藩儀文国連事務総長が北京の抗日戦争勝利記念式典に出席したことが妙にこじれています。
 
きっかけは、菅官房長官が潘基文氏の式典出席を批判したことでした。
菅官房長官に続いて自民党の外交部門などが潘基文氏に対して抗議文を送付することを決めました。また、岸田外相は国会で「国連は中立性を大事にしなければいけない」と不快感を示しました。
 
潘基文氏がこれに対して反論しました。


基文・国連事務総長「国連は中立ではありえない」 日本からの批判に反論
 
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、95日の中国中央テレビ(CCTV)に出演した。抗日戦争勝利70周年の記念パレード参観に対し、日本などから「中立性に問題がある」と批判されていたことについて「国連や事務総長は中立ではありえない」と反論した。
(中略)
「国連や事務総長は中立であるべきだとの誤解があるが、中立(neutral)ではありえず、公平(impartial)だというべきだ」と述べた。
(後略)
 
 
同じことを産経新聞が書くと、こうなります。
 
 
潘国連総長「国連は中立ではなく公平」と反論 抗日行事出席を正当化
 
【北京=川越一】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は5日付の中国の英字紙チャイナ・デーリー紙上で、中国の抗日戦争勝利70年記念行事に出席したことに日本政府などから批判が出ていることについて、「過去から学び、よりよい未来を目指すことが、今回の訪中の主たる目的だ」と述べ、自らの判断を正当化した。
 
 菅義偉官房長官は潘氏の出席について、「国連は中立であるべきだ」などと不快感を表明していた。潘氏は「国連事務総長や国連の組織は中立でなければならないという誤解がある。国連は公平な組織だ」と反発。事務総長に求められるのは「中立性」ではなく「公平性」だと居直った。
 
 胸に勲章を下げた老兵の姿が式典で印象に残ったとする潘氏は、「彼らの貢献と犠牲を忘れてはならない」と強調。「過去から正しく学ばなければ正しい方向に向かうことは難しい」と述べ、中国に迎合した。
 
 
「自らの判断を正当化した」「居直った」「中国に迎合した」と、ジャーナリズムにあるまじき主観的価値判断の文章です。
 
しかし、潘基文氏に対して菅官房長官が反論しました。
 
 
菅官房長官、「言葉遊びに受け取れる」と不快感 国連事務総長「国連は中立ではない」発言受け
 
 菅義偉官房長官は7日午前の記者会見で、国連の藩基文(パン・ギムン)事務総長が抗日戦争勝利70年記念行事への出席で受けた日本政府などからの批判に「国連は中立でなく、公平な組織だ」と反発していることに関し、「国連は中立で、当然、公平公正なのは当たり前のことだ。何か言葉の遊びをしている感じにさえ受けとれる」と述べた。
 
 菅氏は「(国連事務総長が)軍事パレードに参加したことは極めて残念だ」と強調。国連のあり方について「国連は加盟国に対し、いたずらに特定の過去に焦点をあてるのではなく、自由、人権、法の支配を含め国際社会の融和と発展を推進する立場だ」と改めて主張した。
 
 
ひじょうにくだらない論争になっていますが、考えてみると、最初に菅官房長官が潘基文氏を批判したのが間違いでした。潘基文氏が北京の式典に参加したからといって日本になにか不利益があるわけではなく、まったく無用の口出しです。
 
菅官房長官や自民党や産経新聞が潘基文氏を批判するのは、潘基文氏が韓国人だからでしょう。日本が国際機関の要人を批判するということは、これまでなかったはずです。その批判も、無能だとか、韓国の大統領選に出るためのスタンドプレーだとか、人格批判になっています。
これは韓国人に対するレイシズムです。
 
潘基文氏は歴代事務総長と比べると無能なほうでしょう。しかし、もともと潘基文氏は有能なゆえに選ばれたのではなく、アメリカに盾突かない人物であるがゆえに選ばれたのです。
 
そのアメリカは、潘基文氏を擁護しています。
 
 
米「戦争犠牲者を敬うのは適切」国連事務総長訪中で
 
中国の戦勝記念式典に国連の潘基文事務総長が出席することについて、日本政府が懸念を表明しているのに対し、アメリカの国務省は「戦争の犠牲者を敬うことは適切だ」と述べました。
 
  米国務省・トナー副報道官:「米国は悲劇的な戦争を戦い、命を落とした犠牲者を敬うのは適切だと考えている」
  トナー副報道官は1日の記者会見で、「アジア各国が連帯を強め、平和と繁栄の新しい時代をもたらすことを期待する」と述べました。日本政府は「国連はあくまで中立であるべきだ」としていて、訪米した衆議院の大島理森議長も潘事務総長に日本の政府や国民が懸念を示していると伝えていました。
 
 
こうしたアメリカの発言に反論する声は、日本ではまったく上がりません。
 
菅官房長官らの言動を見ると、日本の中枢までレイシズムに冒されていることがわかります。