アメリカで男性判事が16歳娘をベルトで打つという、一見変態心をくすぐるニュースがありました。アメリカではけっこう話題になっているようです。といっても、変態ニュースとしてではありません。これはもしかして世の中の流れを変えるかもしれない事件です。
 
 
男性判事、泣き叫ぶ16歳娘をベルトで打つ 米、動画投稿で警察捜査
 2011.11.4 08:00 [米国]
 
米テキサス州の男性判事(51)が娘をベルトで繰り返し打ちつけるビデオが動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載され、地元警察は3日までに虐待に当たるかなどについて捜査を始めた。
  米メディアが大きく報道、ビデオは既に250万回近く再生されるなど大きな反響を呼んでいる。判事は一時休職を命じられた。
  ビデオには、判事が2004年に「パソコンにゲームをダウンロードした」罰として、当時16歳だった娘の脚などを20回近くベルトで打ち、娘が「やめて」と泣き叫ぶ様子が写っている。娘が前もってビデオカメラを設置して隠し撮りし、父親は「司法界で働くには不適格」とのメッセージを付けたビデオを今年10月に投稿した。
  判事は地元テレビに「盗みをはたらいた娘へのしつけで、悪いことはしていない」と反論している。(共同)
 
 
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こちらはアメリカのニュース動画。
 
 
このニュースで注目するべきなのは、もちろんひとつは判事が主人公だということですが、もうひとつは、家庭内の過去の事件は普通は証言に頼るしかないのに、この場合は動画という証拠があることです。
 
幼児虐待はもちろんアメリカでも大きな問題ですが、アメリカは訴訟社会ですから、虐待の問題が法廷に持ち込まれることがあります。とくに1990年代、子ども時代に親に虐待されたとして自分の親を訴える訴訟が続出しました。それに対して、虐待されたという記憶はセラピストによってねつ造されたものだという反論が行われ、結局この反論が勝利して、自分が虐待されたという問題を法廷に持ち込むことはなくなってしまったようです。
なにしろ昔のことで、しかも家庭内のことですから、虐待があったという証拠がありません。証拠がなくては、結局親に都合のよい判決になってしまうわけです。
 
しかし、今回の事件は違います。ビデオテープという動かぬ証拠があるのです。
アメリカでは白人警官が黒人に暴行を加えるという事件がしばしば大きな問題になりますが、大きな問題になるのは、ほとんどつねに証拠のビデオテープがある場合です。白人警官が黒人に暴行を働くという事件はおそらく相当数あるに違いありませんが、証拠がないと、白人警官に都合のよいことになってしまいます。
 
今回の事件は多くの人に教訓を与えたに違いありません。
今、親から虐待されている子は、将来訴訟をするために隠し撮りをしておけばよいのです。
小さい子どもではむりですが、10歳ぐらいになれば可能でしょう。とくに有効なのは、親から性的虐待を受けている場合です。これは周りの人間に訴えるということがなかなかできません。しかし、成人してからなら訴えることができますし、性的虐待の場合はとくに巨額の賠償金と慰謝料が期待できます。
 
法廷で幼児虐待が裁かれ、親が敗訴するということが頻発すると、世の中の認識が変わり、幼児虐待が減少することが期待できます。
幼児虐待は人類にとって最大の問題といっても過言ではありません。幼児虐待がなくなれば、戦争やテロや犯罪などほとんどの問題がなくなると私は考えています。
 
ところで、この事件について、娘が悪いことをしたのだから父親が体罰をしたのは正当だと考える人もいるかもしれません。そういう人は、自分も子ども時代に体罰を受けたトラウマを持っている人です。自分の過去を振り返り、トラウマから脱却するようにしてください。