尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が4月13日の日本テレビの「アナザースカイ」に出演し、オランダの小学校を視察したときのことを紹介しておられました。
オランダの教育のキーワードは「個別教育」です。オランダの小学校には時間割がありません。学年もありません。11人が別々のことをしているからです。なにをするかは子どもが選びます。
 
入学も日本のように4月に一斉にというのではありません。義務教育は5歳からで、5歳の誕生日の次の月から登校すると決まっていますが、実際は4歳から学校に通うことができます。つまり入学がバラバラなので、そもそも一斉の授業というのは不可能です。
 
オランダでは、子どもを200人集めることができれば学校が自由に設立できます。ですから、学校によって教育方針や教育内容がぜんぜん違います。100の学校があれば100の教育が行われているということです。
日本の場合は、学習指導要領によってこと細かく規定されていますから、実はどの学校を選んでも中身は同じです。ですから、中高一貫か中高別かぐらいしか選択の余地がありません。先生のレベルもほとんど同じですから、日本の学校の違いは、実際は生徒の違いによって決まります。
 
オランダの教育は日本とあまりにも違いすぎて、とても参考にならないと考える人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。私は、オランダの教育はむしろ日本の伝統的な教育のやり方、つまり寺子屋と同じだと思いました。
寺子屋は、入学の時期はバラバラですし、1人1人教材が違うので、まさに「個別教育」が行われていたのです。
寺子屋については次のエントリーでも書きました。
 
「呉智英につける薬その2」
 
一斉教育、つまり子どもがみな同じ姿勢で先生のほうを向いて話を聞くというのは、ただ教える側にとって効率がよいだけで、子どもの生理に反します。また、4月に一斉入学というのも、6歳になったばかりの子とすでに7歳になった子を同じに扱うわけで、これも教える側の都合だけでやっているわけです。
近代学校というのは、兵隊と単純労働の労働者を効率よくつくるためのものです(少数の優秀な者だけがエリートになります)。
 
寺子屋というと、子どもは先生の前で正座して背筋を伸ばし、「論語」などを素読しているようなイメージを持たれるかもしれませんが、これはまったくの誤解です。子どもはそれぞれ好きな格好をして、半分遊びながら勉強していたのです。
寺子屋はあくまで読み書き算盤を教えるところで、行儀などは教えません。
「寺子屋」で画像検索して、いくつかの絵を貼っておきます。
 
 
 
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寺子屋は民間で個々につくられていたので、寺子屋についての記録というのはひじょうに少ないのです。しかし、寺子屋の師匠が亡くなると、教え子たちがお金を出し合ってお墓をつくることがよくありました。これを筆子塚といいます。寺子屋の研究者は全国の筆子塚を調べて、寺子屋が普及していく過程や寺子屋の数を研究しました。
教え子が師匠のお墓をつくるということから、師匠と教え子の関係が推測できます。今の学校にそうした関係があるでしょうか。
 
江戸時代後期の日本は、寺子屋のおかげで世界でもトップクラスの識字率であったといいます。
今の日本では、学習塾が寺子屋の伝統を継いでいると思います。学習塾では「個別指導」が行われていることが多いですし、学力をつけるには学校よりも学習塾のほうが明らかに優れているでしょう。
 
私は、今の画一的な学校はなくして、学習塾を学校に格上げすれば、今よりもうんといい教育ができるのではないかと考えています。