村田基の逆転日記

進化倫理学の威力を試すブログ

2020年05月

スクリーンショット (20)
首相官邸HPより

賭け麻雀で辞職した黒川弘務検事長を訓告処分にしたのは誰かということが議論になっています。

最初はそんな議論があることが理解できませんでした。
処分は内閣か安倍首相の責任で行うものと思っていたからです。
しかし、免職、停職、減給、戒告という懲戒処分は法律によるものなので、黒川検事長の任命権者である内閣が行いますが、訓告と厳重注意という処分は法律によらず法務省の内規によるものなので、稲田伸夫検事総長が行うということです。
黒川検事長は訓告処分だったので、稲田検事総長が行いました。

しかし、稲田検事総長は、内閣が懲戒処分をしないと決めなければ訓告処分をすることができません。
森雅子法相も5月22日午前の記者会見で、「法務省内、任命権者である内閣とさまざまな協議を行った」とした上で、「最終的に内閣において決定がなされたものを、私が検事総長に『こういった処分が相当であるのではないか』と申し上げ、検事総長から訓告処分にするという知らせを受けた」と語りました。

ところが、同じ日の衆院厚生労働委員会で安倍首相は、「検事総長が事案の内容等、諸般の事情を考慮して処分をおこなったわけでございまして、森法務大臣もそれを了承したということについて、私に報告があったわけでございまして、これはもうすでに検事総長が判断をしていることでもございますから、私も諒としたということでございます」と言って、稲田検事総長が判断して、自分はそれを諒承しただけだと主張しました。

このころ、世の中では訓告処分は軽すぎるという批判の声が高まっていたので、安倍首相は稲田検事総長や森法相に責任をなすりつけたわけです。

森法相は25日の参院決算委員会で、「処分の主体は稲田検事総長」と答弁して、安倍首相に合わせて、前の自分の発言を修正しました。

しかし、共同通信は安倍首相と森法相の発言を否定する記事を配信しました。
黒川氏処分、首相官邸が実質決定 法務省は懲戒と判断、軽い訓告に
 賭けマージャンで辞職した黒川弘務前東京高検検事長(63)の処分を巡り、事実関係を調査し、首相官邸に報告した法務省は、国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となったことが24日、分かった。複数の法務・検察関係者が共同通信の取材に証言した。
 安倍首相は国会で「検事総長が事案の内容など、諸般の事情を考慮し、適切に処分を行ったと承知している」と繰り返すのみだった。確かに訓告処分の主体は検事総長だが、実質的には事前に官邸で決めていたといい、その経緯に言及しない首相の姿勢に批判が高まるのは必至だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/27bc7764f48673e254ca4ee924b94cb65875cfc0
複数の法務・検察関係者が証言したということですから、安倍首相に責任をなすりつけられたことに対する反発が法務・検察内部にあるのでしょう。


この少し前にも、安倍首相は責任のなすりつけをしていました。
安倍首相は15日に櫻井よしこ氏のインターネットテレビ番組に出演し、検察庁法の定年規定をねじ曲げてまで黒川検事長の定年を延長したことについて、「法務省が人事案をもってきて、われわれはそれを承認しただけ」と語りました。

これはどういうことかというと、プチ鹿島氏が「黒川弘務検事長“賭けマージャン”辞職を、産経と朝日はどう報じたか?」という記事で解説していて、それがわかりやすかったので、そこから引用します。

しかし1月31日の定年延長の閣議決定には「前段」がある。5月23日の読売新聞が詳しい。
 記事から時系列をまとめてみる。

・昨年末、法務・検察が官邸に上げた幹部人事案は、2月に定年を迎える黒川氏を退職させ、東京高検検事長の後任に林氏を据えるというものだった。

・官邸がこれを退けた。

・すると法務省幹部は稲田氏に2月で退任し、黒川氏に検事総長の座を譲るように打診した。

・稲田氏は拒んだ。しかし稲田氏が退任しないと、2月が定年の黒川氏は後任に就けない。

・法務省は「苦肉の策」として、国家公務員法の規定に基づいて黒川氏の定年を半年延長する案を首相に示した。←ここ注目!

 いかがだろうか。安倍首相の言う「法務省が人事案を持って来た」は最後の部分ということがわかる。ここしか時系列を説明していない。不都合な前段には触れていない。

官邸のゴリ押しに法務省が負けて「苦肉の策」として持ってきたわけで、原因は官邸のゴリ押しにあります。
しかも、「苦肉の策」を採用したのは官邸ですから、責任は官邸にあります。「法務省が持ってきた」というのは、責任逃れ以外のなにものでもありません。

やった仕事の評判が悪いと、「この企画は部下が考えたものだ」と言って責任逃れをする上司がいます。
政治家の場合は「秘書がやった」と言うのが常套手段です。
安倍首相は「部下がやった」と「部下が持ってきた」です。


安倍首相が「黒川検事長を訓告処分にしたのは稲田検事総長だ」と主張しているのも同じです。
野党は、黒川検事長を訓告処分と決めたのは官邸だと主張していて、たぶんその主張は正しいのですが、そういう議論自体が時間のむだです。
「黒川検事長の任命権者は内閣です。かりに稲田検事総長が判断したとしても、その責任は内閣にありますね」と言えば終わりです。


国民はこういう安倍首相をどう見ているのでしょうか。
私も最初はそうだったように、よくわからない人が多いかもしれません。
まさか首相たる者が「部下がやった」というような低次元の責任逃れを言っているとは思わないからです。

安倍首相のあまりの低次元ぶりに、批判しているこちらまで情けなくなります。

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5月25日、緊急事態宣言を解除するときの記者会見で安倍首相は、これまでの対策について「日本モデルの力を示した」「世界において卓越した模範である」と自画自賛しました。
こういうことを言うので、全体が信用できなくなります。事実だけを語ってほしいものです。

とはいえ、日本の感染者数と死者数が欧米各国などと比べて少ないのは事実です。ただ、それは対策がよかったからとは必ずしも言えません。アジアの国はみな少ないからです。

世界各国の感染状況は次のサイトで見ることができます。


新型コロナウイルス感染症まとめ(yahoo)

日本周辺の各国の感染状況は次のようになっています。

        感染者数 新規感染者数 死者数
【西太平洋地域】
中国        84 536     11     4 645
シンガポール  31 616        548     23
日本       16 581   31     830
フィリピン    14 035    258     868
大韓民国            11 206    16     267
マレーシア    7 245    60     115
オーストラリア  7 109    3     102
ニュージーランド1 154    0     21
ベトナム       325    0     0
ブルネイ           141    0     1
モンゴル           141    0     0
カンボジア   124    0     0
ラオス      19            0     0
フィジー           18            0     0
パプアニューギニア8    0     0
(領域)  
グアム     161            0     5
フランス領ポリネシア89      0     0
北マリアナ諸島22            0     2
ニューカレドニア18    0     0
(5月25日の数字)

これを見ると、日本が特別でないことがわかります。人口を考えると、少しうまくいっているかなという程度です。
逆にヨーロッパとアメリカがひどすぎるわけです。
最近、南米とアフリカでも感染が急拡大しているので、発生源のアジアが低いままなのが目立ちます。
なぜアジアで感染者や死者が少ないのかについてはいくつかの説がありますが、いずれにせよ「日本スゴイデスネ」と言うようなことではありません。


