世界が難民受け入れに向けて動いています。
きっかけはシリア難民の幼児の遺体を写した1枚の写真だったということに複雑な思いがしますが、なんであれ難民受け入れが進むのはけっこうなことです。
 
しかし、難民受け入れというのは、いわば対症療法です。ほんとうの難民対策は、難民が出ないようにすることです。
しかし、そういう議論はまったくなされていないように見えます。
 
なぜそういう議論がなされないのかというと、私が思うに、アメリカに対する遠慮や怖れがあるからです。
 
今、難民が発生するのは、イスラム国やシリア政府に原因があるように見えます。しかし、これらの地域、あるいは中東全域は今やアメリカの圧倒的な影響力のもとにあます。中東で表立ってアメリカに逆らう国はありません。そこからどんどん難民が出てくるのですから、これはアメリカに責任があると言わざるをえません。
 
たとえばアメリカは昨年9月からイスラム国への空爆を行っていますが、1年たっても少しも地域は平和になりません。逆にどんどん難民が流出しています。
これはアメリカの政策の誤りというしかありません。
 
しかし、そういうことを言っても、アメリカは絶対に聞く耳を持ちません。それがわかっているので、そういう議論が起こってこないのだと思います。
 
 
アメリカに文句を言ってもどうせ聞いてくれないので最初から言わない――というのは日本における辺野古移設問題もそうですし、安保法案もそうです。
 
安保法案については、ヤフー「みんなの政治」に解説記事が載っていました。
 
ホントにわかってる? 安保法案の論点
 
各論点について賛成派、中立派、反対派の代表的な意見を取り上げ、解説するというものです。
最初にもっとも基本的な賛成意見が載っています。
 
賛成意見の全体解説
 今回の安全保障関連法案の柱は、集団的自衛権の行使が可能となった点にあります。現在の法律では、日本は、自分自身が攻め込まれた場合に限り、武力行使が認められています。これを法改正することにより、アメリカ等の同盟国が攻められた場合にも、日本が武力を行使することが可能となります。これにより、わが国の安全保障の基軸である日米間の協力関係が強化され、争いを未然に防ぐ力である抑止力を高めることが期待できます。
 
ここに「アメリカ等の同盟国が攻められた場合」と書いてありますが、これはアメリカの国土が侵略された場合という意味ではありません(そんなことあるわけないし、あっても助けは無用)。アメリカがたとえば中東で空爆をしたり、地上作戦をしたりしているときに反撃された場合という意味です。
これはアメリカが先制攻撃ないし侵略をしていて、向こうが自衛権ないしは正当防衛権を行使しているわけです。
そんな状況で日本がアメリカと一体になって武力行使をしたり後方支援をしたりするのはまったく愚かなことです。アメリカからなにか見返りがあったとしても、うらまれたりテロ攻撃をされたりします。
 
反対派の代表的な意見も載っています。
 
反対意見の全体解説
 今回の安全保障関連法案は、これまで政府が認めてこなかった集団的自衛権の行使を可能とするものであり、個別的自衛権のみを許容してきた憲法9条に明らかに違反するので、違憲といわざるを得ません。また、戦争中である他国軍の後方支援のために自衛隊が派遣されると、隊員が相手から攻撃されるだけでなく、日本が戦争に巻き込まれ、国民の生命と安全が脅かされる事態をまねく可能性もあります。
 
これは日本のことばかり書かれていて、「他国軍」(アメリカ)を評価するという視点がありません。ですから、賛成派は「アメリカは正義だ」とは言わなくても「国際社会で役割を果たすため」とは言うわけで、そう言われたときに反論ができません。
 
つまり賛成派も反対派も、アメリカは雲の上の存在で、自分たちがその行動の良し悪しを評価するような対象ではないと思っているのです。
 
実際のところは、アメリカは覇権主義国で(昔は帝国主義国といっていた)、世界に圧倒的な影響力を持ち、その結果暴力の連鎖を招き、難民を生み出しています。
ところが、日本も西ヨーロッパもアメリカとの一体化が進んで、アメリカを客観的に見ることができないわけです(ロシアや中国のほうが客観的に見ています)
 
最近、日本人は中国のことばかり論じていますが、中国よりも先にアメリカのことを論じるのが物事の順序というものです。