安倍首相のお友だちである作家の百田尚樹氏がまたしても問題発言をしました。
一作家としての発言であれば大した問題にはなりませんが、百田氏はNHK経営委員という公人でもあるので、そうはいきません。
 
 
百田氏「貧乏長屋」発言を釈明も謝罪なし「ギャグ」「活字は厄介」
 ベストセラー「永遠の0」で知られ、NHK経営委員も務める作家の百田尚樹氏(58)が1日放送のフジテレビ「ワイドナショー」(日曜前10・00)に出演。「軍隊を家に例えると防犯用の鍵」とした上で、軍隊を持たない南太平洋の島国バヌアツやナウルを名指しで「家に例えるとクソ貧乏長屋で、泥棒も入らない」と侮辱とも取れる発言したことについて釈明したが、謝罪や発言撤回はなかった。
 
 問題発言が飛び出したのは、先月24日に岐阜市民会館で開かれた自民党岐阜県連定期大会の講演。1時間半の講演のうち、冒頭「自衛権、交戦権を持つことが戦争抑止力につながる」と持論を展開し、世界約200カ国の中で軍隊を持たないのは20数カ国であることを説明した後、バヌアツとナウルについて言及した。
 
 関西を舞台に長く放送作家を務めた百田氏は「大阪ではね、強調ために『ド』とか『クソ』を付けるクセがあるんですよ」とし、今回の件を「単なるギャグ」と説明。“問題発言”の後「入った泥棒も、あんまりかわいそうやから、小遣いでも置いていこうか。そういう国や」と言い「(会場は)ドッと笑ったんですけどね。(記事に)書くんだったら、そこまで書けよ、と」と報道の在り方に“苦言”も。「講演出ても、笑いがないと寂しくなってくるんで」と“リップサービス”だったと語った。
 
 その証拠に、関東には流れない大阪・読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」(日曜後1・30)で1年前にも同じ話をしたが、何のクレームもなかったという。「それ見たらね、完全にギャグで言ってんねやというのが分かるんですよ。活字にしてやるっていうのが、いやらしい。活字っていうのは厄介」と真意が伝わらないことを嘆いた。
 
 MCの東野幸治(46)が「バヌアツやナウルの国の人たちが聞いたら、悲しい思いをする、配慮が足りなかったかなとは思わないんですか?」と水を向けると、百田氏は「うーん、でも事実でしょ」とキッパリ。「謝る気はないですか?」には「うーん、これは例え話やからね」と答えた。
 
 “問題発言”も「撤回しませんね、当然です」としたが「『クソ』は撤回してもいいかな」と“譲歩”した。
 
 コメンテーターの「ダウンタウン」松本人志(50)は番組の準レギュラー・百田氏について「言ってることの大枠は間違ってはいない。ただ、伝え方がぞんざいというか…」とフォローした。 
[ 201461 11:15 ]
 
ベストセラー作家にしてはお粗末な発言です。私は故渡辺美智雄元副総理の「日本人は真面目に借金を返すが、アメリカには黒人やヒスパニックなんかがいて、破産しても明日から金返さなくても良い。アッケラカのカーだ」という発言を思い出しました。
 
百田氏は問題発言をしただけでなく、謝罪しないことで問題をさらに上塗りしています。
なぜ謝罪しないかというと、バヌアツやナウルが弱小国で、おそらく日本在住の人もほとんどいないに違いないので、どうでもいいと思ったからでしょう。
 
もともと百田氏が言いたかったのは、「軍隊を持たないことが可能なのは、その国がよほど貧しいからだ」ということだと思われます。
そして、ただ言うだけではつまらないので、笑いを取ろうと思ったのでしょう。
しかし、貧しい国をバカにして笑うのは、笑いとしても間違っています。「単なるギャグ」ではすみません。
これは、たとえば大阪のどこか貧しい地域をバカにして笑ったら、それが許されるかどうかと考えてみればわかるでしょう。
 
ということは、百田氏の発言は「自民党岐阜県連定期大会」での講演ということですが、そこで笑う聴衆の側にも問題があるということです。
 
渡辺美智雄元副総理の「アッケラカーのカー」発言も、確か支持者相手の講演のときのものだったと思いますが、自民党支持者は貧しい外国人を笑うメンタリティーの持ち主なのでしょうか。
 
いや、これは自民党支持者の問題ではありません。ナショナリズムが本質的にかかえる問題です。
 
百田氏は安倍首相とともに「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」という対談本を出しています。
日本が世界の真ん中で咲き誇るのですから、貧しい途上国など周辺に追いやられ、無視されてしまうのは当然です。
 
百田氏個人の失言はどうでもいい話ですが、集団的自衛権の問題において、安倍首相が百田氏と同じ認識で貧しい途上国を無視した議論をしているのは大いに問題です。
 
安倍首相は自衛隊とともにPKO活動をしている他国の部隊が武装集団に襲われたとき、助けなくてはいいのかと言います。
「助ける」とか「警護する」という言葉を使うと、いいことをするようですが、実際は、こちらを助けるためにあちらを殺すという話です。
しかし、安倍首相の頭の中にあるのは、日本と同じ先進国との関係のことだけです。貧しい途上国の人間の命などどうでもいいのです。
 
百田氏のバヌアツやナウルを笑いものにして謝罪もしない態度と、安倍首相の途上国の人間の命を無視した集団的自衛権論議。どちらにもナショナリズムのみにくい面がもろに出ています。