陰謀論というのはおもしろいものですが、私は実名でブログをやっているので、そんなことを書くわけにはいきません――と思っていたのですが、考えてみれば、陰謀論と断った上で書けばいいわけです。
というわけで、これから私が書くことを信じるか信じないかはあなた次第です。
 
 
大津市イジメ事件が世間の注目を集めたのは、自殺少年が「自殺の練習」をさせられていたという報道があったからでしょう。私もこれにショックを受けて、ブログで取り上げようかと新聞記事を詳しく読んでみたら、「自殺の練習」というのはアンケートに書かれていたことで、しかも伝聞であることがわかったので、書くのは控えました。
しかし、その後もマスコミはイジメの“実態”を次々と報じましたが、そのほとんどはアンケートに書かれていた不確かなものか伝聞の証言です(目撃証言もありましたが、目撃者が匿名の中学生ですから、報道の信ぴょう性がイマイチありません)
マスコミがこんな不確かなことを大々的に報道するのは実に不可解です。私はそこになにか巨大な闇の力が働いていることを感じざるをえませんでした。
 
「自殺の練習」についてはその後、目撃したという女子中学生のいたことが新聞で報じられました。やはり「自殺の練習」はあったのかと思っていたら、今になってこんな報道がありました。
 
「自殺練習」有力目撃なし 大津いじめ、県警聞き取り 
 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、生徒が同級生から受けたとされるいじめのうち、「自殺の練習」の強要について、滋賀県警が在校生に聞き取りを行った結果、有力な目撃証言がなかったことが1日、捜査関係者への取材で分かった。県警は同日からいじめていたとされる同級生への事情聴取を開始し、こうしたいじめとの関連が不明瞭な複数の行為について事実の有無を最終確認する方針。
 県警は1日、生徒をいじめていたとされる同級生3人のうち2人から事情聴取を行った。残る1人からも今後、聴取する。
 亡くなった男子生徒が「自殺の練習をさせられていた」という指摘は、全校アンケートの中で16人がいずれも「伝聞情報」として回答していた。7月上旬にこのアンケート内容が報道され、いじめ問題で大津市教委や学校の対応が非難されるきっかけとなった。
捜査関係者によると、県警が、男子生徒と同学年だった約300人への聞き取りを行った結果、「生徒が自殺の練習を無理やりさせられている場面を見た」という在校生はいなかった。
 また、校舎の窓から身を乗り出すよう同級生から要求され、男子生徒が拒否するのを目撃した在校生はいたが、強要容疑を裏付ける証言はなかったという。
 県警は今後、複数の目撃証言がある体育大会での暴行容疑についても同級生から事情聴取を行い、裏付けを進める方針。
 遺族が提訴した民事訴訟で同級生側は「遊びの範囲」といじめを否定している。
20120902 0920分】
 
300人に聞き取りをしても目撃者がいかなかったということは、先に報じられた「目撃した女子中学生」はなんだったのでしょうか。女子中学生がうそをついたのか、新聞がうそを書いたのかということになります。
 
ともかく、「自殺の練習」がなかったということなら、イジメの存在そのものまで怪しくなってしまいます。
というのは、自殺した少年はイジメられているとは誰にも言わなかったからです(担任から2度聞かれても否定しました)。もちろんイジメの加害者側とされるほうも否定しています。自殺した少年の親にもそのときはイジメの認識はありませんでした。となると、同級生の証言に頼るしかありませんが、「イジメていた」か「ふざけていた」かの判断は印象でしかありません。これでは警察もイジメがあったと立証するのは不可能なはずです(しかし、世論に迎合してむりやり立件する可能性が大です)
また、学校や市教委はイジメを隠蔽したと批判されていますが、そもそもイジメがなかったのなら、なにをやっても“隠蔽”になってしまいます。
 
では、なぜアンケートの中にイジメについての伝聞情報が多数あったかというと、同級生が自殺したということは中学生にとってはショックですから、自殺の原因について話し合ううちに噂が噂を呼び、それがアンケートに現れたということでしょう。噂のもとになったことがあったとしても、それは軽いイジメだったかもしれません。
 
