このところの政治のニュースを見ていると、すべてが同じ方向を向いていることがわかります。それは、「対米依存の深化」という方向です。今や急坂を転がり落ちる勢いです。
 
安保法制について自公両党が合意しましたが、要するに米軍の後方支援を拡大する方針です。
 
安倍首相は「テロとの戦争」でも勇ましい言葉を連発しましたが、これもすべてアメリカ側に立ってのことです。
 
安倍政権はひたすら辺野古新基地建設に向けて進んでいますが、これももちろんアメリカのためです(日本の政治家の利権のためということもあるようですが)
 
中国が設立を提唱しているアジアインフラ投資銀行に、イギリスが参加表明したのに続いてフランス、ドイツ、イタリアも参加表明し、日本ではわが国も参加するべきではないかという議論が起きています。日本はアメリカの意向に従うだけで、参加の損得も計算せず、他国がどう動くかという情報収集もしていないので、今になってあわてふためくわけです。
 
きわめつけは、鳩山由紀夫元首相がロシアを訪問し、クリミア編入を支持する発言をしたことに対して壮大なバッシングが起こったことです。
鳩山元首相は前から気ままな言動を繰り返し、「日本が尖閣諸島を盗んだと思われてもしかたがない」と発言したこともありますが、今回はそのとき以上のバッシングです。尖閣問題は日中間の問題であるのに、クリミア問題はアメリカが主体的に関わる問題だからでしょう。
 
 
この対米依存の深化というのは、安倍首相の意志を超えたスケールで進展しています。
アメリカは安倍首相の歴史認識や靖国参拝に反対していて、安倍首相はアメリカに屈せざるをえません。
 
安倍首相は村山談話、河野談話を継承すると明言していますし、安倍談話について検討する21世紀構想懇談会の北岡伸一座長代理は「私は安倍さんに日本は侵略したと言ってほしい」と語りました。
ドイツのメルケル首相が来日したとき、歴史認識についてかなりはっきりしたメッセージを発しましたが、これはアメリカと共通した認識だったでしょう。
3月21日の日中韓の外相会談においては、共同文書に「歴史を直視」という言葉が盛り込まれました。
 
考えてみれば、安倍首相は「美しい国」というスローガンをいつの間にか「新しい国」に変更しています。
「美しい国」はアメリカの押し付け憲法を改正し、東京裁判史観を否定し、軍国日本の名誉回復をはかろうというものだったでしょうが、今の「新しい国」は日本らしさのまったくない、テロとの戦争でただアメリカに追随するだけの国です。
アメリカの劣化コピーのような国は、さすがに安倍首相から見ても「美しい国」とはいえないので「新しい国」としたのでしょうが、正確な表現は「美しくない国」です。