101日をもって暴力団排除条例が全国で施行されました。なんとも奇妙な条例で、人権無視、憲法違反の疑いが濃厚です。しかし、マスコミはぜんぜん批判的ことを書きません。まったくなさけないことです。
と思っていたら、産経新聞が山口組組長へのロングインタビューを掲載しました。暴力団の言い分がメディアにまとまった形で出るのはめったにないことでしょう。産経新聞、あんたは偉い、と言いたいところです。
本来なら、人権尊重とか差別反対とかを主張する進歩的なメディア、たとえば朝日新聞こそがこうしたことをしなければならないはずです。しかし、朝日新聞の記者は学歴社会の勝ち組で、エリート意識という点で警察のキャリア官僚と共通しており、暴力団など社会のダニといった意識なのでしょう。産経新聞の記者は、負け組というほどではありませんが、あまりエリート意識がないので、暴力団への差別意識も少ないのではないかと思われます。
 
ともかく、暴力団対策を立てるためにも、暴力団の言い分を聞くのはたいせつなことです。
産経新聞のインタビューの中でとくに重要と思われるところを引用します。
 
 
山口組を今、解散すれば、うんと治安は悪くなるだろう。なぜかというと、一握りの幹部はある程度蓄えもあるし、生活を案じなくてもいいだろうが、3万、4万人といわれている組員、さらに50万人から60万人になるその家族や親戚はどうなるのか目に見えている。若い者は路頭に迷い、結局は他の組に身を寄せるか、ギャングになるしかない。それでは解散する意味がない。ちりやほこりは風が吹けば隅に集まるのと一緒で、必ずどんな世界でも落後者というと語弊があるが、落ちこぼれ、世間になじめない人間もいる。われわれの組織はそういう人のよりどころになっている。しかし、うちの枠を外れると規律がなく、処罰もされないから自由にやる。そうしたら何をするかというと、すぐに金になることに走る。強盗や窃盗といった粗悪犯が増える。
 
 
これは重要な指摘です。果たして警察は暴力団を排除した結果を考えているのでしょうか。暴力団がなくなると、きれいな社会が実現するなんていうことはありません。多数の元暴力団員が一般社会に溶け込むことになるのです。
自分の意志で暴力団を抜けた者なら、みずから一般社会に溶け込もうと努力するでしょう。しかし、暴対法や暴排条例や警察の圧力のために組が解散し(たぶんそうはならないでしょうが)、自分の意志でなく暴力団員でなくなった者はどうするでしょうか。
元暴力団員を全員生活保護で丸抱えするというわけにもいかないので、働ける者には働いてもらわねばなりません。となると、たとえばあなたの会社にも元暴力団員が入社してくることになります。
暴力団員というのは、なにもしなくても、切ったはったの世界で生き抜いてきたすごみがあります。そのすごみこそが武器だともいえます。暴力団をやめても、人間のあり方は変わらないでしょう。そんな人間が会社の同僚や部下になるわけです。歓迎する人がいるでしょうか。
 
警察の暴力団対策は根本的に間違っているといわざるをえません。暴力団員は暴力団員のままでいてくれたほうが、一般社会で暮らすわれわれも安心していられるのです。