安倍首相の5月25日の記者会見での発言を読んでみると、全体がもやもやとしてつかみどころがありません。
安倍首相は「目指すは、新たな日常をつくり上げることです。ここから先は発想を変えていきましょう」と言いますが、「新たな日常」がなにかよくわかりませんし、どう発想を変えるのかもよくわかりません。

問題の核心は次のところにあると思われます。
 感染防止を徹底しながら、同時に社会経済活動を回復させていく。この両立は極めて難しいチャレンジであり、次なる流行のおそれは常にあります。それでも、この1か月余りで国民の皆様はこのウイルスを正しく恐れ、必要な行動変容に協力してくださいました。こまめな手洗い、今や外出するときはほとんどの方がマスクを着けておられます。店のレジは、人と人との距離を取って列をつくるなど、3つの密を避ける取組を実践してくださっています。こうした新しい生活様式をこれからも続けてくだされば、最悪の事態は回避できると私は信じます。

つまり「感染防止」と「社会経済活動」の両立こそが問題の核心です。
そして、安倍首相は「こうした新しい生活様式をこれからも続けてくだされば、最悪の事態は回避できると私は信じます」と言いますが、これは根拠のない楽観論です。
肝心のところをごまかしているので、全体に説得力がないのです。

みんなが知りたいのは、第二波はくるのかということです。
いや、なにをもって「第二波」とするのかです。

自粛を緩和すると、感染者が増えてくるでしょう。しかし、多くの人は、これまでのような外出自粛や休業はしたくないし、経済的にもできないので、ある程度感染者がふえても社会経済活動を続けたいと思っているはずです。
「ここまで感染者が増加すれば第二波と認定して、再び緊急事態宣言を出す」という基準があらかじめ決まっていれば、人々は日々の感染者数の推移を見ながら行動をコントロールできます。
そうした行動が「新たな日常」になります。


安倍首相が基準を示さないので、私なりに考えてみました。
手掛かりに、外国の感染対策のやり方を見てみます(「日本モデル」などと言って自慢している人は、日本と外国を客観的に比較することができないでしょう)。

ドイツはヨーロッパでの感染対策の優等生で、都市封鎖をしだいに緩和し、ブンデスリーガも無観客ながら5月16日に再開しました。

ドイツの過去1か月の新規感染者数のグラフです。
ドイツのグラフ
都市封鎖を緩和しても感染者は増加せず、ここ数日は500人前後で推移しています。
ドイツの人口は約8300万人ですから、日本に換算すれば750人ぐらいです。

下は日本の過去4か月間の新規感染者数のグラフです。
日本の新規感染者数
感染者がいちばん多いときでも700人余りです。
つまり日本の最悪のレベルでドイツは緩和して、ブンデスリーガを再開しているのです。
日本は医療崩壊を恐れて過剰に反応していたかもしれません。
最近、日本に緊急事態宣言の必要はなかったという説が言われるのももっともです。

ということは、1日の感染者数がドイツ並みの750人ぐらいまでは日本も許容できるはずです(ちなみに、ここ10日間の日本の感染者数は50人以下です)。
もちろん医療体制を強化して、それだけの感染者数に耐えられるようにしなければなりません。
それと、感染者数が急速にふえずに、ある程度横ばいにコントロールされていることも重要です。


スウェーデンは、法律で禁止するのは「老人施設への訪問」と「50人以上の集会」だけで、リモートワークやソシアルディスタンスは推奨されますが、外出自粛や休業要請のようなものはなく、ほぼ通常の社会経済活動をしています。それによって「集団免疫」の獲得を目指すという方針です。
外国からはいろいろ言われていますが、この方針は国民から高い支持を得ています。なによりも通常に近い経済活動ができているのが強みです。

スウェーデンの過去1か月の新規感染者数のグラフです。
スウェーデンのグラフ

ずいぶん波がありますが、横ばいであるのは事実です。
平均すると1日400人から500人ぐらいです。
スウェーデンの人口は約1000万人なので、日本に換算すると5000人から6000人ぐらいです。

日本で毎日5000人の感染者が出るというと多いようですが、スウェーデン人が受け入れているのですから、日本人が受け入れられないという理屈はありません(医療体制の問題はありますが)。
日本の感染者の致死率は約2%ですから、年間約3万5000人が亡くなる計算です。

日本における肺炎の死者は年間約9万5000人です(誤嚥性肺炎を除く)。そこに約3万5000人の新型コロナ肺炎の死者が加わるわけです。
これはずっと続くわけではなく、1年か2年で集団免疫が獲得され、死者は減少します。
こう考えると、けっこう現実的な道ではないでしょうか。

ブラジルは国としての感染対策をほとんどせず、感染者が増大し続けていますし、アメリカもトランプ大統領が経済活動を優先させたがっているので、この両国がいち早く集団免疫を獲得する可能性があります。

集団免疫は意外と早く獲得できるかもしれないということを、西浦博教授が『8割おじさん・西浦教授が語る「コロナ新事実」』という記事で語っています。


このように外国の状況を見ると、日本人はこれまで感染者数の増大を恐れすぎていたことがわかります。


では、どのレベルで「第二波」と認定して、緊急事態宣言を発出すればいいのかということですが、とりあえずかつて日本で最悪の状況であり、かつ現在のドイツと同じレベルである、1日の感染者が700人程度とするのがいいのではないでしょうか。
日本人は一度経験しているので、その程度ならオーバーシュートしないという安心感が持てます。

いずれにせよ「新たな日常」とは、新型コロナウイルスと共存する生活になるはずです。

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週刊文春に「緊急事態宣言下の“三密”賭け麻雀」を報じられた黒川弘務検事長が辞職しました。
“文春砲”の威力を見せつけられましたが、黒川氏の麻雀好きは今に始まったことではなく、ほかのマスコミはなにをしていたのかということになります。
もっとも、産経新聞記者と朝日新聞社員は黒川氏といっしょに麻雀をやっていたので、書ける立場ではありませんが。

親しい仲間内の「賭け麻雀」は、違法であるとはいえ、半ば社会的に容認されたグレーゾーンの存在です。
ですから、わざわざ報道する必要はないという考え方もあります。

しかし、今回のことについては、緊急事態宣言下であり、自粛要請に反する行為です。
それに、検察官は取り締まる側で、一般人とは違います。
しかも黒川氏は、安倍政権が検察庁法の解釈をねじ曲げてまで定年を延長し、さらには検察庁法改正案提出まで招く原因になったキーマンです。
報道するのは当然です。


今回の麻雀には、産経新聞と朝日新聞が関わっていましたが、両社の関わり方はかなり違います。

週刊文春は5月1日と5月13日の2度の麻雀について書いていますが、どちらも産経新聞記者の自宅マンションで行われ、卓を囲んだのは産経新聞記者2人、朝日新聞社員、黒川氏で、黒川氏は深夜にハイヤーで帰宅しました。
検事長という“上級国民”を接待するとなると、タクシーではなくハイヤーを使うのだなあと感心しました。
このハイヤーはもちろん産経記者が個人で手配したわけではなく、産経新聞が手配したものです。
つまりこれは産経新聞社公認の接待麻雀です。