イジメの報道が過熱したのも妙なことですが、一方で自殺者遺族を支援するための寄付を受け付けるホームページがいち早く立ち上げられたのも妙なことです。
自殺者遺族は3人の同級生とその保護者と市を相手に損害賠償を求めて訴えており、寄付金はその裁判費用などに当てられるということですが、勝訴すれば賠償金が入るのですし、自殺者遺族の年収レベルもわかりません。また、ホームページを開設したのは自殺者遺族の代理人弁護士である吉原稔法律事務所ですが、自分が受け取る裁判費用のための寄付を自分で募るという格好になります。
このホームページは当初、誰でも開設できる形式のホームページでしたから、これが本物かどうかわからないという苦情が相次ぎ、そのため滋賀弁護士会のホームページからリンクが張られることになりましたが、滋賀弁護士会より「閲覧者に対して、同会が特定事件につき一方当事者の立場を支持するかのような誤解を招く」としてクレームがあり、リンクが削除されるというドタバタ劇がありました。
 
なお、今ホームページで確かめてみると、8月31日時点で一千万円を超える金額が集まっているということです。
 
大津中2いじめ自殺裁判支援
 
ということは、儲け主義の敏腕弁護士がアンケートのあやふやな“事実”をもとに大きな事件をつくりあげたということでしょうか。
 
いや、いくら敏腕でもそう簡単にはいかないでしょう。
やはりキーマンは、自殺者遺族、つまり自殺した男子生徒の父親と思われます。
 
自殺した男子生徒の父親がどんな人物であるかについてはまったく報道がありません。職業もわかりませんし、家族構成もよくわかりません。加害者側とされる生徒やその保護者について多数の情報がさらされているのとは正反対です。
 
この謎の父親がモンスター・ペアレントに違いありません。
モンスター・ペアレントというと学校に無茶なクレームを言ってくる親とされますが、モンスター・ペアレントは学校に対するより前に自分の子どもに対してもモンスターなのです。
自殺した生徒は「家族に厳しく叱られる」と電話で担任に相談していました。もちろんその家族とは父親ことでしょう。生徒は父親よりも担任を信頼していたのです。
(「大津市イジメ事件に新事実」を参照)
 
子どもをきびしく叱っていた父親は、子どもが自殺したときはショックだったでしょうが、間もなく子どもが学校でイジメにあっていたという情報を入手します(そのとき学校内では噂が噂を呼ぶという状態でした)。父親の心の中で「子どもの自殺の原因はイジメだ」という確固たる信念が生まれます。そうなら自分は免罪されるからです。
父親は学校にアンケート内容を知らせるように要求し、警察には3度も被害届を出しに行き、弁護士に相談してイジメ加害者生徒とその保護者と市を訴えます。
この父親のモンスターぶりが弁護士にも乗り移り、弁護士はおそらくマスコミに情報提供を行い、素早く支援ホームページを立ち上げます。
そして、父親のモンスターぶりがマスコミを通じて全国に広がります。
 
いや、子を持つ親は誰しも心にモンスターを飼っています。モンスターがいるゆえにいつも子どもを叱り、勉強を強要し、子どもを追い詰めています。その心の中のモンスターが一斉に暴れ出し、また、そうした親に育てられている子どもや若者の心にもすでにモンスターが生まれていますから、そうしたモンスターも暴れ出しました。そうして大津市イジメ事件はつくられました。
 
父親は最近もモンスターぶりを発揮しています。
 
確約書で遺族が市を提訴=アンケート部外秘で精神的苦痛-大津いじめ自殺問題
 いじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、男子生徒の父親(47)が7日、学校側から全校生徒を対象に実施したアンケート調査の結果を受け取る際、「部外秘を確約する」との不当な確約書に署名させられたことで精神的苦痛を受けたとして、市を相手に100万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
 訴状によると、父親は自殺の真相に迫ろうと資料を入手したが、確約書のために同級生や保護者へ資料を基にした事実確認ができなかった。
 一方、7月に開かれた市議会では、一般傍聴者に対してもアンケート調査の結果が配布されたことから、確約の必要性や義務はなかったとしている。(2012/09/07-19:17
 
父親はすでに大津市などに約7700万円の損害賠償を求めて提訴しています。不当な確約書に署名させられたことの精神的な苦痛もそこに含めればいいと思うのですが、なぜ別件で100万円の損害賠償を求めるのでしょうか。2件の訴訟にすると、弁護士事務所への支払いが増えて好都合なのでしょうか。
 
ともかく、親や親の予備軍の心に棲むモンスターが巨大な闇の力となって大津市イジメ事件を初めとするイジメ事件を全国でつくりだしたのです。
これが“真相”です。
 
もちろん、以上のことを信じるか信じないかはあなた次第です。