4月23日、オバマ大統領が国賓として来日し、24日には安倍首相との首脳会談を行ないました。
TPP交渉がまとまらないため、日米共同声明が発表されたのは翌日の25日にずれ込むという異例の事態でした。
 
普通、こうした面倒な交渉は前もって終わらせておき、首脳会談はセレモニーとして盛り上げるものですし、場合によっては首脳会談で決着させるということもありますが、首脳会談が終わっても決着しないというのはよくわかりません。安倍首相とオバマ大統領より、甘利担当大臣とフロマン通商代表のほうが決定力があるというのはおかしな話です(おそらく安倍首相とオバマ大統領は突っ込んだ話し合いができる関係にはないのでしょう)
 
オバマ大統領が「尖閣諸島は日米安保の適用範囲」と言明したことが日本にとっての成果だとされます。
もっとも、オバマ大統領が言っているのは、「尖閣諸島は日本の施政権下の領域」だからということで、尖閣諸島を日本の領土と認めたわけではありません。
同盟国ですら日本の領土と認めてくれないのでは、日本の領有権に関する主張にはぜんぜん説得力がないということです。
安倍首相は日本の子どもに領土教育をするよりも、オバマ大統領に領土教育をするべきです。
 
また、安倍首相は「日本の集団的自衛権にオバマ大統領が歓迎、支持した」と語りました。これも安倍政権にとっては成果なのでしょう。
 
結局、経済よりも軍事に関することで一致した会談だったという格好になりました。これは安倍首相の姿勢のゆえでしょう。オバマ大統領は共同記者会見で中国に配慮した発言をいろいろしています。
 
そもそも安倍首相の軍事や戦争についての考え方が古すぎて、時代に合わなくなっていますし、国益にも反します。
 
たとえば、オバマ大統領の来日に合わせて都内は厳戒態勢になっていました。警視庁は1万6000人を投入して24時間体制で検問を実施したということです。
日本にはいろいろな国の首脳が訪れますが、アメリカ大統領が訪れたときの警戒体制は特別です。このコストだけでもバカになりません。
 
アメリカ大統領が来日したときに厳戒態勢を敷かないといけないのは、アメリカ大統領はもっともテロリストに狙われる存在だからです。
日本がアメリカと軍事的に一体化していくと、日本もテロリストに狙われやすくなります。
 
昔、日本人は野球のナイターを見ながらビールを飲んで、しみじみと「日本は平和だなあ」と思う喜びがありましたが、小泉政権下で自衛隊がイラクのサマワに派遣されたときから、この喜びはなくなってしまいました。日本はテロリストから攻撃対象として名指しされ、またサマワの自衛隊員が危険にさらされていたからです。
 
アメリカが世界一テロリストに狙われる国になったのは、アメリカ自身の親イスラエル・反イスラムの政策が原因です。
安倍首相は「日本と米国は自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有し、そして戦略的利益を共有するグローバルなパートナーであります」と語りましたが、親イスラエル・反イスラムという価値観まで共有しているということはないはずです。
 
たまたま首脳会談のあった24日、NHKの「クローズアップ現代」で「復活するアルカイダ~テロへ向かう世界の若者たち~」というのが放送されました。イラク西部とシリア北部の一帯をアルカイダ系の組織が支配し、欧米各国の若者を勧誘して中東で戦闘員にしているということで、これらの欧米の若者が帰国してテロをするのではないかという危機感が強まっているという内容です。
 
「テロとの戦い」は非対称的な戦いですから、そこに参入するということは、自衛隊とか国防軍だけで終わらず、一般国民がテロの脅威にさらされるということです。安倍首相はそういうことがわかっているのか疑問です。
 
また、こんな気になるニュースもありました。
 
オバマ氏、ハイテク体感 科学未来館でロボット見学
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来日中のオバマ大統領は24日午後、ケネディ駐日大使らと東京都江東区の日本科学未来館を訪れた。
 
 館内で二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」が自己紹介してお辞儀をすると、大統領もお辞儀を返して笑いを誘った。また、ASIMOが蹴ったボールを足で受け止め、「よくできた。すばらしい」とねぎらった。原発事故のような人が近づけない現場で作業をできるロボットも見学し、開発者から用途や今後の課題の説明を受けた。
 
 経済産業省はこの日、日米ロボット国際会議を開いた。米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が主催する災害対策ロボットコンテストに日本政府も積極的に協力する方針を表明。コンテストに挑戦する企業を国内で広く公募し、資金も補助すると公表した。
 
 経産省と米国防総省は昨年7月、災害復旧ロボットの共同研究に合意。来年開かれる予定のDARPAのコンテストに日本が参画することを決めた。しかし、軍事費を背景にしたコンテストだけに、参加を打診された日本の大手メーカーの拒否感は強く、企業選びが難航していた。
 
 このため、経産省は公募で選ばれた挑戦者に補助金を出すことにし、参加を促した。(杉崎慎弥、大鹿靖明)
 
アメリカは戦争用のロボットをいっぱいつくっていますが、日本はあくまで平和目的のロボットしかつくらないというのが暗黙の国民的合意ですし、日本人の誇りでもありました。わざわざ経産省が補助金まで出して日本人の誇りをなくそうとしていたとはびっくりです。
もし安倍政権がずっと続けば、ASIMOが銃を手にする日がくるかもしれません。