日経平均株価が下げ止まりません。
株価はいろんな要素で動くので、そのことに一喜一憂するのはバカバカしいことです。
しかし、これまで株価が上げてきたのはアベノミクスの正しさの証明のように受け止められてきました。とすると、株価が下げると、アベノミクスは間違いだったということになってもいいはずです。
 
私は株式投資をしているのですが、このブログで今年1月7日の「『アベノミクスは』バブルを生む」という記事でこんなことを書いています。
 
とはいえ、またバブルの時代が始まるのかもしれません。
しかし、これがバブルだとわかっていればそれなりに対処することができます。株は空売りすることができますし、日経平均先物もありますから、上昇過程では買いポジション、バブルがはじけてからは売りポジションを取れば、往復でもうけることができます。
 
昔のバブルのとき、私の知人で株をやっている人がいて、いつも景気のいい話をしていました。しかし、こういう人はバブルがはじけたとき、バブルがはじけたということに気づかず、安くなった株を割安だと思ってどんどん買っていました。信用取引をしていた人は全財産を失ってしまうということもありました。
 
過去から学んで、同じあやまちを繰り返さないようにしたいものです。
 
偉そうなことを書いていましたが、結局のところ同じ過ちを繰り返しています。
私はこれはバブルだと思いつつ、日経平均でいえば2万円ぐらいまでいってもおかしくないと思っていました。ですから、1万6000円直前で失速したのは予想外で、逃げ遅れてしまいました。
 
そして、前回6月4日の「安倍首相の『的外れ』」という記事ではこんなことを書きました。
 
ところで、株価が急に失速した理由について、私はアベノミクスの第三の矢である成長戦略が期待外れであるからではないかと考えています。マーケットは「異次元の金融緩和」に続いて「異次元の成長戦略」が出てくると期待していたのでしょう。しかし、今まで発表された成長戦略に目新しいものはありませんでした。
(中略)
これからもたいした成長戦略は出てこないと想像され、それで株価が下げているのではないでしょうか。
 
これを書いたときは、5日に安倍首相が成長戦略の第三弾を発表するので、そのあと株価は下げるだろうが、それで悪材料出尽くしになって、そこから反転して上がるだろうと考えていました。
しかし、5日に下げたのは予想通りでしたが、6日も下げ、本日の7日も下げそうです。
 
このように私の予想はぜんぜん当たりません。
いや、半分ぐらいは当たるのですが、半分は当たりません。
ですから、予想屋としては平均的です。
 
私が株式投資を始めたのは2005年でした。そのときは、日本政府の財政赤字はひどいので、政府はいずれインフレにして借金を帳消しにしようとするだろうと予想して、つまりインフレ対策として株式投資を始めたのです。
しかし、実際のところはそれからずっとデフレですから、予想はまったく外れています。
しかも、株式投資を始めた翌年1月にライブドアショックが起きたので、タイミングとしては最悪でした。
 
ですから、私は自分の能力をわきまえて、これまで株価について言及したのは、今紹介した2回の記事だけです。
これからもこのブログは、善悪、正義という倫理を中心に、政治社会や人間心理について書いていくつもりです。
 
もっとも、株価の予測がしにくいのは、ある程度やむをえないことでもあります。
昔、株価は企業業績を先取りしたもので、日経平均株価は日本経済の動きを先取りしたものと考えられていました。
いや、今も基本はそうなのですが、マネーの流通量が昔よりもうんとふえたので、投機的な動きの要素が大きくなりました。ですから、いわゆるアベノミクス効果で株価が上がってきたのも投機によるものだったともいえるのです(現在下がっているのも同じです)
 
つまり、株価の動きを実体経済のバロメーターと考えて、株価が上がるからアベノミクスは正しいというふうには判断しにくい時代になっているのです。
アベノミクスを評価するなら、株価や為替の動きではなく、GDP成長率や失業率などの実体経済の動きで評価しなければなりません。
 
これはものすごく当たり前のことなのですが、みんな株価の上昇に浮かれて忘れてしまっていたのではないでしょうか。