安田好弘弁護士といえば、光市母子殺人事件の被告である元少年やオウム真理教の松本智津夫の主任弁護人を務めるなどした有名な人権派弁護士です。それが突然逮捕され、起訴されるということがありました。その事件が最高裁で最終的に有罪になったというニュースです。
安田弁護士はこのようなコメントを出しています。
 
安田弁護士「私は無実」 強制執行妨害ほう助罪確定でコメント
「日本経済新聞」2011/12/9 11:35
  強制執行妨害ほう助罪で罰金50万円の有罪が確定する弁護士、安田好弘被告(64)は9日までに「私は無実です」とのコメントを公表した。「いかなる法律にも違反していない。上告を棄却した(最高裁の)多数意見は明らかに事実を見誤っている。検察のメンツを立てつつ、弁護士資格も失われない罰金刑で一件落着という壮大な妥協判決だ」と批判した。
 
 
私に有罪・無罪を判断する能力はありませんが、有名弁護士を逮捕し、約10カ月間も勾留した挙句、最高裁までいって罰金50万円では、検察はむりやり逮捕・起訴したといわれてもしかたないでしょう。
 
それにしても検察はなぜ人権派弁護士を攻撃するのでしょうか。
人権派弁護士への攻撃といえば、坂本堤弁護士一家を殺害したオウム真理教を思い出します。
オウム真理教は内部に大蔵省、外務省、文部省などをつくって、国家と同じ組織体制にしていました。もちろんこれはニセ国家です。
安田弁護士を攻撃した検察はもちろん本物の国家の組織です。
しかし、手口は違うとはいえ、やっていることの方向性は同じです。
 
検察の考えていることには、どこか根本的な間違いがあると思えてなりません。
小沢一郎、堀江貴文、村上世彰(元村上ファンド代表)、鈴木宗男、佐藤栄佐久(前福島県知事)などの人々がいわゆる国策捜査の槍玉にあげられてきました。個々の事件がどれだけ犯罪性があったのかよくわかりませんが、これらの人の逮捕・起訴によって日本の活力がそがれてしまったのは間違いありません。
とりわけ堀江貴文氏の逮捕・起訴によって、若い世代にオピニオンリーダーといわれる人が出なくなってしまいました。
 
安田弁護士は死刑廃止派です。検察はそれが気に入らないのでしょう。司法官僚たちは日本を死刑大国にしたいのです。
しかし、これは明らかに間違った方向です。日本は治安がよく、安全な国です。これは世界に誇るべきことです(食の安全も誇るべきことだったのですが、原発事故でそれはできなくなりました)
しかし、死刑大国になってしまえば、日本は犯罪の少ない安全な国であると世界にアピールすることができません。死刑大国になると、アメリカや中国のような犯罪大国だと思われてしまいます。
 
マスコミも明らかに検察に追随して、死刑賛成の立場に立っています。
検察による安田弁護士の逮捕・起訴は、オウムによる坂本弁護士の拉致・殺害と同じではないかと、骨のある検察批判を展開するマスコミが出てきてほしいものです。