文春の報道があった直後、朝日新聞は社員が麻雀に同席していたことを認め、不適切な行為であったと謝罪しましたが、産経新聞は「取材に関することはお答えしない」「記事化された内容以外は取材源秘匿の原則に基づき、一切公表しておりません」としていました。
つまり産経新聞は麻雀を「取材」と見なしていたのです。

朝日新聞社員は、もとは検察担当記者でしたが、2017年に編集部門を離れたということです。黒川氏と旧知の間柄であることから麻雀に参加しました。黒川氏から情報を取ろうという気持ちもあったかもしれませんが、形の上では個人的なつきあいです。朝日新聞は「社員のプライベートの行為で、当社は関知しません」と言うことも可能です。
しかし、産経新聞は記者が賭け麻雀をしていたことを会社として認め、ハイヤーも手配していたわけで、これは罪が重いと言えます。


ともかく、この麻雀は、産経新聞が会社として検事長を供応接待し、そこに朝日新聞社員が個人として加わっていたというものです。
黒川氏がハイヤーを複数回利用したことは、国家公務員倫理規程5条の「職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない」に違反する可能性があります。

ところが、法務省は週刊文春の記事について調査した結果を公表しましたが、それにはこう書かれています。

黒川検事長の賭けマージャン問題 法務省調査結果の全文
 黒川弘務・東京高検検事長=辞職=の賭けマージャン問題を報じた「週刊文春」(5月28日号)の記事について、法務省が22日に発表した調査結果の全文は次の通り。(肩書は調査時)
(中略)
イ 記事②「黒川検事長は、5月1日ごろの賭けマージャン終了後、記者の手配したハイヤーに同乗して、記者A方から帰宅する便宜を図ってもらっていた」について

 (調査結果)

 黒川検事長が、5月1日ごろに、記者A方でマージャンを行った後、記者Bの手配したハイヤーに同乗して帰宅した事実及び当該ハイヤーの料金を支払っていない事実が認められた。

 なお、この点については、検事長の立場にある者として軽率な行為であるとのそしりを免れないものの、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められる。

 ウ 記事③「黒川検事長は、5月13日ごろにも、記者A方において、同人及び記者Bと賭けマージャンを行い、記者Bの手配したハイヤーで帰宅した」について

 (調査結果)

 黒川検事長が、緊急事態宣言下の5月13日ごろの勤務時間外に、記者A方において、同人、記者Bらと金銭を賭けてマージャンを行っていた事実が認められた。

 この日もいわゆる点ピンと呼ばれるレートで行われており、参加した者の間で、1万円から2万円程度の現金のやり取りがなされていた。

 また、記者A方でマージャンを行った後、記者Bの手配したハイヤーに同乗して帰宅した事実及び当該ハイヤーの料金を支払っていない事実が認められたが、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められる。
(後略)
https://www.asahi.com/articles/ASN5Q7JFBN5QUTIL05S.html?iref=pc_ss_date

「黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであった」とは信じられない説明です。
産経新聞記者は黒川検事長がいなくてもハイヤーを使ったというのでしょうか。
普通の会社でも社員が接待目的なしにハイヤーを使うのはありえないことですし、経営の苦しい産経新聞社ではなおさらです。


結局、黒川氏は訓告という甘い処分を受けただけで辞職が認められました。
甘い処分の理由のひとつに、いわゆる「テンピン」のレートが高額でないからだという説明があり、世間から「テンピンのレートは合法なのか」という突っ込みが入っています。
もうひとつの理由に、「産経新聞記者は黒川氏のためではなく自分のためにハイヤーを使った」ということもあるわけで、こちらにも突っ込みが必要です。

なお、産経新聞社もハイヤーを誰のために手配したのかを説明する責任があります。

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航空自衛隊の「宇宙作戦隊」が5月18日に発足しました。
アメリカの「宇宙軍」が2019年12月に発足したのを受けたものです。

「宇宙作戦隊」という名称は、昭和風でダサいのではないかという声があり、立憲民主党の小西洋之議員からは「作戦部や作戦課という名称は旧日本軍で用いられていた。専守防衛の自衛隊にふさわしくないのではないか」という指摘もあり、河野太郎防衛相も見直す可能性を示唆していました。

河野防衛相は、米国防総省が4月末にUFOとされる映像を公開したのを受けて、記者会見で「自衛隊のパイロットが、万が一遭遇したときの手順をしっかり定めたい」と語りました。かつて政府は「地球外から我が国に飛来した場合の対応について特段の検討を行っていない」とする答弁書を決定していたので、方針転換であるとしてニュースになりました。
おそらく河野防衛相の頭の中に宇宙作戦軍のことがあったので、踏み込んだ発言になったものと思われます。

私も「宇宙作戦隊」に代わる名称を考えました。
そして、思いついたのは「地球防衛軍日本支部」です。
ウルトラマンシリーズにも「地球防衛軍」が出てきます。
「軍」という言葉を使うので、右翼も大喜びでしょう。


人類の宇宙進出は、大航海時代から続いてきたロマンでした。
宇宙に進出すれば異星人と出会うかもしれません。そのときには人類はひとつになっていなければ不都合です。
昔のSFドラマの「スタートレック」や「宇宙家族ロビンソン」でも、国と国の対立などはありえないことです。

しかし、現実の宇宙進出は違いました。
1969年、アポロ11号の2人の宇宙飛行士が月面に降り立ったとき、アメリカ国旗を月面に突き立てたのです(あとで国連旗も立てましたが)。
それを見たとき私の中で、宇宙進出とともに人類がひとつになるという夢がもろくも壊れました。
アメリカは国威発揚のために月への有人宇宙飛行を行ったのです。

南極については南極条約があり、領土主権の凍結と軍事利用の禁止がうたわれ、実現しています。
宇宙についても同じであっていいはずですが、アメリカは人類がひとつになるという夢を打ち壊しました。

現在もその延長上にあります。
アメリカは宇宙の軍事利用を進め、ロシアや中国も対抗しています。
これを当たり前のことと思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。軍事費がかさむばかりです。
宇宙の軍事利用禁止が当たり前のことです。


宇宙作戦隊の発足と同時に隊旗も定められ、河野防衛相から阿式俊英隊長に隊旗が授与されました。
河野防衛相はツイッターで隊旗を披露しています。

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鷲の紋章がデザインされています。
これは航空自衛隊で使われているものと共通です。

これにネットでかなり突っ込みがあったといいます。
宇宙で翼は役に立たないではないかという突っ込みです。
確かに宇宙にふさわしいデザインにするべきでしょう。

私自身は、日本の伝統にない鷲の紋章が使われているのが気になります。
鷲の紋章はもともと古代ローマ帝国の国章であって、ヨーロッパで広く使われ、現在ではドイツ、アメリカ、ロシア、エジプトの国章としても使われています。つまりヨーロッパ文明と不可分です。
そんなものを航空自衛隊が使っているのが理解できません。
航空自衛隊創設のときにアメリカの影響が大きかったのでしょうが、日本の魂を売り渡しているみたいなものです。


トランプ大統領はアメリカ宇宙軍の軍旗のデザインをツイッターで公表しました。

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これはいかにも宇宙軍らしいデザインですが、「スタートレック」の宇宙艦隊の紋章に似ていると言われています。

