解散風が吹き始めた当初は、野党に対する牽制かなと思っていたら、あっというまに解散総選挙が既定路線になってしまいました。
それにしても、解散する理由がよくわかりません。
アベノミクスが失敗して、今後不景気になるから今やるのだという説がありますが、もし経済の先行きがそんなに正確に見通せるなら、不景気を回避する正しい経済政策を打ち出すこともできそうなものです。
 
選挙をやると、与党は今よりも議席をへらすのは確実です。それでも解散しなければならない理由とはなんでしょうか。
 
ひとつ考えられるのは、マスコミの論調ががらりと変わって、安倍政権にきびしくなったことです。この論調が今後も続くなら、閣僚のスキャンダルがおもしろおかしく報道され、どんどん内閣の支持率が下がっていきます。麻生政権の末期はそんな感じでした。
もしそうなるなら、今解散するのは正しいことになります。
選挙によって、議席はへらしても過半数を確保すれば、「国民の信任を得た」といって胸を張れますし、マスコミは批判しづらくなります。
 
もうひとつの理由は、アメリカの安倍政権に対する態度がきびしくなり、それをはね返すためにも選挙をやって政権基盤を強くしなければならないのではないかということです。
 
APECで安倍首相と習近平国家主席が笑顔のない会談をし、日本では安倍首相と習近平主席のどっちが勝ったのかといったことが取りざたされていますが、おろかなことです。この会談は前もって合意文書がつくられ、どちらも負けないように設定されていたからです。
 
それよりも注目するべきは、オバマ大統領は日本と中国のどちらを重視していたかということです。
この答えは明白です。日米首脳会談はなかったのに、オバマ大統領と習近平主席は、11日に夕食会を含めて約5時間、12日には昼食も含めて約4時間と、合計約9時間も会談しているからです(日米首脳会談がなかったのは、ブリスベンで行われるG20で日米豪首脳会談が予定されているからでもありますが、それでもオバマ大統領が日本より中国を重視しているのは明らかです)
 
安倍首相はこれまで中国の周辺国をすべて訪問して中国包囲網を築いてきましたが、オバマ大統領にすべてぶち壊しにされた格好です。
 
安倍首相と習近平主席の会談が設定されたのも、アメリカの意向があったからでしょう。会談に先立って谷内正太郎国家安全保障局長が訪中して最終調整を行いましたが、谷内局長は外務省出身で、外務省が対米従属路線なのは周知の事実です。
 
オバマ大統領は安倍政権に対して前からきびしい態度をとっていたのでしょう。それはこのニュースからもうかがい知れます。
 
首相「機嫌の悪いオバマ大統領と会わねばいけない」
  安倍晋三首相は5日夜、都内で自民党幹部らと会食した。出席者によると、米中間選挙で民主党が大敗したことから、首相は来週のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など一連の外交日程を念頭に「機嫌の悪いオバマ大統領に会わないといけない」と語った。
 
中間選挙に負けたからオバマ大統領は機嫌が悪いだろうということだけではなく、安倍首相はよほどオバマ大統領と会いたくないのだろうと推測できます。
 
安倍首相は中国包囲網も対露外交も靖国参拝も慰安婦問題も全部オバマ大統領に否定され、外交でやりたいことがなにひとつできなくなっているのです。
 
つまり安倍政権は日本のマスコミとアメリカの連合軍に包囲され、この苦境を脱するためには解散総選挙に打って出るしかなかったというのが真相ではないでしょうか(ということは、日本のマスコミはアメリカの意を体して動いているのではないかということでもあるのですが)