5月14日夕方6時、たまたまテレビをつけていたら、安倍首相の安保法制についての記者会見が始まりました。
これがなんともつまらない会見で、チャンネルを変えようかなと思っていると、会見の途中で中継が終わってしまいました。
ほかのチャンネルを見てみたら、この時間帯はテレビ東京を除いてすべてニュース番組ですが、どこもすでに会見の中継はやっていません。やっていたのはNHKだけでした。つまらない会見なので視聴率が稼げないとどの局も判断したのでしょう。
 
なぜつまらないかというと、安保法制といい集団的自衛権行使といい、今しなければならない必要性が感じられないからです。
中国が軍拡をしているということが理由として挙げられますが、アメリカ軍の力は圧倒的で、中国軍はその差を少し縮めただけですから、日本人が中国軍に脅威を感じるはずはありません。
 
平成27514
安倍内閣総理大臣記者会見
 
安倍首相は会見において「海外派兵が一般に許されないという従来からの原則も変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、今後とも決してない」と言いましたが、これが信用できません。
 
湾岸戦争のときもイラク戦争のときも、国連決議のあるなしということが盛んに議論されました。つまり国連決議という根拠なしに戦争の参加はもちろん支援もしてはいけないという認識が前提としてあったわけです。
 
ところが、現在安倍首相が目指しているのは、アメリカとの集団的自衛権を行使することです。国連決議は関係なく、“アメリカの私戦”に参加しようというのです。
 
安倍首相は「あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う」と言います。「切れ目がない」というのはつまり「アメリカべったり」ということです。
 
もしアメリカのすることがすべて正義であるなら「アメリカべったり」でもいいかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。イスラム国に対する空爆にしても、なんの大義もありません。
 
ところが、安倍首相や外務省はアメリカを絶対化して、アメリカの戦争を疑うということをしないようです。
つまりアメリカ依存の心理です。
 
ところが、安保法制を批判する人にも、アメリカ依存の心理があるのではないでしょうか。
 
「戦争法案反対」抗議の声 安保法制、官邸前や銀座で
 東京の首相官邸前などでは14日、法案に反対する市民グループや労働組合などが抗議の声を上げた。
 
 午前8時から官邸前で開かれた抗議活動は、作家の鎌田慧さんらが発起人を務める「戦争をさせない1000人委員会」など3グループが呼びかけた。約500人(主催者発表)が集まり、「戦争法案、絶対反対」「閣議決定、勝手に決めるな」などとかけ声を合わせた。
 
 東京都台東区の元教員、吉野典子さん(58)は「戦争のための法律を『平和支援』と呼ぶなど、政権の言葉はごまかしに聞こえる」。東京都八王子市の男子大学生(19)は「自分が社会に出たとき、日本がどうなっているか怖い。選挙に行けない分、ここで意思表明をしたい」と語った。
 
 官邸前の抗議は、全労連系や旧総評系の労組も党派を超えて連携している。民主、共産、社民の国会議員も駆け付け、マイクで「憲法違反の法律を止めよう」などと訴えた。法案の審議に合わせて、今後も毎週木曜日の夜に国会周辺で抗議活動を開き、市民に参加を呼びかけるという。
 
 東京・銀座では14日正午すぎ、法案に反対する女性たち400人余りが抗議の思いを示すため、赤色のTシャツや帽子などを身に着けてパレードした。主催団体によると、「戦争する国づくりと安倍政権への『レッドカード』の意味を込めた」という。
 
 お笑いコンビの爆笑問題の太田光さんの妻で芸能事務所社長の太田光代さんや、音楽評論家の湯川れい子さんらが呼びかけ人になった。「戦争立法とんでもない」「武力で平和は守れません」と訴えながら街を歩いた。
 
この記事には「アメリカ」という言葉がまったく出てきません。
安倍首相や安保法制は批判しても、アメリカは批判したくないのでしょうか。
 
アメリカ依存の心理が日本人に広く存在する限り、日本がアメリカの戦争に参加することを止められないと思います。