今までにない宇宙軍をつくるのですから、日本もアメリカみたいにやればよかったと思います。


結局、「宇宙作戦隊(仮称)」はそのまま「宇宙作戦隊」になりました。
「地球防衛軍日本支部」にはもちろんなりません。
実態は「アメリカ宇宙軍日本支部」だからです。

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記者会見で「気のゆるみ」を連発する西村康稔新型コロナ担当大臣(ウソ)

西村康稔新型コロナ担当相は5月16日の記者会見で、「39県の解除で、あちこちで少し気のゆるみが見られることを心配している。気のゆるみがあると、再び大きな流行になる」などと「気のゆるみ」という言葉を連発し、「上から目線」「責任を国民に転嫁している」などの批判の声が上がっています。

批判されるのは当然です。
新型コロナ担当相という責任ある立場の人間が「気のゆるみ」などという客観性のない言葉を使ってはいけません。「こういう行動がふえているのはよくない」と具体的に言うべきです。通勤客がふえているのは、「つい気がゆるんで通勤した」ということではないはずです。
それに、「気のゆるみ」という言葉は、学校やら部活やらで「お前らは気がゆるんでるぞ」と説教された記憶を喚起するので、不愉快です。

そして、根底には、国民の間に「いったいいつまで気を引き締めてなければいけないのか」という不満が高まっていることがあります。


2月初めごろ、新型コロナウイルスの実態がよくわからず、恐怖をあおる報道が過熱したため、「正しく怖がる」ということが言われました。
それにならって言えば、今は「正しく気をゆるめる」ことが必要です。
「正しく怖がる」と「正しく気をゆるめる」はコインの両面みたいなものです。


私が新型コロナウイルスについてこのブログで初めて書いた記事は「新型肺炎で日本人はみな視野狭窄に」というものでした。
その記事に、肺炎はもともと怖い病気で、日本では肺炎によって年間約9万5000人の死者(誤嚥性肺炎を除く)が出ているのだから、そこに新型コロナウイルスの肺炎が加わったところでたいしたことはないだろうと書きました。

その後、イタリア、スペインで爆発的な感染拡大が起きると、私も「たいしたことはない」とは言えなくなりました。
このころは「どこまで感染が拡大するのかわからない」という恐怖があったと思います。

しかし、日本で緊急事態宣言が出され、1か月余りして感染者数がへってくると、「これぐらい自粛すれば感染拡大は防げる」ということが体感でき、オーバーシュートや医療崩壊への無闇な恐怖はなくなりました。


恐怖がなくなれば、今後のことが冷静に考えられます。
そうすると、つねに第二波に警戒し続けなければならないことがわかります。
韓国や中国でも、やはり警戒をゆるめるとクラスターが発生しますし、北海道でも第二波がきました。
安倍首相も緊急事態宣言を延長するときに「持久戦を覚悟しなければならない」と言いました。

つまりこれからは「持続可能な自粛」をすることになります。
どれくらい持続するのかというと、最低でも1年、おそらく2年ぐらいになるでしょう。
そうすると、今よりもかなり気をゆるめないとやっていけません。
いや、精神の問題ではなく経済の問題としても、今の状態ではやっていけないはずです。

そういうことを考えると、「気のゆるみ」を戒めるばかりの西村大臣は、「持久戦の覚悟」を言う安倍首相ともちぐはぐで、長期戦略の欠如を感じさせます。

自粛をゆるめ、経済活動を再開すると、第二波がくるかもしれません。そうするとまた自粛を強め、波が収まるとまた自粛をゆるめるということを繰り返し、第三波、第四波をやりすごすうちに「持続可能な自粛」体制が確立されることになります。


それは新型コロナウイルスとある程度共存するものになるはずです。

先ほど肺炎による死者は年間約9万5000人だと言いましたが、その中で最も多い肺炎の原因は肺炎球菌によるもので、肺炎球菌による死者は年間約1万7800人です。
肺炎球菌に効くワクチンがあって、高齢者には接種が推奨されていますが、それでもこの死者数です。

現時点でわが国における新型コロナによる死者は700人弱です。
おどろくほど少数です。
日本人は肺炎球菌と共存しているのですから、新型コロナウイルスと共存できないわけがありません。
今よりもうんと気をゆるめてもいいはずです。

下のグラフのどこかに「新型コロナウイルス」という項目ができると考えればいいのではないでしょうか。

肺炎の原因

https://www.haien-yobou.jp/pneumococcal_infection.xhtml

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ツイッターで「#検察庁法改正案に抗議します」がトレンド1位になって話題となりましたが、その後、「#福山哲郎議員に抗議します」も一時トレンド1位になりました。

おそらく「#検察庁法改正案に抗議します」を真似て「#福山哲郎議員に抗議します」がつくられたのでしょう。
しかし、検察庁法改正案は国の根幹に関わる重大問題ですが、福山哲郎議員は一人の野党議員(正確には立憲民主党幹事長)ですから、重みがぜんぜん違います。
どうしてトレンド1位になったのでしょうか。

どうやら福山議員が国会で政府の新型コロナウイルス対策専門家会議の尾身茂副座長に質問したときの態度が失礼だったということのようです。
立民・福山哲郎幹事長に抗議殺到! 尾身氏への態度に医療従事者カンカン 「#福山哲郎議員に抗議します」ツイッタートレンド1位に 
 新型コロナウイルスをめぐる、国会審議の動画がネット上で炎上している。立憲民主党の福山哲郎幹事長が11日の参院予算委員会で、政府・専門家会議の尾身茂副座長(地域医療機能推進機構理事長)に質問したものだ。その言動について、ツイッター上で、「#福山哲郎議員に抗議します」がトレンド1位になり、医療関係者からも批判の声が上がっている。
 福山氏は注目の予算委員会で、国内の感染者を報告数の10倍程度とする専門家の推定を示して、「蓋然性があるのではないか」と質問した。
 これに対し、尾身氏は「今の報告数よりも多いのは間違いないと思うが、すべての人に検査をしているわけではなく、10倍かどうかは私には言えない」とした。
 その後、福山氏は「10倍いる可能性も否定もできないし、肯定もできないんですよね?」と尋ねた。
 尾身氏が答弁席に向かう途中、安倍晋三首相が何かを話したため、福山氏は「何、指導してんですか!」と声を荒らげた。
 一時速記が止まった後、尾身氏は、医療機関に行かない人の方が感染リスクが低いと考えられることから、東京都が発表している陽性率よりも感染者の数は少ないことが一般的である-などと感染状況について説明した。
 その間、福山氏は「ちょっと(回答を)短くしてもらえます?」などと話したほか、最後には「全く答えていただけませんでした。残念です」と言い切った。
 この動画が怒りを買っているのだ。
 尾身氏は1978年に自治医科大学医学部を卒業し、99年から2009年まで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長を務めた。SARS(重症急性呼吸器症候群)対策の陣頭指揮を執り、今回の新型コロナ対策でも日々奮闘している。世界的権威だ。

 福山氏独特の質問姿勢のせいか、ツイッターでは、「#福山哲郎議員に抗議します」というワードがトレンド1位になり、「#尾身先生を応援しよう」というワードもトレンド入りした。
 医療関係者などから、「(尾身先生は)世界レベルでも誇れる経歴の持ち主」「あれが物尋ねる立場の人間の態度か?」「専門家会議の先生たちは、本当に頑張ってくれています」「パワハラはもうたくさん」「情けない。怒りがふつふつと湧いてくる」などとコメントが寄せられている。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200513/dom2005130006-n1.html

