オリンピックが終わりました。私は今回のオリンピックは今までよりも楽しかった気がしました。
日本の金メダル数は7個でしたが、メダル総数は38個で、これは史上最高だということです。
しかし、今回よかったと思うのは、日本人がみんなあまりメダルにこだわらなかったことです。選手にプレッシャーをかけることもあまりなかったし、金でなく銀や銅でも、みんなそれなりに喜んでいたと思います。蓮舫さんの「2位じゃだめなんですか」がここにきて効いてきたのでしょうか()
メダルの期待が大きかった平泳ぎの北島康介選手は個人でメダルを取ることができませんでした。普通こういう場合、マスコミは冷たい扱いをし、選手も肩身の狭い思いで帰国するものですが、今回はメドレーリレーのほかの選手が「北島さんを手ぶらで帰国させるわけにはいかない」とがんばったという“美談”がつくられ、北島選手がメドレーリレーの銀メダルを獲得したことのほうがクローズアップされました。
こうしたこともあって、全体としてひじょうにポジティブな印象の残るオリンピックだったのではないかと思います。
 
その中にあって、ネガティブな印象の残る出来事もあって、それがいずれも韓国がらみでした。
ひとつは、銅メダルをとった女子アーチェリー団体主将の早川漣選手は、2009年に韓国から日本に帰化した選手ですが、日本のインターネットの掲示板に批判の書き込みがあるのを見て、落ち込んだということです。
もうひとつは、男子サッカー3位決定戦となった日韓戦の試合終了後、韓国の選手が竹島の領有権を主張する紙を掲げ、これが政治的宣伝を禁止したオリンピック憲章に反するのではないかと問題になったことです。
それから、オリンピックには直接関係はないのですが、オリンピック期間中の8月10日、韓国の李明博大統領が竹島に上陸するということもありました。
 
とはいえ、こうしたことに関心を持って反応する人というのはそんなに多くはないでしょう。早川選手に対する批判というのは、どういう論理になっているのかよくわかりません。韓国から批判されるというのならまだわかりますが(現に韓国では批判されているそうです)。また、韓国のサッカー選手が竹島領有権を主張したというのも、オリンピック憲章に反するのならIOCが対応するべきことで、日本人が騒いでも意味のないことです。
 
とはいえ、ネットの中では、韓国けしからんという声が目立つ傾向にあります。つまり嫌韓の人が多いようなのです。
「SAPIO」8月29日号は「ネトウヨ亡国論」を特集していて、その中にネトウヨの実態は愛国や右翼というよりも嫌韓嫌中で、それも嫌中は少なく、嫌韓が圧倒的だということが書かれていました。
 
では、「嫌韓」とはなんでしょうか。今回はこれについて考えてみたいと思います。
 
韓国が嫌いというのは、好き嫌いの問題ですから、よいも悪いもありません。ピーマンが嫌いというのと同じです。
しかし、嫌いなものが多い人よりは、好きなものが多い人のほうが幸せです。野菜が嫌い、魚が嫌いと言っている人よりは、なんでもおいしく食べる人のほうが幸せですし、周りの人の悪口ばっかり言っている人間嫌いの人よりも、誰とでも仲良くして友だちがいっぱいいる人のほうが幸せです。
 
ですから、ネットで嫌韓の書き込みをしている若い男よりは、韓流スターを追っかけているおばさんのほうが幸せです。
つまり、嫌いというのはネガティブな感情で、好きというのはポジティブな感情ですから、ポジティブな感情の多いほうが幸せなのは当たり前のことです。
 
ところが、嫌韓の人は、自分がそんなにネガティブな人間だという自覚はありません。なぜなら自分は愛国者だと思っているからです。
 
しかし、考えてみればわかることですが、韓国が嫌いなことと、日本が好きなことは別です。嫌韓だから愛国という理屈はありません。
むしろ韓国と日本は似た国です。世界で日本にいちばん似た国はどこかといえば韓国です(嫌韓の人は認めたくないでしょうが)。
となると、韓国が嫌いで日本が好きというのは理屈に合いません。嫌韓の人は嫌日の人である可能性のほうが大きいと思われます。
 
現に、ネトウヨは日本は在日によって支配されていると考えています。民主党政権は在日に裏支配されている売国政権で、フジテレビや電通なども在日に支配されて世論を動かし、教育界は在日と日教組によって支配されているというわけです。
当然、在日に支配されている日本を愛することはできないはずです。彼らが愛するのは「在日の闇支配を脱した真の日本」なのですが、それはあくまで想像上の産物です。
 
ちなみに、韓流好きのおばさんは日本が嫌いなはずはありません。韓流のイケメンのほうが日本のイケメンよりも好きなのでしょうが、それはあくまで比較の問題で、イケメンはみんな好きなはずです。
 
韓国が嫌いで、在日に闇支配された日本が嫌いなネトウヨの心にはネガティな感情が満ちています。だから、オリンピックでの日本選手の活躍で日本中がポジティブな空気に満ちているときにこそ、韓国ネタに反応してネガティブな感情を表出してしまうのです。
 
韓国が世界でいちばん日本に似た国であることを思えば、「嫌韓の愛国者」というのが存在しがたいことがわかるでしょう。
むしろ「嫌韓は隠れ日本嫌い」と考えると、嫌韓の人たちの言動がよく理解できると思います。