神戸市で小学校1年生の生田美玲ちゃんの死体が発見された事件で君野康弘容疑者が逮捕されました。君野容疑者は今のところ黙秘していますが、一応君野容疑者が美玲ちゃんを殺害したという前提で書くことにします。
また、君野容疑者は知的障害者に交付される手帳を持っていたということですが、君野容疑者の人生の軌跡を見ると、知的障害者らしいところがまったくないので、健常者であるという前提で書くことにします(一時、暴力団の組員だったことがあるということですから、なんらかの手段で手帳を手に入れたのでしょうか)
 
小さい子どもを殺すという犯罪の場合、犯人は幼児期に虐待されていたと見なしてほぼ間違いありません。自分が子どものころ大人からされていたのと同じことを、自分が大人になったら子どもに対してやったということです(子どものころ死ぬほどの苦痛を味わっていたわけです)
 
ですから、君野容疑者がどういう幼児期を送ったか、家庭環境はどうであったかということを知りたいところですが、そういう報道はまったくといっていいほどありません。テレビのニュースで、両親は君野容疑者が子どものころ離婚したといっていたぐらいです。
 
家庭環境以外の報道にはほとんど意味がないといいたいところですが、君野容疑者の生き方にも考えさせられることがありました。
 
<神戸女児遺体>容疑者…住居や職業転々、トラブルも頻繁に
2014926日(金)11:18
  神戸市長田区の草むらで市立名倉小1年、生田美玲(みれい)さん(6)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された君野康弘容疑者(47)は住居や職業を転々としながら、行く先々でトラブルを起こしていた。最近では、昼間から飲酒する様子が度々目撃されるなど、無軌道ともいえる生活ぶりが浮かび上がっている。
 
 知人らによると、君野容疑者は鹿児島県南九州市出身で、県内の高校を卒業後、九州の陸上自衛隊駐屯地などで勤務した。しかし長続きせず、20~30代は鹿児島市の繁華街で風俗店のチラシ配りをしたり、パチンコ店で働いたりしたという。
 
 関西に来たのは遅くとも2008年ごろ。当時は簡易宿泊所が集まる大阪市西成区のアパートに住んでいた。捜査関係者によると、当時、指定暴力団傘下組織の組員だった。知人男性によると、翌年には神戸市兵庫区に転居し、風俗店で勤務。部屋には即席ラーメンや缶詰、米などが大量にあった。男性は「君野容疑者は『パチンコを打つので金がなくなったら困るから、生活保護費の1万円を使って買いだめしている』と話していた」と振り返る。
 
 しかし、11年ごろに連絡が途絶えた。男性によると、刑事事件を起こして服役していたという。関西地方の刑務所を昨年5月に出所。神戸市長田区内の現在とは別のアパートに一時入居したが、騒音を巡って近隣とトラブルになり、約2週間で退去した。
 
 この頃、君野容疑者は兵庫区内の飲食店を週2、3回訪れている。女性店員によると、小銭を手に握りしめて「これで飲ませてほしい」と1杯300円の焼酎を頼むことが多かったという。
 
 現在のアパートに引っ越してきたのは昨夏。住人男性によると、部屋には机とパソコンぐらいしかなく、君野容疑者は「FX(外国為替証拠金取引)をしている」と話していた。アパートの関係者によると、4万2000円の家賃は生活保護費から納めていた。
 
 だが、その投資もうまくいかなかったらしい。最近では、騒音を巡って近隣とトラブルになったり、警察や区役所に度々クレームの電話をかけたりしていた。美玲さんが行方不明になった11日以降はカップ酒を片手に青白い顔でうろつく姿が複数の住民に目撃されていた。【瀬谷健介、石川裕士、大森治幸】
 
 
これを読んで感じたのは、君野容疑者は「ダメ人間」の典型だということです。
 
酒を昼間から飲んでいるのでアルコール依存症かもしれません。死体を入れた袋からタバコの吸い殻が発見されたということですから、タバコも吸っているわけです。パチンコもします。仕事が長続きせず、職を転々としています。
 
どうしてこのような人間になるのかというと、要するに「目先の快楽」ばかりを追求しているからです。
酒、タバコ、ギャンブルは、健康を害し、お金はなくなりますが、「目先の快楽」を求める人間はやめることができません。
職を転々とするのも、「目先の快楽」ばかり求めて、がまんができないからです。
会員制交流サイトに登録していたということですから、ふれあいを求める気持ちもあったのでしょう。しかし、近所の人間と恒常的なつながりを築くことはできず、刹那的なふれあいに走っていたわけです。
 
こういう人間について、「子どものころにがまんすることを教えないからだ」ということを言う人がいます。
確かに「がまんする」ことはたいせつです。
しかし、「子どもにがまんすることを教えろ」という人は根本的な勘違いをしています。
それは、「がまんする」のと「がまんさせる」のをごっちゃにしているということです。
 
人間、「がまんさせられる」ことばかり経験すると、「がまんする」のが嫌いになってしまいます。
たいていの子どもは、遊びたいのをがまんして、いやいや勉強や習いごとをさせられています。そうして、勉強や習いごとをするのが嫌いな人間になってしまいます。
 
人間にとって、自発的にするのと、人に強いられてするのとでは、根本的に違います。
今の教育は「自発的にする」ことよりも「させる」ことばかりになっています。
そうして教育された人間は、自由になるとなにをしたらいいのかわからず、「目先の快楽」を求めるだけになってしまうわけです。
 
君野容疑者は最初に就職した自衛隊をすぐに辞めてしまいました。
君野容疑者のような人間でも、最初の就職先を辞めずに定年まで勤めることがあります。そういう人間は、酒、タバコ、ギャンブルが楽しみで、趣味もなく、定年後はなにをしたらいいのかわからなくなってしまいます。世の中にそういう人間はいっぱいいます。
 
ですから、君野容疑者は子どもを殺した以外は、「普通のダメな人間」です。オタク属性もありません(オタクというのは、ようやく狭い隙間に「自発的にする」ことを発見した人間と理解できます)
こういう場合、マスコミは報道するのが苦手です。報道する側の人間とたいして違わないので、一方的に批判する報道がやりにくいからです。
 
しかし、「普通のダメな人間」がどうして生まれるのかということも追究する価値はあります。