福山議員がほんとうに失礼な態度だったのか、動画で確かめてみました。


(尾身副座長への質問は9分すぎごろから)

これを見る限りでは、ぜんぜん失礼な感じはしません。

ただ、次の動画では福山議員が尾身副座長の答弁中に「時間ないです」とか「ちょっと短くしてください」と言っているようです。



これが失礼かどうかは、各自が判断してくださいというしかありません。

なお、この動画では安倍首相が「数字じゃないんだよ」とヤジを飛ばしたことになっていて(正確には聞き取れませんが)、それで質疑が一時中断します。
相変わらず安倍首相は国会でヤジを飛ばしているようで、こちらも問題です。


福山議員と尾身副座長の議論がかみ合っていないのは事実です。
福山議員は、実際の感染者は把握された感染者の10倍であるという言質を取りたいようですが、それに対して尾身副座長は「10倍か15倍か20倍か誰にもわかりません」と言います。
私は、これは「10倍から20倍」という立派な答えだと思いましたが、福山議員は「わからない」という意味だと解釈します。
実際、尾身副座長はそのあとも明確な言質を与えない答弁をするので、福山議員の解釈が正しいのかもしれません。

実際の感染者数はどれくらいかというのは重要な問題です。正確には答えられないにしても、専門家なら与えられたデータからある程度推測できるはずです。はぐらかしの官僚答弁をするのはいただけません(もしかすると安倍首相の「数字じゃないんだよ」のヤジが影響したのでしょうか)。


以上のことについては「 ハーバー・ビジネス・オンライン」が「批判された立憲・福山哲郎議員の尾身茂副座長への質疑はどんなものだったのか? 全文起こして検証してみた」という詳しい検証記事を書いています。
この記事は、福山議員の態度より尾身副座長のはぐらかし話法により問題があるとしています。


いずれにしても、福山議員の尾身副座長への態度は、取り立てて失礼だったとはいえません。
それでいて「#福山哲郎議員に抗議します」がトレンド1位になったのは、なんらかの意図的な動きがあったからでしょう。

ひとつには、「#検察庁法改正案に抗議します」が盛り上がって政権が批判されているので、対抗して野党を批判しようという意図が想像されます。
しかし、今、野党を攻撃しても、なにもいいことはありません。

よく「今は国難だから政権批判はするべきでない」という人がいますが、そんなことはありません。政権批判をすることで現に政策が変化しています。
国難のときの野党批判こそまったく意味のない行為です。


野党批判のほかに、もうひとつの意図もあると思われます。
それは専門家会議への批判を封じることです。

安倍首相は一斉休校要請を専門家の意見を聞かずに決めたりしていましたが、最近は専門家の判断を重視しているらしく、5月14日の記者会見でも「専門家」という言葉を連発しています。

その判断については、今回、専門家の皆様の御協力を得て、感染の状況、医療提供体制、監視体制の3つについて、具体的な数値なども含め、解除の客観的な基準を策定いたしました。

こうした評価について、尾身会長を始め、諮問委員会の専門家の皆さんの賛同を得て、今月末までの期限を前倒しして、本日付で39県の緊急事態宣言を解除することといたしました。

1週間後の21日をめどに、もう一度、専門家の皆さんに、その時点で今回決定した解除基準に照らして評価いただき、可能であれば、31日を待つことなく、解除する考えです。

レストランなどの飲食店、百貨店や商店街、各種の商店、映画館、劇場、博物館や美術館などの文化施設、公共交通機関、さらにはホテルや旅館、80を超える業界ごとに、専門家の助言の下、本日、感染予防のためのガイドラインが策定されました。

専門家の皆さんが取りまとめた新しい生活様式も参考に、3つの密を生活のあらゆる場面で避けていただきたいと考えています。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0514kaiken.html
安倍首相は「専門家」を盾にして自分を守る作戦のようです。
そのためには専門家に権威がなければなりません。
専門家の権威を守るために、尾身副座長にややきびしい質問をした福山議員を集中的に攻撃して、今後専門家を批判しにくい空気をつくろうとしていると思われます。

尾身副座長は、最初は医者でしたが、厚生省に入り、それからずっと官僚人生を歩んできた人です。今も「政府の専門家会議」の副座長ですから、政府の一員として野党から追及されるのは当然です。

そもそも専門家会議が専門家らしいことをしてきたかといえば、はなはだ疑問です。
クルーズ船の対応で失敗し、PCR検査数をふやさず、市中感染を拡大させてきました。

専門家会議が多少専門家らしく見えるのは、“8割おじさん”こと西浦博北大教授の感染症の数理モデルがあるからですが、西浦教授は厚生労働省のクラスター対策班に属し、専門家会議のメンバーではありません。そのため、西浦教授の主張と専門家会議の主張はつねに微妙に食い違っています。

日本の感染症の専門家は“感染症ムラ”とでもいうべきものを形成しており、テレビに出てくる専門家もほとんどがそうですから、当たり障りのないことしか言いません。(例外は岡田晴恵白鴎大教授ぐらいです)。

マスコミもほとんど感染症の専門家のことを批判しません。
最近では週刊新潮5月21日号に『「尾身茂・専門家会議」に「社会の命運」を丸投げされた日本の悲喜劇』という記事があったぐらいです。

専門家会議が聖域化すれば、間違った対策がまかり通ってしまいます。

福山議員はなにか間違ったことをしたわけではなく、批判されているのは「専門家に対する態度が失礼だ」ということです。
新型コロナによる国難のさ中に、一野党議員の礼儀について何十万ものツイートをするほど日本人は愚かな国民ではないので、なんらかの陰謀があったのは間違いありません。

オールナイトニッポン
『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』HPより

岡村隆史氏の「コロナが収束したら絶対おもしろいことあるんです。美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」という発言は、女性差別発言の中でも最悪レベルのものです。
あまりにも“闇が深い”ので、安易に批判するとこちらまで暗黒面に落ちかねません。

しかし、世の中には岡村発言を擁護する人がいました。
高須クリニックの高須克弥院長はツイッターに「攻撃がくどいよ。もうやめなよ」などと投稿しました。こういう擁護はまだ罪が軽いといえます。
問題は松本人志氏です。
松本氏はフジテレビ系『ワイドナショー』で「そこまで悪いやつじゃないやん。悪いこと言うやつがすべて悪者じゃないから、そこは許したってほしいなーって、オレは思いますね」と言いました。

「悪いこと言うやつがすべて悪者じゃない」というのは、その通りです。
問題発言をしたからといって、その人の人格攻撃をするのはよくありません。
しかし、それは一般論です。
岡村氏の発言については、人格を問題にせざるをえません。


岡村氏の発言の正確な内容を把握する必要がありますが、岡村氏の「オールナイトニッポン」での発言全文を書き起こしたサイトがあったので、そこから私なりに要約したものを示しておきます。

