オバマ大統領は1月12日、議会で一般教書演説を行いました――とはいうものの、「一般教書」とはなんでしょうか。
「教科書」なら知っていますが、「教書」なんていう言葉は、見たことも聞いたこともありません。
私は長年もやもやしていましたが、こんなことは検索すればすぐわかることです。
 
 
知恵蔵miniの解説
 
一般教書演説
米国大統領が連邦議会両院の議員に対して行う施政方針演説のこと。「教書」とは「国の状況についての報告及び政策提案」のことを言い、議会による特別な招待の下で、大統領が上下両院議員に対して教書を口頭で演説することが慣習化したもの。通常1月に行われ、「予算教書」「大統領経済報告(経済教書)」と合わせて三大教書と呼ばれる。179018日、初代大統領ジョージ・ワシントンが行ったのが初の一般教書演説で、第33代大統領ハリー・S・トルーマン以来、テレビ中継が行われるようになった。
 
 
要するに日本の「施政方針演説」に当たるもののようです。
とすれば、どうして「施政方針演説」と訳さないのでしょうか。
英語では「State of the Union Address」というのですが、「一般教書演説」は直訳ですらありません。わざわざわかりにくい言葉になっています。
 
大統領制のアメリカと議院内閣制の日本は違いますから、「施政方針演説」という言葉は使えないのでしょうか。それなら「年頭演説」でもいいはずです。
とにかく翻訳とか通訳は、わかるように訳すのが基本です。わからない言葉を持ち出してほしくありまぜん。
 
 
それから、アメリカには「国務長官」がいます。今の国務長官はジョン・ケリーで、その前はヒラリー・クリントンでした。
 
「国務長官」というぐらいですから、私は国のこと(内政)をする役職だと思っていました。国務長官が外交をしていることは知っていましたが、国のことをやりつつ外交もしているのだと思っていました。
 
しかし、アメリカの国務長官は実は外交を担当していて、ですから「外務長官」と呼ぶべきものなのです。
私は恥ずかしながら、このことを数年前に知りました。
 
ウィキペディアにはこう書いてあります。
 
 
アメリカ合衆国国務長官(アメリカがっしゅうこくこくむちょうかん、United States Secretary of State)は、アメリカ合衆国の外交を担当する閣僚。日本の外務大臣に相当する。
 
 
この場合は直訳です。「Foreign」という言葉がないので、「外務長官」とは訳しにくいかもしれません。
しかし、実質は外交担当なのですから、やはり「外務長官」と訳すべきだと思います。「国務長官」では私と同じに誤解している人も多いのではないでしょうか。
 
「一般教書演説」といい「国務長官」といい、わかるように訳すという基本ができていません。
どちらもアメリカの中枢に関する言葉です。
アメリカの中枢に関することは、日本人にわかりやすく訳す必要はない、日本人のほうが努力して理解するべきだという属国根性からきているのでなければ幸いです。