「統一選、民主敗北」というのが朝刊の見出しでした。民主党が負けるのは納得ですが、そうすると自動的に自民党が勝つことになってしまい、これは納得がいきません。
自民党はなにか自己改革をしたかというと、まったくなにもやっていない。ただ民主党の敵失を攻めているだけです。これでまた自民党が政権に復帰したら、文字通り元の黙阿弥です。
 
私の人生は、物心ついてからというもの、細川政権の一時期を除けば、つねに自民党政権とともにありました。私の政治的人生は最悪でした。
自民党政権下では、国民や知識人やマスコミがどんな議論をしても、それが政策に反映されるということがまったくありません。たとえば八ツ場ダム、川辺川ダム、諫早湾干拓、それに原発もそうですが、官僚と族議員が粛々と建設を進めていきます。外交、防衛も既定路線を進んでいくだけで、たとえば冷戦が終わっても安保体制が見直されることもありません。
その点、民主党政権下では議論が政策に反映される可能性があるだけましです。たとえば、鳩山政権は普天間問題で迷走しましたが、自民党政権下では悪いまま固定されて、迷走することすらなかったのです。
 
夕刊紙は「菅即退陣が民意」という見出しをつけていました。こういう論調は多いですね。ですが、次の首相を誰にするかという案もなしに菅首相退陣をいうのはいかがなものでしょうか。なんか、見合いで断り続けて、どんどん見合い相手のレベルが落ちていくバカ女、バカ男を連想してしまいます。わが身を振り返って妥協することも必要ですし、相手を育てていく努力も必要です。
 
都知事選は石原慎太郎の勝利でした。これでまた次々とおかしな発言をしてくれるでしょうから、ブロガーとしてはネタができてうれしいような。
石原知事はディーゼル車規制と東京マラソンぐらいしかまともな政策をやってないような気がするのですが、それでも人気があります。なぜ人気があるかというと、いかにも権力者然としたところがあるからでしょう。菅首相にはそれがありません。
民衆は権力者らしい権力者を好むもののようです。そして、もっとも権力者らしい権力者といえばヒットラーでしょう。ヒットラーはドイツ民衆の圧倒的な支持を受けました。
 
私は、民主主義的な人間は、権力者らしい権力者を好まないものだと思っています。