リスナーからの「コロナの影響で今後しばらくは風俗に行けないし、女の子とエッチなこともできないと思う」という投稿に対して、岡村氏は次のように語りました。

今おもしろくなかったとしても、コロナが収束したら、もの凄く絶対おもしろいことあるんです。
コロナ明けたら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、美人さんがお嬢やります。何故かと言うと、短時間でお金を稼がないと苦しいですから、そうなった時に今までのお仕事よりかは。
これ、僕3カ月やと思っています。3カ月の間、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働きます。で、パッとやめます。それなりの生活に戻ったら。
その3カ月は今まで『えっ?こんな子、入ってた?』っていうような人たちが絶対、入ってきますから。だから今、我慢しましょう。われわれ風俗野郎Aチームみたいなもんは、風俗に行くお金を貯めておき、そして、いろいろ仕事ない人もアレですけども、切り詰めて切り詰めて、今、歯食いしばって踏ん張りましょう。
そうしたら、コロナ明けた時に、見てみ?行ってみ?『えっ?こんな子、入ってた?マジっすか』。僕はそれを信じて今、頑張っています。

岡村氏は、現在の社会情勢を正しくとらえて、コロナ禍が明けたあとのことまで見通しています。
私などは、コロナ禍がどういう形で収束するだろうとは考えますが、収束したあとのことまではなかなか考えが及ばないので、素直に感心してしまいました。

岡村氏は、経済的に苦しい若い女性が多いので、コロナ禍が明けると風俗嬢になる人がふえると予想します。そういう人は、お金のためにやむをえずなるのですから、必要なお金を稼げばすぐに辞めるとも予想します。
その期間が3か月だというのは、正しいかどうかわかりませんが、若い女性の立場や心理を考えて予想しているのは間違いありません。


普通、男が女性差別発言をする場合、自己中心的で、女性の気持ちを考えずに、思いつきで発言するものです。
こうした発言をする男性は、要するに思慮が浅いわけですから、批判されて認識を改めることもありえます。
たとえば昔、セクハラが問題になりだしたころ、「自分の妻や娘が職場でひわいなことを言われたり、お尻を触られたりしてもいいのか」と言われることでセクハラの問題に気づいたという男性もいました。

しかし、岡村氏は経済的に苦しい女性のことを正しく理解した上で発言しています。つまり現状認識に間違いはないので、そこは批判できません。
では、なにを批判すればいいのかというと、岡村氏の人格です。
「お前は若い女性が経済的に苦しくて風俗嬢になることがそんなにうれしいのか。ゲス野郎!」ということです。

一般的に人の人格をあげつらうのはよいこととはされません。
「そう言うお前の人格はどうなのだ」という反論もありえます。
しかし、岡村氏の発言について考えると、どうしても人格批判に行き着きます。

松本人志氏は「そこまで悪いやつじゃないやん」と言って、人格を擁護しましたが、根本的な間違いです。
松本氏の人格も疑われます。



岡村氏の問題発言の1週間後、相方である矢部浩之氏が「岡村隆史のオールナイトニッポン」に出演し、公開説教みたいなことをしました。

『岡村隆史、矢部浩之が説いた「結婚」以外の方法で“変わる”にはどうするべきか』という記事に、その内容が紹介されていたので、そこから一部を紹介したいと思います。

矢部サンも、岡村サンの女性に対する意見にドン引きすることはあったらしく、こんなエピソードを挙げていました。
■矢部サンが「結婚して、うまくいくコツは何か?」と聞かれ、「ありがとうとごめんなさいを言うこと」と答えたら、岡村サンが「白旗あげたんか」と答えた。女性を敵として見ている。

矢部サンが、岡村サンに指摘したことを箇条書きにしてみます。
■岡村サンは本番中や人がいるところでしか謝らない(オフでは矢部サンに謝らない)。
■プロデューサーやマネージャーにコーヒーをいれてもらっても、「ありがとう」と言わない。
■目上の人に食事に誘われると「ぜひ行かせてください」と表では言うが、マネージャーに「仕事だったことにして」と断らせる。

岡村氏は大物芸能人になったことで、弱者や女性に配慮しない人間になったのでしょうか。

岡村氏は発言について謝罪しましたが、問題は発言ではなく人格にあるので、今後テレビで岡村氏を見ると、悪印象がつきまとう気がします。

ただ、人格といっても変わることはあります。
岡村氏は結婚願望はあるようですから、幸せな結婚をするにはどうすればいいかと真剣に考えることが変わるきっかけになるでしょう。

バンクシー
「Banksy (@banksy) • Instagram photos and videos」より

上の絵は覆面アーチストのバンクシーによる新作です。
イギリス南部のサウサンプトン総合病院に届けられ、救急病棟近くのロビーに飾られました。
バンクシーの「あなた方のご尽力に感謝します。白黒ではありますが、この作品で少しでも現場が明るくなることを願っています」というメモが添えられています。
今秋まで同病院に飾られ、その後はNHS(国民保健サービス)の資金を調達するためにオークションにかけられるということです。

マスコミは、新型コロナウイルスの感染拡大で過酷な仕事を強いられている医療従事者への感謝を表現した絵というふうに報じています。
看護師の人形のほかにバットマンやスパイダーマンの人形もあるので、「看護師はヒーローである」ということを表現しているという解釈です。

しかし、バンクシーのことですから、そんな単純なことではなく、なにかの皮肉や寓意があるはずです。

バットマンやスパイダーマンの人形が入っているカゴは、どう見てもごみ箱です。
子どもはバットマンやスパイダーマンに飽きて、ごみ箱に捨て、今は看護師人形で遊んでいますが、いずれ看護師人形にも飽きて、ごみ箱に捨てることを暗示しています。


イギリスの看護師には外国からきた非白人の人が多いそうです(たいていのヨーロッパの国はそのようですが)。
日本でも医者と看護師は差別的関係にありますが、イギリスではそこに人種差別も加わるわけです。

「note」でそのことを指摘している人がいました。

今日はフランスのニュースで、バンクシーが新しく描いた絵が病院に飾られたという話をしていました。これを見た人たちは絶賛しているんです。
この絵は白人の男の子が、今までのヒーローはカゴに捨てられているように置かれている中、黒人の看護師が新たなヒーローとして遊ばれている絵です。
皮肉すぎませんか。それを白人の病院関係者の方が絶賛している姿がものすごく違和感です。この絵を見た時に私はいろんな感情が自分の中で渦巻きました。
https://note.com/momusplay/n/nf2c1cead3a6e

バンクシーのメモに「白黒ではありますが」という言葉が入っているのは、人種問題を暗示していそうです。
つまりこの絵は、過酷な現場で奮闘する看護師をヒーローとしてたたえつつも、看護師の多くが非白人であるという差別構造を皮肉っていると解釈できます。


ただ、私はそれだけではないと思います。

まずひとつは、捨てられたバットマンやスパイダーマンは、悪と戦うヒーローだということです。
というか、ヒーローというのは悪と戦うと決まったものです。
しかし、看護師のヒーローは悪とは戦いませんし、おそらくなにとも戦いません。
そういうヒーロー像の転換ということもバンクシーは言いたかったのではないかと思います(この絵のタイトルは「ゲームチェンジャー」というようです)。


