「大義がない」とか「わかりにくい」とか言われる今回の解散総選挙ですが、なぜこんなにわかりにくいのかと考えると、結局すべては安倍首相のひ弱な性格からきていると思われます。
もちろん説明不足ということがあるわけですが、説明不足になるのも安倍首相のひ弱な性格からきているわけです。
 
衆議院が解散した1121日、安倍首相は記者会見を行いました。
 
【全文】「この解散はアベノミクス解散」衆議院解散を受け、安倍首相が会見
 
会見の冒頭で安倍首相はこのように語っています。
 
本日、衆議院を解散いたしました。
この解散は「アベノミクス解散」であります。
それを問う選挙であります。
 連日、野党は「アベノミクスは失敗した」と、批判ばかりを繰り返しています。
 私は今回の選挙戦を通じて、私たちの経済政策が間違っているのか、正しいのか。本当に他に選択肢はあるのか。国民の皆さまに伺いたいと思います。
 
このあとずっと、アベノミクスの成果を語ります。
そんなにアベノミクスがうまくいっているなら、解散して信を問う必要なんかないじゃないかと誰もが思います。
ただ、解散理由について質疑応答の中でこのように語ります。
 
そして何と言っても、先ほど申し上げたように、この選挙、消費税増税を18か月延期をしました。 それを「自民党は政権公約に書いていなかったではないか」という批判がありました。だからこそ私たちは選挙を行うんです。
 民主主義の原点は税制であります。税制に重大な変更を行った以上、選挙をしなければならないと考えています。
 
ここに明らかに矛盾があります。
アベノミクスがほんとうにうまくいっていれば、消費税増税は予定通りできたはずです。消費税増税を延期したのは、経済がうまくいっていないからです。だから野党も「アベノミクスは失敗だ」と批判するわけです。
 
この矛盾について安倍首相はこのように説明します。
 
アベノミクスの成功を確かなものとするために、私は消費税10%への引き上げを18ヶ月延期する決断をいたしました。
 
この表現は明らかにごまかしです。そのため「わかりにくい」と言われてしまうのです。
 
安倍首相の立場からは「失敗」という言葉は使えないでしょう。だったら「一時的なつまずき」とか「目標達成の遅れ」というふうに言えばいいわけです。
 
「2年間アベノミクスを推進してまいりましたが、必ずしも思った通りにはいかず、ここで増税すると景気の腰折れを招くおそれがあるので、消費税増税を延期します。そのため財政再建が遅れることを国民の皆様にお詫びします。野党はこれをもってアベノミクスは失敗だと批判しますが、アベノミクスは間違っておらず、一定の成果も得ています。アベノミクスを進めるのか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙です」
 
このように説明すればわかりやすいでしょう。
しかし、安倍首相は「つまずき」や「遅れ」さえ認めようとしないので、わけのわからないことになるわけです。
自分に不都合なことを認められないというのは、心の弱さであり、つまりは安倍首相の性格の問題です。
 
 
そもそも消費税増税を延期するからといって解散総選挙をする必要はなく、そこからすでにわかりにくいわけです。
私はその理由を考えて、安倍政権はマスコミとアメリカに追い詰められているからではないかと結論づけました。
しかし、それは安倍首相がまともな判断力を持っているということが前提です。
マスコミとアメリカはごく当たり前の対応をしているのに、安倍首相が被害妄想に駆られているという可能性もあります。
もしそうであるなら、この解散総選挙が誰にとってもわかりにくいものであるのは当然です。
 
被害妄想かどうかは別にして、安倍首相が精神的に追い詰められているのは明らかです。
 
ニュース23に生出演した安倍首相が、街頭インタビューで批判的な声が多いことに対して、「これ、おかしいんじゃないですか!」とキレたということが話題になったので、その映像を見てみました。
 
news23 安倍首相生出演
 
 
キレるといっても、それほどのことではありません。しかし、全体に精神的に不安定なことはうかがえます。
というのは、やたら民主党批判、野党批判を口にし、それと、やたら経済データを細かく紹介するからです。これは自信のなさの表れです。
 
安倍首相の心中を推測し、野党の選挙準備が進まないうちに選挙をして長期政権にするつもりだという説を唱える人もいますが、それは安倍首相がかなりの自信を持っていることが前提です。上の映像を見る限り、そういうことはありません。
 
安倍首相が精神的に追い詰められていることは間違いありませんが、ただ、安倍首相はそういうときこそ攻めに出るべきだと考えているようです。国会答弁でもやたら野党批判を口にしていましたし、解散に打って出たのもその考えからでしょう。
「攻撃は最大の防御」というように、そのやり方は戦略として間違ってはいません。場合によっては、選挙のあと政権基盤が強化されるということもありえます。
 
とはいえ、政権にちょっと逆風が吹いただけで追い詰められてしまう脆弱な精神の持ち主は首相に不適任です。
安倍首相のひ弱な性格が国民の目にどれだけ見えるかが選挙の勝敗を決すると思われます。