衆院選は予想通り与党勝利という結果でした。
この結果を招いたのは、やはり野党第一党である民主党がふがいなかったからでしょう。海江田代表が比例でも復活できず落選したというのがその象徴です。
 
民主党のだめさは、民主党のテレビCMで女性が笑顔で「夢は正社員になること」と語るシーンを見てもわかります。ほとんどの人は「えっ、夢ってそういうこと?」と思うでしょう。
安倍首相は選挙運動の最終日である13日、秋葉原で演説したときに、「あのテレビCM、恥ずかしいと思いませんか?」と言いました。安倍首相にまでバカにされています。
 
「正社員」という言葉をキーワードにCMをつくるなら、怒りあるいは悲しみの表情で「こんなに一生懸命働いてるのになぜ正社員になれないのですか」と語る女性を出したほうがよほどアピールします。
 
CMのつくり方というのは、小さな問題のようですが、大きな問題につながっているような気がします。
 
根本的なことを言えば、民主党は政権運営に失敗したのですから、そのあと反省して党が変わったことを示さなければ、有権者は投票する気になりません。それができていなかったということでしょう。
 
 
今後、そうとう長期にわたって自民党中心の政権が続きそうです。そうなると、日本はどうなるのか、これからのシナリオを考えてみました。
 
私自身は、安倍政権がどんどん右傾化していくということはそれほど心配していません。今の時代に“一国軍国主義”というのは不可能だと思うからです。
 
問題は、経済と国家財政です。
アベノミクスといっても、実態は小渕政権や森政権や麻生政権がやってきたバラマキと変わりません。これは結局、財政赤字をふやすだけです。
ただ、日銀による異次元の金融緩和が資産バブルを発生させているので、景気がよくなっているように見えますが、バブルはいずれはじけて、より深刻な不況を生みます。
 
安倍首相は「アベノミクスは経済の好循環を生む」と言っていますが、藻谷浩介著「デフレの正体」によると、労働人口が減少する社会がデフレになるのは当然だとされますし、水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」によると、歴史の長期的なサイクルでは先進国に投資してももうからない時代に入っているということで、安倍首相の言うようにはならないでしょう。
 
エコノミストにはアベノミクスに期待する人がたくさんいますが、おそらく1年、2年という目先の利益を考えて言っているだけで、長期的に経済成長が続くと思っている人はいないのではないでしょうか。現に2期連続でGDPはマイナスですし。
 
遅かれ早かれアベノミクスが失敗し、財政危機が表面化し、国債がデフォルトするか否かという事態になるのではないかと思われます。
 
そうしたことを避けるには歳出削減をしないといけませんが、民主党政権での事業仕分けのイメージがひじょうに悪いので、今、歳出削減を主張する声はほとんど聞かれません。
こういうイメージ戦略を仕掛けているのは官僚組織でしょうが、目先の利益だけを考えてのことです。
 
 
考えてみれば、私の人生はほとんど自民党政権とともにありました。民主党のCMではありませんが、「夢は政権交代」と想い続けて、今はその夢も失せてしまったわけです。
 
しかし、政権交代とか革命とかクーデターとかで変わるのは、社会の上部構造です。社会の下部構造、つまり人と人の関係から変えていくということを地道に続けていくしかないと思っています。