空爆の実態も知らないで、一方的にテロリストを残忍だ、卑劣だと批判する人は困ったものですが、では、私は空爆の実態を知っているのかというと、そんなことはありません。
私はこのブログでアメリカなど有志連合の空爆についていろいろ書きましたが、映画「ドローン・オブ・ウォー」を根拠にしたり、テロリストと非テロリストの区別はつけられないに違いないという推測を述べたりしただけです。
 
空爆がどのようにして行われているかについては、ちゃんとしたマスメディアやジャーナリストが報道するべきですが、そういう報道がまったくといっていいほどありません。アメリカの報道統制が完全に機能しているようです。
アルジャジーラなどならある程度報道していそうですが、私はそこまでカバーしていられません。
 
そうしたところ、空爆の実態についての記事を見かけました。
ロシアの空爆は誤爆だらけだということを“西側”のメディアは盛んに主張していますが、それに乗っかった形で、まずロシアの空爆を批判し、その次にアメリカなどの空爆を批判しています。
この記事は「epreader」というスペイン語サイトの記事の翻訳のようです。そのサイトにどれだけ権威があるのかよくわかりませんが、記事には「シリア人権ネットワーク」の調査とか「インターセプト」の内部資料とか、一応根拠が示されています。空爆の実態についての貴重な記事なので、少々長いですが、ここに引用しておきます。
 
 
ロシア空爆、犠牲者の98%が民間人。アメリカは90%が誤爆 シリアの真実
 
人権団体や調査団体によると、ロシアの空爆の98%が誤爆で、米軍無人機の90%が誤爆だった。
 
両軍とも歩兵部隊を展開しておらず、どうやって敵と市民を区別しているのか謎だった。
 
ロシアによる戦争犯罪
 
ロシアによるシリア空爆で誤爆が相次いでいるという報告が、現地で活動する団体などからなされています。
 
正確に言えば誤爆などというレベルではなく、98%の標的がイスラム国と無関係な市民だったという指摘がされています。
 
シリア人権ネットワーク(SNHR)がロシアが空爆した111ヶ所を調査したところ、犠牲者は538人だった。
 
98%に当たる570人が民間人で、戦闘員は13人、学校16、医療機関10、モスク10、市場5が含まれていました。
 
57の空爆現場は住宅地など民間人地域で、爆撃地点の殆どはIS(イスラム国)支配地域では無かった。
 
ロシアがイスラム国への攻撃を開始した初日から、米国などは無関係な地域を攻撃していると指摘していました。
 
 
米国は親米の立場を取る武装勢力と手を組んで掃討作戦を展開していたが、ロシアは親米武装勢力を攻撃していました。
 
イスラム国を攻撃していると言いながら、実際にはイスラム国と対立する親米の武装勢力を攻撃していた。
 
さらにロシア軍の攻撃対象の多くが民間地域や民間人で、軍事拠点や兵士を対象としたものでは無かった。
 
 
ロシア軍の攻撃方法も当初から問題とされていて、レーザー照準で目標だけを破壊する米軍機に対し、町ごと破壊していた。
 
ロシア空軍機は大量の爆弾を空中散布し、第二次大戦やベトナム戦争風に、町ぐるみ丸ごと破壊しています。
 
英国諜報機関によるとロシア空軍の攻撃のうち、ISを狙ったものは5%で、95%が無関係な対象への攻撃だった。
 
最初から目標に命中させる気すら無く、稀に見る凶悪な戦争犯罪と言える。
 
 
アメリカは正義なのか
 
 
では対する欧米軍はもっと『紳士的』なのかといえば、米軍機の攻撃も殆どが誤爆だと指摘されました。
 
アメリカのネットメディア「インターセプト」は201510月「米無人攻撃機の活動の9割は誤爆だった」という内部資料を暴露しました。
 
米国防省とアメリカ政府は資料へのコメントを拒否していて、否定しなかったという事は真実なのでしょう。
 
 
資料は20125月からの5ヶ月間を調査したものですが、他の期間もあまり変わらないと考えられます。
 
無人機ではない有人機でも誤爆が相次いでいて、10月には国境無き医師団の診療所が誤爆されています。
 
アメリカの観察によるとロシアが攻撃しているのは、イスラム国が存在しない地域ばかりで、無関係な人を対象にしているという。
 
 
そう言っているアメリカ軍の方も、これから攻撃しようとしている人間が、一体どこの何者なのか確認していません。
 
無人攻撃機の操縦画面を見て「怪しい人間だ」とか「何かを持っている。武器に違いない」という理由で攻撃します。
 
ベトナム戦争の時、ベトナムの農民は、アメリカ軍が攻撃してきたらそのまま農作業を続けたそうです。
 
 
農作業を止めたら怪しいと攻撃され、逃げれば攻撃され、地面に伏せても攻撃されたからです。
 
アメリカの無人攻撃機の操縦はアメリカ西海岸の基地内で行っていて、ゲームセンターのような装置で操作しています。
 
ゲーム機そっくりの操縦装置に腰掛けて、パイロットはコーラを飲みながら、適当に判断して攻撃しています。
 
ロシアもアメリカも、フランスやイギリスも同じ事をしていますが、こうなる理由は敵の識別が出来ていない事が上げられます。
 
現在シリア周辺には空軍の護衛やミサイル部隊を除けば、地上部隊は展開されていません。
 
数十年前には航空攻撃には事前に地上部隊を派遣し、敵の情報を調査する必要がありましたが、今は必要有りません。
 
 
人工衛星や偵察機、あるいは無人飛行機でかなりの情報が得られるので、空軍だけで作戦行動が可能です。
 
だが一つ問題が生じ、衛星画像や航空写真をいくら眺めても、「敵か味方か市民か」どこにも書いていません。
 
テレビやネットで流れる戦闘機や偵察機の写真あるいは動画を見て、イスラム国兵士か民間人か分かる人は居ません。
 
 
アメリカ空軍もロシア空軍も、フランス空軍も、一体どうやって民間人とイスラム国兵士を区別しているのか説明しません。
 
説明できる筈が無く、上から写真を眺めても分かる筈が無いからです。
 
敵と見方を区別するには地上部隊を派遣するしかなく、攻撃してきたら敵で、攻撃してこないのが民間人です。
 
 
ゲリラ兵やテロリストは正体を隠す為に、必ず民間人に成りすますので、実際それしか識別方法はありません。
 
無線や携帯電話をキャッチして攻撃するのは良く聞きますが、そんな分かり易い敵はごく一部でしょう。
 
98%誤爆のロシアより、90%誤爆のアメリカはマシなのだろうか。