米軍は1026日、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリの境界内に駆逐艦を派遣し、「航行の自由作戦」を実施しました。
この海域の領土問題にはフィリピンとベトナムが関わっているので、アメリカの行動はフィリピンとベトナムへの支援という意味があるのでしょう。
一方、アメリカは尖閣諸島問題では態度をはっきりさせません。日本はアメリカから軽視されているのではないでしょうか。
 
フィリピンはかつて広大な米軍基地をかかえていて、そういう意味では日本と同じような立場でした。
しかし、日本とはまったく違うということが次の記事を読んでよくわかりました。
 
過去に追い出したが…中国脅威を前に米軍再駐留を模索するフィリピン 国内から思わぬ反応
 
 
この記事によると、フィリピンにかつてあった米軍基地はひじょうに大きかったということです。
 
 
米軍がフィリピンに駐留していた頃、主要拠点となっていたのはクラーク空軍基地とスービック海軍基地で、どちらも非常に大規模なものだった。クラーク基地は現在、一部がフィリピン空軍の基地として使用されている。スービック基地は、インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙(INYT)によれば、シンガポールとだいたい同じ広さだったという。後者は20世紀中の米軍の戦闘のほぼ全てに関わっていたという。米軍撤退後には経済特別区とされた。
 
 
フィリピンは米軍を完全に追い出してしまったのですが、中国が領土で拡張主義的な動きをすると、一転して米軍を引き戻そうとします。
 
 
昨年、フィリピンとアメリカは「米比防衛協力強化協定」という行政協定を結んだ。有効期限は10年とされている。この協定によって、米軍はフィリピン軍基地内で、人員の滞在、施設の建設、航空機や艦船の事前配備などが可能になる。ただしこれは常駐ではなく、一時的な滞在であることも協定に明記されている。というのも、現在のフィリピンでは、外国軍の常駐が憲法によって禁じられているからだ。
 
 
フィリピンのこうした動きは、産経新聞などによると、日本も米軍を追い出すと後悔することになるぞという記事としてまとめられます。
しかし、フィリピンは米軍を追い出したり、また引き戻そうとしたり、やりたいようにやっていて、アメリカもそれに応えています。
 
それだけでなく、フィリピンはアメリカから軍事援助を受けていました。
 
 
INYTは、フィリピンとアメリカの軍事協力の一形態として、フィリピンがアメリカに多額の軍事費の援助を求めていることも伝えている。
 
 INYTはフィリピン軍を、アジアで最も弱い軍の1つだと語っている。また、アメリカがかつてフィリピンを統治していたという歴史に加えて両国の軍事協力のもう1つの障害になっているのは、フィリピン軍のおんぼろな状態だ、と指摘している。さらに、フィリピン軍は昔から、無駄遣いと汚職を欠点として持っている、と畳み掛ける。
 
 アキノ政権は非公式協議でアメリカに対し、今年度、最大3億ドルの援助が必要だと強く求めているという。しかしオバマ政権はこれまでのところ、この要求をはねつけている、とINYTは伝える。汚職の心配があることと、それほどの資金流入をフィリピンが扱いきれるかどうかを心配しているためとのことだ。米国務省の報道官は、フィリピンはすでに東南アジアではアメリカの軍事援助の最大の受け手であると指摘している。
 
 
つまりフィリピンは東南アジアではアメリカの軍事援助の最大の受け手であるのに、さらに増額を要求しているのです。
 
一方、日本はアメリカのために辺野古に新基地をつくろうとし、思いやり予算を貢いでいます。
 
フィリピンはわがまま息子みたいなものです。アメリカの世話にならないと言って一旦自立したものの、うまくいかないとまた世話になりたいと言い、お金までもせびっています。
一方、日本はアメリカから勘当されるのが怖くて言いなりになり、自分のほうがアメリカよりたくさん借金をかかえているのにアメリカに仕送りをしています。
 
フィリピンはアメリカの旧植民地であるという事情はありますが、日本とあまりにも違います。日本も少しはフィリピンを見習ったほうがいいでしょう