このところ週刊誌をにぎわしているのは「黒い交際」です。見出しから少し名前を拾っただけでも古関美保、TUBE前田亘輝、沢尻エリカ、松方弘樹、和田アキ子、中居正広など。「黒い交際」なんていう言葉を使うと、もうそれだけでいけないことのようです。しかし、人と人がつきあって悪いはずがありません。悪いのは、暴力団が犯罪をするのを助長するようなつきあい方です。
 
「黒い交際」がいけないというのは、カタギがヤクザとつきあうと、カタギが黒く染まってしまうからということでしょう。しかし、これは負け犬の発想です。こんな考え方で暴力団排除ができるはずありません。
むしろカタギはどんどんヤクザとつきあって、ヤクザをカタギの世界に引き込んでいくという発想でなければ、暴力団をなくすことはできません。
カタギがヤクザと友だちになって、「お前、そんなヤクザな稼業はやめて、まともな仕事をしないか。俺が働き口を紹介してやるよ」とか「俺の会社で働かないか」とか言うようになると、暴力団は消滅していくと思われます。
公共広告機構で「あいさつするたび友だちふえるね」というCMがありましたが、あいさつの対象をヤクザにして、「あいさつするたびヤクザがへるね」というCMもつくってほしいものです。
 
もっとも、現実にはこんなことはないでしょう。カタギというのはだいたいが小心者で、自分さえよければと思って生きているわけですから、ヤクザと対等の口を利くこともむずかしいわけです。
ヤクザというのは、修羅場を何度もくぐり抜けてきて、きびしい組織の掟にも従って生きています。鍛え方がカタギとはぜんぜん違うのです。ですから、たくさんのヤクザ映画がつくられてきたことを見てもわかる通り、昔からカタギはヤクザの生き方に憧れてきました。そして、ヤクザとつきあうことはむしろ自分のステータスを上げることでもあるのです。
警察はカタギの力を使って暴力団排除をしようと思っているようですが、それはそもそもむりな話です。
 
1013日の「朝日新聞」夕刊に、警察庁は暴対法の改正を目指しているという記事が出ていましたが、その解説記事では、「暴対法は施行から19年が経ち、これまでに4回改正したが、暴力団勢力はさほど減っていない」とあります。つまり暴力団対策は完全に失敗しているのです。そして、失敗の理由もちゃんと書いてあります。
「暴対法は、構成員の暴力団からの離脱と就職の支援もするとしているが順調ではない。毎年600人前後が離脱するのに、就職できた人は減少傾向で昨年は7人だった」
 
離脱しても食べていけないのなら、離脱するわけがありません。警察は就職支援のほうにむしろ力を入れるべきです。
そして、私はいいことを思いつきました。ほんとうは警察は自分たちの天下りの指定席を全部離脱者に譲ってやれと言いたいところですが、警察はそんことはしないでしょう。もうちょっと現実的な方法があります。
今、駐車違反の取り締まりは民間委託されていますが、この駐車監視員に離脱者を雇えばいいのです。警察が委託する民間業者を指導すれば簡単にできます。
 
そして、これが警察とヤクザの本来の姿なのです。江戸時代、町奉行所は博徒や的屋を目明し、岡っ引きとして使っていたのですから。