そして、いちばん肝心なのは、子どもは看護師のヒーロー人形で遊ぶことにいずれ飽きるだろうということです。

現在、多くの人が医療従事者を持ち上げ、つまりヒーロー扱いして、感謝の言葉を述べています。
本気で言っているかどうかは誰にもわかりません。

たとえば、安倍首相は5月4日の記者会見でこのように語りました。
 各地の病院で集団感染が発生している状況を大変憂慮しています。しかし、医師、看護師、看護助手、そして病院スタッフの皆さんは、そのような感染リスクと背中合わせの厳しい環境の下で、強い使命感を持って、今この瞬間も頑張ってくださっています。全ては私たちの命を救うためであります。医療従事者やその家族の皆さんへの差別など、決してあってはならない。共に心からの敬意を表したいと思います。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0504kaiken.html
「心からの敬意」という言葉で医療従事者を持ち上げていますが、本気でそう思うなら、医療従事者に特別手当を支給すればいいのです。
現に大阪府では、基金を設けて寄付を募り、吉村知事は早ければ5月中にも、府内の病院で新型コロナ感染症の入院患者の治療にあたる医師など医療従事者に一律20万円を支給する考えを表明しています。

言うのはタダですから、いい人に見られたいために、うわべだけで医療従事者をヒーローとしてほめたたえる人もいます。
そういう人は、コロナ禍が過ぎ去れば、子どもがオモチャに飽きるように、医療従事者のことなどすっかり忘れてしまうだろう――バンクシーはあの絵にそういう皮肉を込めたのだと思います。

スクリーンショット (16)
首相官邸HPより

安倍首相は5月4日、緊急事態宣言の延長を発表する記者会見を行いました。
安倍首相の両側にはプロンプターが配置されています。
安倍首相はプロンプターの読み方が上達して、しっかりと言葉をかみしめるように発声するのが板についてきましたが、聞いているとむなしくなってきます。言葉に心がないからです。

安倍首相の記者会見の動画と書き起こし文は、官邸ホームページのこちらで見られます。

「新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見」

ウイルス対策のあり方についてはこれまでも書いてきたので、今回は安倍首相の言葉づかいと、その背後にある発想に注目してみました。


安倍首相は緊急事態を1か月延長する決断をすることは「断腸の思い」だと言いましたが、私はこの言葉に違和感を覚えました。
普通は「苦渋の決断」とか「忸怩たる思い」と言うところです。

「断腸の思い」という言葉は、子猿を人間に奪われた母猿が百里余りも子猿を追いかけてきて死に、母猿の腹を裂いてみると腸がずたずたに断ち切れていたという故事に由来し、はらわたがちぎれるほどの耐え難い悲しみをいいます。
国語辞典には「駅伝のメンバーを決める時に、断腸の思いで故障がちなキャプテンを外す決断をした」という例文が載っています。

安倍首相に「断腸の思い」なんてあるのかと思いましたが、一応こういう文脈の中で使われています。

 当初予定していた1か月で緊急事態宣言を終えることができなかったことについては、国民の皆様におわび申し上げたいと思います。
 感染症の影響が長引く中で、我が国の雇用の7割を支える中小・小規模事業者の皆さんが、現在、休業などによって売上げがゼロになるような、これまでになく厳しい経営環境に置かれている。その苦しみは痛いほど分かっています。こうした中で、緊急事態を更に1か月続ける判断をしなければならなかったことは、断腸の思いです。

こういう意味なら「断腸の思い」という言葉は正しく使われています。
しかし、安倍首相は中小・小規模事業者を助けようと思えば助けられる立場です。ほんとうに「断腸の思い」がするなら、十分な補償をするはずです。
現実にはろくな補償をしていないので、「断腸の思い」という言葉にはやはり心がこもっていないということになります。

なお、安倍首相は「当初予定していた1か月で緊急事態宣言を終えることができなかったことについては、国民の皆様におわび申し上げたい」と言っていますが、なにが悪かったかを言っていません。
ここは「甘い見通しで5月6日と言ったことをおわび申し上げたい」と言うところです。
こういうことをごまかすので、「おわび」の言葉に心がこもりません。

安倍首相は「今から10日後の5月14日を目途に(中略)、地域ごとの感染者数の動向、医療提供体制のひっ迫状況などを詳細に分析いただいて、可能であると判断すれば、期間満了を待つことなく、緊急事態を解除する考えであります」と語りましたが、解除の基準を示していないことが批判されています。
「国民にとってはきびしい内容ばかりなので、少し甘いことも言っておこう」みたいなことで言ったのでしょう。
前に「5月6日まで」と言ったのと同じです。反省しないので進歩がありません。

安倍首相は、PCR検査を1日2万件可能にすると言ったのに実現できていないという問題を質疑応答で追及されましたが、ここでも「人的な目詰まりがあった」などとわけのわからない言葉でごまかして、自分の非を認めませんでした。


それから、安倍首相の言葉で気になるのが、「感謝」や「御礼」という言葉を連発するところです。
そういう部分を集めてみました。

協力してくださった全ての国民の皆様に心から感謝申し上げます。

子供たちには、長期にわたって学校が休みとなり、友達とも会えない。外で十分に遊べない。いろいろと辛抱してもらっています。心から感謝いたします。

緊急事態の下でも、スーパーや薬局で働いている皆さん、物流を支えている皆さん、介護施設や保育所の職員の方々など、社会や生活を様々な場所で支えてくださっている皆さん、そうした皆さんがいて、私たちの暮らしが成り立っています。改めて、心から感謝申し上げます。

今年は、大型連休中も不要不急の外出を避け、自宅での時間を過ごしてくださっている皆さんに、改めて、衷心より御礼を申し上げます。

例年、ゴールデンウィークには実家に帰省するなど、家族で旅行していた皆さんも多いと思いますが、今年はオンライン帰省などのお願いをしております。そうすることで皆さんの、そして愛する家族の命を守ることができます。御協力に感謝いたします。

また、国の権限強化等についてでありますが、今、言わば強制力を伴わない中におきましても、例えば夜の繁華街等についても営業しているのは1割以下の地域が多いわけでありまして、大変な御協力を頂いている。本当に感謝申し上げたいと、こう思っています。

そもそも罰則がない中でそこまでいただいている、協力を頂いていることに感謝を申し上げたいと思いますが、

国民は努力し、苦しさに耐えていますが、それは安倍首相に対してやっているわけではないので、安倍首相から感謝されてもとまどうだけです。
安倍首相は、「自分が要請したから国民は努力したり耐えたりしている」と勘違いしているようです。

勘違いは、次のようなところにも表れています。

 感染のおそれを感じながら、様々な行動制約の下での生活は緊張を強いられるものです。目に見えないウイルスに強い恐怖を感じる。これは私も皆さんと同じです。しかし、そうした不安な気持ちが、他の人への差別や、誰かを排斥しようとする行動につながることを強く恐れます。それは、ウイルスよりももっと大きな悪影響を私たちの社会に与えかねません。誰にでも感染リスクはあります。ですから、感染者やその家族に偏見を持つのではなく、どうか支え合いの気持ちを持っていただきたいと思います。

差別や偏見ではなく支え合いの気持ちを持つべき――というのは要するに道徳です。
首相が国民に対して道徳を説教しているわけです。
首相は国民よりも精神的な高みに立っていることになります。


道徳を重視するのは自民党の党是です。
自民党は一貫して道徳教育の推進を主張してきて、とうとう道徳の教科化を実現させました。
多くの国民は、「道徳を説かれるのは子どもだけで、自分が説かれるわけではない」と思って、道徳教育を容認してきました。
しかし、安倍首相は新型コロナ騒ぎに乗じて、子どもだけではなく国民に対しても道徳を説くようになったわけです。

