米国ミシシッピー州のファーガソン市で黒人青年を射殺した白人警官が不起訴となったことがきっかけで、全米に暴動が起きています。もっとも文明が進んだ国で、いまだに人種差別が克服できていないわけです。いや、もっとも文明が進んだ国だからこそ人種差別も進んでいるともいえます。
 
この暴動は日本にとってもいろいろと教訓となります。
 
アメリカは、ヘイトスピーチに対する法的規制こそありませんが、ポリティカルコレクトと称して、ヘイトスピーチに対する社会的制裁はきわめてきびしいものがあります。そういう国でも、人種差別は少しもなくならないわけです。
ということは、日本でヘイトスピーチの法的規制をしてもあまり効果はないということになるはずです。
 
ところで、オバマ大統領はこの暴動に関して、日本に言及しました。
 
「暴動は犯罪行為」オバマ大統領が非難
 アメリカのオバマ大統領は、ミズーリ州の黒人少年射殺事件で発砲した白人警察官が不起訴となったことに対しての暴動について、「犯罪行為だ」と非難しました。
 
  「建物を燃やし、車に火をつける。物を壊して住民に危害を加える。これは破壊行為で、正当化されない犯罪行為だ」(アメリカオバマ大統領)
 
 オバマ大統領は暴動について、このように述べ、「やった人間は訴追されるべきだ」と厳しく非難しました。
 
 一方で、「日本のように国民の大半が日本人という国では、このような問題は起こりにくい」と述べ、多様な人種が集まるアメリカならではの社会問題だと指摘。黒人を中心に警察官の対応が人種によって異なるという深く根ざした不満があることに一定の理解を示した上で、「短絡的な選択をせず、地元自治体との対話など、長期的な選択をすべきだ」と沈静化を呼びかけました。(2610:21
 
オバマ大統領の言い方だと、アメリカで人種差別が深刻なのは多様な人種が集まるからだということになります。
逆にいえば、日本にも多様な人種が集まってくれば、同じような問題が起こるはずだということです。
そうでしょうか。アメリカの人種差別にはアメリカ特有のものがあると思われます。
 
そもそも白人が黒人を奴隷にする奴隷制というのは、ヨーロッパにもアメリカと同じようにあっていいはずですが、ヨーロッパには黒人奴隷はほとんど“輸入”されませんでした。それどころか、ヨーロッパはアメリカに奴隷制をやめるように強く要求し、リンカーン大統領はそれに応えるために奴隷制廃止をしたのです。
つまり、黒人奴隷に対する態度は、アメリカとヨーロッパでまったく違います。
 
それから、先住民に対してもアメリカは特殊です。
カナダにも先住民がいましたが、カナダの場合はアメリカのように先住民の虐殺はありませんでした。オーストラリアとニュージーランドの場合も、白人入植者は先住民の土地を奪って建国したわけですが、そこに差別はあっても虐殺はありませんでした。
 
なぜアメリカがこのように特殊かというと、アメリカへの白人入植者は“神の国”をつくるという信念の持ち主が多かったということがあります。つまりアメリカは狂信者がつくった国だったのです。
 
“神の国”をつくるといえば、イスラエルも同じです。
ですから、アメリカとイスラエルはきわめて強い精神的な絆で結ばれているわけです。
 
ともかく、銃による先住民虐殺でつくった国なので、銃と建国の精神が結びついており、だからアメリカは銃を手放すことができないわけです。
 
アメリカは“神の国”を目指しながら、現実には“銃と人種差別の国”になっています。
アメリカの外交や軍事にもそれは表れています。
アメリカの外交と軍事がテロリストを生んでいることを見ても、それは明らかです(より正確にはアメリカとイスラエルの外交と軍事がテロリストを生んでいます)
 
日本がアメリカのために集団的自衛権行使をするのはまったく愚かなことです。