おとなはみな大なり小なり変態であるというのが私の考えです。人間は、生まれたときは正常ですが、成長する過程で、しつけや教育やその他さまざまな力が加えられ、ゆがんでいきます。性的嗜好のゆがみがいわゆる変態性欲です。
もっとも、フロイトは変態についてまったく逆の考え方をしています。人間の赤ん坊は多形倒錯といって、あらゆる変態性を持っていて、それがしつけや教育によって型をはめられ、正常化するという説です。これは反論する気にもならないほどバカバカしい説です(チンパンジーや犬の赤ん坊も多形倒錯なのでしょうか)
 
女性に聞いてみると、干していた下着を盗まれたとか、露出狂に会ったとかいう人が驚くほどたくさんいて、変態の多さを実感させられます。もしかして、1人の下着フェチが何百枚も盗み、1人の露出狂が数百人の女性に見せているということも考えられますが。
人が変態になるのは幼児期に原因があり、しかも本人はそのことを認識できていない場合がほとんどですから、変態を治療するのはきわめて困難です。ほとんど不可能といっていいかもしれません。
ですから、世の中は変態を受け入れるしかありません。変態を迫害して、変態がストレスをためたり、欲望をためたりすると、かえってよくない結果を招きます。
そもそも、たいていの変態は無害です。SM趣味の人がお互いに楽しんでいるのはもちろん問題ありませんし、ロリコンも二次元で楽しんでいる限り問題ありません。
 
ただ、ロリコンが学校教師になると問題かもしれません。猫にマタタビというか、羊の群れに狼というか、現実にロリコン教師の犯罪はしばしば新聞紙上をにぎわせます。
そこで、私の考えですが、教員採用試験のときに、性的嗜好も検査することにすればいいのです。たとえばいろいろな画像を見せて、脳の反応を調べれば、どんな画像に興奮したかがわかるはずです。
 
こんなことをいうと、性的嗜好は個人の秘密で、そんなことを調べるのは許されないという反論があるでしょう。確かに今の世の中では許されません。なぜ許されないのかというと、変態が差別され、迫害される社会だからです。そんな社会で変態性を調査すると、差別・迫害を助長することになってしまいます。
しかし、私はそもそも変態を差別するのはよくないと主張しているのです。この主張が社会に広く認められ、変態を世の中にさらしても普通に生きていける社会になっていれば、変態性の調査はなんの問題もありません。たとえば、視力が弱くてはパイロットになれないように、「君は小さい子どもの裸に反応したから、教師はむりだよ」と普通にいえるはずです。
 
ということは、どういうことかわかるでしょうか。ロリコンなど変態を差別する社会だから、ロリコンの犯罪が防ぎにくくなっているのです。ロリコンを差別・迫害する人たちは、自分たちは子どもを守ろうとしているのだと思っているのでしょうが、実際は逆の結果を招いているのです。
 
こんなことになるのは、現在の倫理学や道徳観が根本的に間違っているからです。私はこれを天動説的倫理学と呼んで、地動説的つまり科学的倫理学への転換を主張しています。
 
教師の役割はひじょう重要です。なぜなら子どもはまだ変態になっていない存在だからです。
これまでの教師は、自分の変態を棚に上げて子どもを教育してきたので、結果的に変態の拡大再生産をしてきました。
これからの教師は、学校では自分の変態性を記した教員証を必ず胸につけることにすればいいと思います。そうすれば、変態が変態でない子どもを教育することのバカバカしさに気づき、謙虚な気持ちで子どもと接することができるようになるでしょう。