安倍首相は国会答弁で何度も「私は立法府の長」と発言し、さらには「私は総理大臣ですから、森羅万象すべてを担当しております」と言ったこともあります。
森友学園問題や加計学園問題や桜を見る会問題などのスキャンダルを嘘と文書改ざんなどで乗り越え、新安保法制や特定秘密保護法などで支持率が落ちてもその都度回復し、そうした経験から万能感を持つにいたったのかもしれません。

ですから、新型コロナ問題も、適当に対応していればやがて解決し、支持率も回復するだろうという認識なのでしょう。
そうとでも考えなければ、こんないい加減なやり方を続けていられるわけがありません。
長期政権の弊害がきわまった感じです。

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近くの駅前広場の植え込みに、サツキの花が盛りになっています。
天気もよくて、美しい光景のはずですが、見てもあまり美しいと感じません。
緊急事態宣言で、花を見て楽しむ心の余裕がなくなっているようです。

東日本大震災のあとも似たような感じでした。
あのときは大きな余震がしょっちゅうあって、原発事故もまだ収束していないので、心がずっと緊張状態でした(私は東京在住です)。
緊急事態宣言によって、あのころに引き戻された感じです。


緊急事態宣言以降、国民は緊張状態にあるのではないでしょうか。
飲食店はアルコール提供夜7時まで、営業夜8時までということになりました。居酒屋がこんな要請を守っていては商売にならないので、要請を無視するところがけっこうあるのではないかと思ったら、ほとんどの店が8時で閉めています。
休業する飲食店も多くあります。ということは、要請以上のことをしているわけです。
営業している飲食店にも客はあまり入っていないので、国民も十分に要請に応えています。
休業しないパチンコ店が問題になるのも、ほかの業種はみな要請に応えているからでしょう。
企業も出勤者をへらし、通勤電車はかなり空いています。
地元の商店街やスーパーが混雑するという問題はありますが、緊急事態宣言は想像以上にうまくいっています。

ところが、緊急事態宣言は1か月程度延長されることになりそうです。
確かに感染者はそれほど減少していません。
今のやり方では不十分なのです。なにが不十分かということは、専門家会議が指摘しています。
『「通勤続く限り、8割減無理」 専門家会議がデータ公開』という記事にはこう書かれています。

 また、端末所有者の居住地域別では、神奈川・千葉・埼玉の3県と、東京都との間の接触頻度の減少率は昼間、35~41%と小さかった。大阪を中心とする関西圏でも同様の傾向がみられた。これは東京と大阪のオフィス街への他府県からの移動を反映しているとみられ、提言は「都心等への通勤を続ける限り、生産年齢人口の接触頻度の減少度合いは少ない」と結論した。西浦教授は会見で、「都心との通勤を続ける限りは、(強制ではなく)自粛要請のレベルでは限界があることがデータからわかった」などと述べた。

企業は通勤者をへらしていますが、まだ不十分だということです。

政府はこれまで隠してきましたが、クラスターがいちばん多く生まれている場所は企業です。
「ITmediaビジネスONLINE」4月21日の『新型コロナが複数判明した場所、企業などの「事業所」が医療施設と並び最多――クラスター源か』という記事によると、『SNSの投稿データ分析などを手掛けるJX通信社(東京・千代田)が、公的情報を元に複数人の感染事例が判明している施設の数を集計したところ、「医療施設」と並んで「事業所」が感染者数トップになった』ということです。
事業所クラスター

ですから、人との接触機会8割削減という目標を達成するには、生活インフラを維持する以外の企業活動を停止すること、つまり欧米並みのロックダウンをするしかありません。
専門家会議の指摘を受け止めると、そういうことになります。


では、政府は強力なロックダウンに踏み切るのかというと、そんなことはありません。
安倍首相は4月30日、記者団に対して「5月7日からかつての日常に戻ることは困難だ。ある程度の持久戦を覚悟しなければならない」と語りました。
どうやら今のやり方を続けるつもりのようです。
いや、西村新型コロナ担当相は、経済活動の自粛を緩和し、経済活動再開の手順を検討していることを明らかにしました。

専門家会議の目指す方向と西村大臣の目指す方向が逆で、安倍首相はどちらを目指してるのかよくわかりません。
日本は針路の定まらない船みたいなものです。

欧米並みのロックダウンをすると経済がひどい打撃を受け、かといって安易に緩和すると、北海道のように第二波に襲われます。
その中間の道を行くと、安倍首相の言う「持久戦」になりますが、これとても長くは続けられません。
完全にジレンマです。


このジレンマから脱出する道があります。
それは韓国のやり方を学ぶことです。
だいたい日本人は欧米ばかり見ているので、ロックダウンか否かという発想になってしまいます。
韓国はロックダウンせずにウイルス対策を成功させ、最近では1日の感染者が10人前後に抑えられ、4月30日には感染者ゼロを記録しました。

韓国のやり方は、「徹底した検査と徹底した隔離」というものです。
たとえば大邱市では、新興宗教団体の集会で大規模なクラスターが発生しましたが、市当局は信者約1万人全員の検査を1か月以内に終わらせ、検査件数は約10万件に達しました。最終的に市全体で7000人近い感染者が出ましたが、軽症者用の生活治療センターをつくって隔離し、今では感染は抑え込まれ、市の中心部にある西門市場は買い物客でごった返しているということです。

現時点で日本の感染者数は1万4000人程度で、100万人越えのアメリカは別にして、スペイン、イタリア、イギリスは20万人前後ですから、まだまだ少ない数字です。感染者を徹底的に明らかにするという韓国方式はまだ可能なはずです。

「人との接触機会8割削減」という目標は、市中のどこに感染者がいるかわからないという状況が前提です。感染者が特定され、隔離されれば、外出自粛など必要なくなります。


ただ、日本ではPCR検査数がきわめて少ないという問題があります。
日本はオリンピックのためやら医療崩壊を防ぐためやらでPCR検査数を抑えるという初期対応をとり、検査を受けたいのに受けられないという状況が報道されても、安倍応援団は「検査をふやすと医療崩壊が起きる」「陽性とわかっても治療法がないので意味がない」などと言い、韓国がPCR検査数をふやしてドライブスルー方式を考案したりするのをずっとバカにしてきました。

今はさすがにPCR検査数をふやすべきでないという人はいないでしょう。
安倍首相も「PCR検査体制を1日2万件に増やす」と表明しています。

ところが、安倍首相の表明にもかかわらず、PCR検査数の伸びは遅々としたものです。
4月28日時点の数字ですが、OECD36か国において、人口1000人当たり何人がPCR検査を受けたかという数字で、日本は下から2番目です。

oecd
https://www.oecd.org/coronavirus/policy-responses/testing-for-covid-19-a-way-to-lift-confinement-restrictions/

安倍首相が検査数をふやすと言ってもふえないのは、厚労省、国立感染症研究所、専門家会議などの人間が無能だからです(まさか悪質なサボタージュをしているということはないでしょう)。
そして、安倍首相や自民党は、官僚や専門家が無能なとき、なすすべを知りません。

原発事故のとき、菅直人首相は官僚や専門家が全員無能なことを知ると、どなりまくり、外部の専門家を呼んで、なんとか対処しました。
そこが安倍首相と菅首相の決定的な違いです。

安倍首相は無能の乗組員を従えた無能の船長です。
新型コロナウイルスの海を日本丸は漂うだけです。

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