世界の小中学生の理科と算数の学力の比較が発表されました。日本の小学4年生の得点が過去最高だったということで、文部科学省は「脱ゆとり」の成果が現れたと見ているそうです。
 
小4の理数学力改善、脱ゆとり効果か 国際テスト
2012/12/12 0:10
  国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ)は11日、小学4年と中学2年が対象の国際学力テスト「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」の2011年の結果を発表した。日本は全科目で平均点が上昇または横ばいとなり、小4は過去最高になった。国際順位は全科目で5位以内に入った。
 小4の成績が明確に上向いたのは1995年以降で初めて。文部科学省は「子どもの学力は改善傾向にある」と指摘。「脱ゆとり教育」路線を鮮明にした新学習指導要領の成果とみている。
 過去の調査と比較できるよう95年の国際平均点を500点とし、今回の得点を統計処理した。日本の平均点は小4の算数が前回より17点上昇、理科も11点上昇した。中2は数学が横ばい、理科も4点上昇だった。順位は小4の算数が5位、理科が4位。中2の数学が5位、理科が4位だった。
 調査は4年に1度。03年は順位下落が目立ち、学力低下論争が起きた。今回は小学校は50カ国・地域、中学校は42カ国・地域が参加した。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で全科目トップだった上海は参加していない。日本は約8800人の小中学生が受けた。
 
ベスト5の国は以下のようになっています。
 
小4算数
1位 シンガポール
2位 韓国
3位 香港
4位 台湾
5位 日本
 
小4理科
1位 韓国
2位 シンガポール
3位 フィンランド
4位 日本
5位 ロシア
 
中2数学
1位 韓国
2位 シンガポール
3位 台湾
4位 香港
5位 日本
 
中2理科
1位 シンガポール
2位 台湾
3位 韓国
4位 日本
5位 フィンランド
 
 
要するに日本、韓国、台湾、香港、シンガポールという儒教圏の国が上位になっているのです。これは昔からそうです。
日本、韓国、台湾はハイテク産業の盛んな国です。学力の高さがそういう形で生きているのかもしれません。
しかし、ノーベル賞受賞者の数で見てみると、文学賞、平和賞を別にすると、韓国、シンガポール、台湾、香港はゼロです。日本にしても、いち早く先進国の仲間入りをしたことを考えると、決して多いとはいえません。
つまり学力はあってもあまり創造性はないということがいえるのではないでしょうか。
学力があるからいいというものでもありません。
 
儒教圏以外の国はフィンランドとロシアしかありません。しかし、朝日新聞には同じ調査の過去3回の結果が掲載されており、中学2年の場合は6位までの国が出ています。そうすると儒教圏以外の国がいくつも出てきます。それらの国は、ベルギー、イングランド、カザフスタン、エストニア、ハンガリー、スロベニアです。
これらの国の特徴はなにかと考えると、北のほうの寒い国と、ヨーロッパでもアジア寄りの国だということです。あと、ロシアを別にすると概して小さい国です。
 
私の勝手な想像では、寒い国では子どもは外で遊べないので家で勉強するのではないでしょうか。アジア寄りの国は儒教圏の影響を受けているということが考えられます。
 
小さい国が多いということも考えさせられます。アメリカ、中国、インドという国はどうなっているのでしょうか。
 
一般に競争が学力を上げるように言われています。全国規模の学力テストをやって競わせるのが最高の競争のようにも思われています。しかし、小さな国の学力が高いことを考えると、大規模な競争はむしろマイナスで、競争ではなくともに学ぶというやり方のほうがいいのかもしれません。
 
ともかく、「詰め込み教育」への反省から「ゆとり教育」が生まれたのですが、その結果もろくに見ないうちに「脱ゆとり教育」に変わっています。
日本の教育の変化は、子どものテストの成績が悪かったからといってあわてて子どもを塾に通わせる母親に似ています。
 
今回はちょっとテストの成績がよくなったわけですが、そんなことで喜んでいてよいのでしょうか。