「仕事と私、どっちがだいじなの?」というのは、私が子どものころからドラマでよく耳にしたお決まりのセリフです。
そして、これほど答えにくい質問はありません。
そうしたところ、この質問に対する「正解」を教えるというサイトがありました。
 
究極の質問「仕事と私、どっちが大事なの?」の正解
 
これを書いたのはコピーライターで作詞家の佐々木圭一氏です。
直接読んでいただければいいのですが、サワリの部分だけ紹介します。
 
 
翌日の土曜日、ランチをすることになったふたり。そのテーブルには、レストランの店員さえも近づけないほどの緊迫感がありました。グラスの水が、心なしか震えています。彼女は言いました。
 
 「仕事と私、どっちが大事なの?」
 
究極の質問です。
答え方によっては、ふたりの関係に、修復不可能なヒビが入るでしょう。
 
そこでもし、永井さんが、
 
 「ごめん。でも俺だって、好きで仕事ばかりしてる訳じゃないし」
 
 ……と言っていたら、きっと完全にアウトだったでしょう。
彼女は血管をぶちぶち切りながら怒ったに違いありません。
グラスの水は、鋭く波だってこぼれていたでしょう。
 
ですが、そこで永井さんはこう言ったのです。
 
 「ごめん。でも誰より優子にだけはそんなふうに思わせたくなかった。ごめんな。じぶんが情けないよ」
 
思わぬ優しいコトバ……彼女は徐々に怒りが消えていくのがわかりました。
そして、「言い過ぎたかな。彼だって仕事、がんばってるんだし」とも思い、ちょっと反省。
 
永井さんに大切に思われていることがわかり、以前よりも彼への愛が深まることさえ感じました。
 
ピンチを「コンマ1ミリで逆転」した彼のひとこと。
決して狙って口先で言っただけではなく心から湧き上がったコトバでした。
そしてそのコトバは、「ノー」を「イエス」に変える技術の切り口「あなた限定」だったのです。
 
 
これが「正解」と言うのはどうなのでしょうか。ごまかしのテクニックを言っているような気がします。
 
とはいえ、「仕事と私、どっちがだいじなの?」という質問にひじょうに答えにくいのは事実です。
男が女性とつきあったり結婚生活を維持したりできているのは、男が仕事をして生活の糧を稼いでいるからです。男が仕事を辞めて無職になれば、女性も逃げていくはずです。ですから、仕事と女性とどちらがだいじか、どうしても答えろと言われれば、仕事と答えるしかありません。
しかし、目の前の女性にそれを言うわけにはいきません。女性は自分をだいじにしてくれることを望んでいるからです
そこで、なんとかしてごまかすしかないということになります。
 
ですからこの問題は、私が考えるに、女性が質問を変えなければなりません。
「その仕事と私、どっちがだいじなの?」あるいは「その会社と私、どっちがだいじなの?」と言うべきです。
 
こう言えば、男としては、上司に言ってその仕事を断るとか、あまり残業のない会社に転職するとか、現実的な選択肢があるので、ごまかしてばかりはいられません。真剣に対応せざるをえないでしょう。
 
女性がこのように言うようになれば、ワーク・ライフ・バランスも自然と進展して、世の中がよくなっていきます。
 
もっとも、女性が「その仕事(会社)と私、どっちがだいじなの?」と言ったために男が会社を辞め、なかなか再就職できないとか、再就職したものの給料が下がったとか、前の仕事のほうがやりがいがあったとかという問題が生じることは十分に考えられます。そうすると、それに対して女性にも責任が生じてきます。
そういうことがあるので、女性は昔から「仕事と私、どっちがだいじなの?」という答えようのない質問を続けているのかもしれません。
 
それにしても、何十年と同じ質問を続けているのも芸のない話です。
こうなれば男性のほうも思い切ったことを言うべきかもしれません。
 
「仕事と私、どっちがだいじなの?」と言われたら、「仕事に決まってるだろう。君は俺に給料を払ってくれるのか?」と言い返すのです。
これこそが「正解」だと思います。2人の関係がどうなるかは知りませんが。