きわめて不人気な菅総理。どうすれば人気回復ができるでしょうか。それには小泉元総理や石原都知事のやり方に学ぶ必要があります。
小泉元総理は、構造改革に対する抵抗勢力を設定し、抵抗勢力をバッシングすることで人気を得ました。石原都知事はディーゼル車排ガスやマンガ・アニメやカラスや歌舞伎町やパチンコや自販機を敵として設定し、それらをバッシングすることで人気を得ています。
エンターテインメントの映画やドラマや小説も同じです。テロリストやギャングなどの悪役を設定し、悪役をやっつけることで観客や読者の人気を得ているのです。
 
では、菅総理はどういう悪役を設定するべきでしょうか。官僚組織でしょうか。自民党でしょうか。いや、それでは漠然としすぎて、ヒールとしては魅力不足です。
私のお勧めは、原発推進勢力です。原発推進勢力こそが今日の原発事故の惨状を招いた張本人であり、国民もバッシングしたくてたまらない相手です。
 
原発を推進してきたのは、官僚組織と電力会社と自民党のタカ派政治家です。
そもそも被爆国である日本では、核武装はもちろん原子力発電に対しても抵抗感がありました。その抵抗感を「核アレルギー」と病気呼ばわりしたのが、ほかならない石原慎太郎です。「核アレルギー」とは石原慎太郎の造語なのです。
官僚組織は石原らタカ派政治家の支援をうけやすいような原発政策を推進しました。つまり、高速増殖炉などプルトニウムを多くつくれるタイプの原発をつくり、一方で人工衛星を打ち上げるロケットを開発しました。これによって日本はいつでもその気になれば大量のICBMを保有する核大国になれるというわけです。
また、今ではほとんど忘れられた原子力船「むつ」もつくりました。原子力船は商用船としては採算に合うわけがないので、次に原子力潜水艦か原子力空母をつくるつもりだったのでしょう。少なくともそういう構えでタカ派政治家の力を借りて予算を獲得したのだと思います。
そうして原発推進派は巨大な利権集団になりました。彼らは事故が起こるたびに隠蔽し、マスコミを懐柔し、原発安全神話をつくり、そして自分たちは利益を得てきました。そうした手口をあばいてバッシングすれば、国民は快哉を叫ぶでしょう。
また、つい最近、東電役員がそろって自民党に政治献金していたというニュースもありました。こんなおいしいネタを利用しないなんて、まったく信じられません。
 
菅さんは市民運動家のときから権力と戦ってきた政治家です。その戦う姿勢で人気を得てきました。ところが、自分が権力の座についてしまったため、戦う相手を見失ってしまったのでしょう。
今こそ戦う相手を設定し、戦う姿勢を見せてほしいものです。
 
 
ところで、「菅総理やめろ」と叫んでいる人たちは、どんな総理大臣を求めているのでしょうか。安倍、福田、麻生、鳩山とだめで、また菅もだめで、次こそ「当たり」の総理大臣が転がり出てくると思っているのでしょうか。
総理大臣なんて有権者が育てていくものです。その点、権力の椅子に座り慣れていない菅総理ほど育てがいのある総理はいません。「菅総理育成シミュレーションゲーム」だと思って育てていきましょう。