まったく盛り上がらない選挙ですが、麻生太郎財務相が1人でがんばって問題発言を連発して盛り上げてくれています。
「利益を出していないのは経営者に能力がない」発言に続いて、「子どもを産まないのが問題」発言です。
 
ただ、後者の発言については、全文を読むと問題発言ではないと指摘するブログが「BLOGOS」に紹介されていました。
マスコミが発言の一部を切り取って真意をねじまげるというのはありがちなことです。マスコミの尻馬に乗って無実の人をバッシングしてはいけないと思い、それを読んでみました。
 
麻生さんの発言の全文のどこに問題があったのか、じっくり聞いて書き起こしてみたよ
 
麻生大臣の問題発言とされるところの全文がこれです。
 
「それをしない限り日本の場合は少子高齢化になってて、昔みたいに働く人6人で高齢者一人の対応をしていたものが、今はどんどん子供を産まないから。なんか高齢者が悪いようなイメージを思い切り作ってる人がいっぱいいるけど、子供を産まないのが問題なんだからね。長生きしたのが悪いことなんか言ってもらっちゃ困りますよ。子供が生まれないから、結果として子供3人で1人の高齢者、もう少しすると2人でひとりになります。そら間違いなく税金が高くなるということですよ。それを避けるためにはみんなで少しずつ負担してもらう以外に方法がありません。ということで、私どもは消費税ということを申し上げております。」
 
この発言に対して、ブログ主の永江一石氏はこのように書いています。
 
すいません。どっか変ですか??
 
子供を作りたいという将来の夢がない社会にしたのは誰だっていう点はあるが、言ってることはごく当たり前。仮に「子供を産まない」主語が「おまえら」なのであれば「おめーら国民が子供を産まないのが悪い」と取れなくもないが、聴衆は老人ばっかりだし、話の前後を見ると「社会構造」の話をしているわけで、「子供を産まない社会が問題」のような気がします。話の前後に「最近の若い奴は遊ぶのに夢中で」とか「自分の生活を大切にしたいと子供も作らない」と言ってるならまだしも、そんなこと言ってないよ。
 
マスコミもこの発言の一部だけを切り出して、世界中に報道して日本の信用を損なうより、どうすれば少子化を食い止められるのかくらいの案くらい出して欲しいわ。
 
うーん、これはひどいです。残念ながら読解力がありません。国語の試験で『「子供を産まない」の主語はなにか』という問題があれば、永江氏の答えは「×」です。
 
その場にいる聴衆が老人ばっかりだから、主語は「おめーら国民」ではないなんていう理屈はありません。
それに、麻生大臣という社会体制を代表する人間が「社会が問題」なんていう社会改革家みたいなことを言うはずもありません。
 
「子供を産まない」の主語は当然、「子どもを産むべき世代」つまり「若いやつら」です。
 
 
そもそも麻生発言でおかしいのは、「高齢者が悪いようなイメージを思い切り作ってる人がいっぱいいる」というところです。そんな人がほんとうにいっぱいいるでしょうか。
「長生きしたのが悪いことなんか言ってもらっちゃ困りますよ」とも言っていますが、「長生きしたのが悪いことだ」と言っている人がいるでしょうか。
2ちゃんねるには「年寄り氏ね」とかいう書き込みはありますが、責任ある人が「長生きするのが悪い」と言うことなどありえないと思います。
 
もし「長生きするのが悪い」と言っている人がいるとすれば、それは若い人しかありえません。つまり麻生大臣はここで、むりやり若い世代を悪者に仕立て上げているのです。
 
なぜそんなことをするかといえば、聴衆が老人ばかりだからです。
「若いやつらは『長生きするのが悪い』なんて言ってあなたたちを批判するけど、ほんとは子どもを産まないあいつらが悪いんだよ」というのが麻生発言の真意です。
 
その場にいない人間を悪く言って、その場にいる人間の受けを狙う――というのが麻生大臣の常套手段です。
たとえば、2008年に愛知県で洪水があったとき、名古屋駅前の演説で「安城や岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたらこのへん全部洪水よ」と言って問題になったのが典型です。
 
ですから、麻生大臣はここでは子どもを産まない若い世代を悪者に仕立てていますが、もし秋葉原で演説したら、若者に受けるために年寄りを悪く言うということも当然ありえます。
 
麻生大臣には、安倍首相や稲田政調会長のようなイデオロギー臭がなく、その分愛されキャラとなっていますが、自民党議員のもうひとつの典型である利益誘導型の政治家です。そのため、目先の聴衆に言葉で“利益誘導”をしてしまうわけです。
 
それにしても、「BLOGOS」の永江一石氏の記事には「支持する」のカウントが現時点で129にもなっています。
支持しているのは自民党支持者でしょうが、もっと日本語の読解力をつけてもらいたいものです。