当時30歳すぎの人気男性ミュージシャンの悩みを聞いて、世の中にはそういう悩みもあるのかと感心した覚えがあります。そのミュージシャンは、政治に関心がなくて困っているというのです。これではいけないと新聞などを読むのですが、政治のことというのは過去の積み重ねで成り立っているので、今のニュースを読んでもわからないそうです。確かに普天間基地問題などは、長い歴史がありますから、それを知らないとわけがわからないでしょう。
そのミュージシャンは作詞作曲もする人ですから、政治についても理解しないといけないと思ったのでしょう。一般の人とは事情が違います。
一般の人で政治に関心がないという人は、悩むこともなく生きています。むしろ政治に関心のある人よりも幸せに生きていると思います。
 
私は中学生のころから新聞を隅々まで読むようになり、政治にも関心がありました。しかし、政治に関心があってよかったかというと、あまりそんな気もしません。政治に関心がないと人にバカにされる恐れがありますから、そういう事態を回避できたことくらいでしょうか。
ちなみに長年新聞を読んでよかったと思うのは、科学欄と家庭欄です。ここで得た知識は蓄積されていきます。政治面と社会面とスポーツ面は、いくら読んでも同じようなことが繰り返されているだけで、果たして時間をかけて読んできた意味があるのか疑問です。
 
そういうことを考えるようになってきて、今では政治に冷静に対することができるようになりました。
昔は左翼でしたから、当然右翼的なものには反対です。反対というのはネガティブな感情ですから、そういう感情を持つだけで不幸です。ずっと自民党政権下で生きてきましたから、ずっと不幸でした。
これは右翼の人も同じでしょう。左翼や中国や韓国に対してネガティブな感情を抱き、その感情に振り回されているわけです。
早くそういう状態から脱出してほしいものです。
 
今、私は自分の政治的立場を、
右でも左でも中道でもない「上」
と称しています。
 
「上」という立場になれば、右翼だ左翼だ、ウヨだサヨだとやり合っている人々を冷静に見ることができますし、なにか政治的な主張をするときも冷静に、論理的にできますから、論争に巻き込まれることもありません。
 
では、どうすれば右や左を脱して「上」という立場に立てるのでしょうか。
それは、自分の親子関係を分析することです。親子関係というのは権力的な関係ですから、親に対するネガティブな感情があり、かつそれを自覚できないでいると、そのネガティブな感情が政治の世界に出てくるわけです。
 
このブログでは政治のこともよく書きますが、親子関係のこともそれと同じくらい書いていると思います。私の中ではこのふたつは同じようなものなのです。
 
もし世界中の人々が自分自身の親子関係の問題を自覚することができれば、世界中の政治的な対立はなくなり、世界は平和になるはずです。