非婚化、晩婚化の流れが止まりません。この理由はいろいろありますが、そのひとつに正しい自己評価ができない人がふえているという問題があると思います。
 
人間はさまざまな経験を積む中で、自分はこの程度の人間だという自己評価を確立していきます。正しい自己評価を確立して、その自己評価に見合った異性を選択すると、確率的にいちばんうまくいくことになります。
 
もっとも、なかなかそうはいきません。私は中学高校のころ、決まってクラスでいちばんきれいな女の子に惚れていましたが、自分がクラスでいちばんいい男であるとはとうてい思えません。これでは年中片想いで、相思相愛になれないのではないかと思っていました。
今の男の子でいえば、グラビアアイドルみたいな子とつきあいたいと思っているような状態でしょうか。
しかし、これは誰にでもあることで、たいした問題ではないと思います。多少身の程知らずの願望を持って、背伸びすることで自分を高めるということもあるからです。正しい自己評価があれば、そのうち現実的な相手を探すようになるでしょう。
 
問題は正しい自己評価ができていない場合です。
たいした人間ではないのに、自分はたいした人間だと思い込んでいる、つまり自信過剰な人間がそのひとつです。しかし、そうした人間はめったにいません。ときどきいるのは、はったりをきかしている人間や、劣等感の裏返しで偉そうにしている人間です。
 
ほとんどの人間は、実際の自分よりも低い自己評価を持っています。劣等感を持っていると言い換えてもかまいません。
そのため、自分と釣り合った相手ともつきあえないということになってしまいます。これが非婚化、晩婚化の原因のひとつになっていると思うのです。
 
むりしてつきあおうとすると、精神的な負担を感じて疲れてしまいます。こうした男が草食男子といわれているのではないかと思います。
もちろん草食女子もいるわけですが、だいたい男女のつきあいは男からアクションを起こすことになっているので、男子の負担のほうが大きいわけです。
 
もっとも、昔は男尊女卑というか、男が女を見下す価値観があったので、男子の負担はそれほど表面化することがありませんでした。たとえば「女なんて男が強引に迫れば落ちるものさ」といったことを年長者から教えられ、そんなものかと思い込むことで、自己評価の低い男でも行動を起こしやすかったわけです。
しかし、時代が変わり、「女なんてこういうものだ」的な価値観は根こそぎにされてしまいました。そのため、自己評価の低い男の問題が表面化してきたのです。
 
では、どうして自己評価の低い人間が多くいるのでしょうか。それは教育に原因があります。
 
親や教師は、扱いやすい子どもを望みます。そのため自信のない子どものほうが都合がいいわけです。
また、子どもに勉強させようとするとき、勉強すればバラ色の未来があると教えるよりも、勉強しないと社会から落ちこぼれるといって脅すほうが効果的です。あらゆる感情の中で恐怖の感情がいちばん強いからです。
そうして勉強しても、希望通りの学校に行けるのは少数で、多数は不本意な学校に進学します(つまり不当に高い目標を設定されていたわけです)。そのため劣等感を持ってしまいます。また、希望通りの学校に行けた子どもでも、自分の価値は学歴だと思い、人間としての自信を持つことはできません。
 
現在、親は子どもに対する教育にますます熱心になり、そのためますます子どもが劣等感を持ってしまっています。
その結果、非婚化、晩婚化が進んでいるというわけです。
 
ですから、非婚化、晩婚化を解決するには教育から変えなければならないと思います。
 
また、現在異性とつきあうのに困難を感じている人は、自分は自己評価が低すぎるのではないかと疑ってみる必要がありますし、さらには、自分が受けてきた教育をひとつひとつ見直してみる必要があると思います。