島田紳助さんの引退に関して朝日新聞が「どう見てもアウトだ」というタイトルで社説を書いていましたが(8月25日朝刊)、なんともひどいものです。完全に思考停止状態というか、パブロフの犬状態というか、「暴力団」という言葉に反射的に反応しているだけです。
「アウトだ」というとき、その基準は誰が決めたのでしょう。朝日新聞でしょうか。警察でしょうか。
一部を引用します。
 
 
芸能界と暴力団とのつながりは、深くて、広い。山口組が昭和の時代、浪曲の興行に進出したのが始まりとされる。
 芸能の主舞台がテレビに移っても、タニマチになったり、争いごとに介入したりと、いろんな場面で見え隠れしてきた。多少のヤンチャは芸の肥やし、とみる向きもあった。
 だが、もはやそんな時代ではないことは、誰でもわかっているはずだ。
 暴力団対策法が施行されてから、すでに19年。けれど構成員・準構成員の数は8万人前後で、大きな変化はない。かたぎを装う「共生者」とともに市民生活や企業活動に巧みに入り込み、稼ぎ続けているのだ。
 そこで、ここ数年、暴力団に利益を与えた側を罰する条例があちこちにでき、各業界は暴力団排除の約款作りに乗り出している。大相撲も野球賭博事件を機に、関係断絶を迫られた。
 暴力団に対して、より厳しい態度で臨もうという意識が社会全体に強まっている。それだけに、この一件は看過できない。
 
さすがに朝日新聞は現状を正しくとらえています。
「暴力団対策法が施行されてから、すでに19年。けれど構成員・準構成員の数は8万人前後で、大きな変化はない」
まさにその通りです。警察の暴力団対策はなんの結果も出していないのです。
いったいなんのために暴力団対策法をつくったのでしょう。暴力団対策法をつくってから、警察はなにをしていたのでしょう。
これは明らかに警察の怠慢か失敗です。朝日新聞はなぜこれを追及しないのでしょう。
これに比べたら、島田紳助さんのことなどあまりにも小さいことです。
これまで警察は暴力団対策でなにをやってきて、どれだけ経費をかけて、その成果はどんなものであったかをきっちりと検証しないといけません。
もちろん成果といえるものはなにもないはずです。
現在、地方自治体で暴力団排除条例の制定が進められていますが、それによっていかなる効果があるのかも示されていません。
つまり、警察がやっている暴力団対策はまったくのデタラメで、時間と経費のむだなのです。
ところが、朝日新聞に限らずマスコミは警察を追及せず、逆に島田紳助さんや大相撲などを悪者に仕立て上げようとしています。
 
ヤクザを暴力団と名づけて排除することは、戦後警察が始めたことです。
官僚の常として、自分の間違いを認めようとしません。一度始めたことは、明らかに間違いとわかっても、なかなかやめません。支那事変を始めた軍部は、戦いに勝てないことが明らかになっても、戦いをやめることができず、太平洋戦争にまで突っ走ってしまいました。今、警察がやっている暴力団対策も同じようなものです。
 
ヤクザというのは、確かに近代社会では奇妙な存在です。しかし、それは大相撲が奇妙な存在であるのと同じようなものです。大相撲を排除せず、これまで共存してきたのですから、ヤクザと共存できない理屈はありません。
ヤクザを排除するという作戦がうまくいけばそれでよかったかもしれませんが、今はうまくいかないことが誰の目にも明らかになっています。
新聞記者は警察庁の記者会見などで、「暴力団対策はいつ成功するのですか」と声を上げてください。
もし警察が暴力団対策に成功していれば、島田紳助さんも芸能界を引退する事態にはならなかったのですから。