与田監督はそういうことも感じて、「お前が打たなきゃ誰が打つ」というフレーズを不快に思っていたのかもしれません。


ところで、与田監督はなぜこの時期にこの発言をしたのでしょうか。
私がこれを書いている時点で、中日はセ・リーグの5位で、首位の巨人から12.5ゲーム離されています。
あまりのふがいない成績に、日ごろから感じていた「お前が打たなきゃ誰が打つ」に対する不快感を口にしたのでしょう。
いわば八つ当たりです。
ほんとうなら口にする以上、なぜ「お前が打たなきゃ誰が打つ」がだめなのかを正しく説明するべきですが、要するに八つ当たりなので、深く考えずに「お前」という言葉のせいにしたのです。
言葉のせいにするのがいちばん簡単なやり方です。

このように考えると、「言葉狩り」がどうして発生するのかも理解できます。
なにか不快な表現に出会ったとき、なぜそれが不快なのかを論理的に説明するのがめんどうなので、なにかの言葉のせいにするのです。

現在、中日の公式応援団は「サウスポー」を歌うのを自粛していますが、「お前」という言葉が悪いからだと説明すると、世の中が混乱します。
「お前が打たなきゃ誰が打つ」というフレーズが中日の選手に失礼だからだと説明するべきです。


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参院選が始まりましたが、争点はなんでしょうか。

安倍首相は改憲問題を争点にしたいようで、「憲法について、ただただ立ち止まって議論をしない政党か、正々堂々と議論する政党か、それを選ぶ選挙だ」と言いました。
しかし、「改憲をする・しない」ではなくて、「改憲を議論する・しない」ですから、明らかに後退しています。

自民党は3月に「改憲4項目」の素案というのを出しましたが、九条改正、緊急事態条項、参院選「合区」解消、教育の充実と並べているので、優先順位がわかりません。
本来なら九条改正を前面に打ち出すべきでしょう。
しかし、自民党の九条改正案は、「自衛隊」は明記されても、「戦力の不保持」はそのままですから、かえってわかりにくくなっています。改憲派も盛り上がっていません。
九条の議論から逃げるために4項目を並べたのではないかと思えます。

憲法施行から72年たって、改憲論議は後退しているのですから、もう終わりにするべきでしょう。


7月3日付朝日新聞が「各党の公約 特徴と主張」と題して、争点をわかりやすく示していました。


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消費増税については、与野党で賛否が分かれています。
これがわかりやすい争点かもしれません。

「年金」という項目がありませんが、年金制度の改革を巡って対立しているわけではないので、争点にはならないのかもしれません。

「外交」という項目もありません。
その代わりに「沖縄」という項目があります。これは辺野古移設に賛成か反対かというものです。
辺野古移設問題は、対米関係をどう考えるかという問題と直結しているので、これが「外交」に近いのかもしれません。

外交についての国論は、日本はアメリカ依存を続けるべきだという主張と、日本はアメリカ依存を脱するべきだという主張とで二分されます。

この対立は、トランプ政権の誕生でより深刻化しました。
対米依存派は「アメリカファースト」の踏み絵を踏まされたからです。
安倍首相は踏み絵を踏んで、トランプ大統領から言われるままにさまざまな武器を買い、アメリカとの二国間通商交渉にも応じています。
ブッシュ政権やオバマ政権にはある程度の良識がありましたが、トランプ政権にそういうものはないので、対米依存の道は日本を危うくします。

こうした安倍外交こそ参院選の争点であるべきです。

もっとも、「安倍外交」を論じるより「トランプ政権」を論じたほうが盛り上がるでしょう。トランプ大統領のキャラが立っているからです。

これから各党の党首は、「トランプ政権」をどう評価するかを語ってほしいものです。

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