覚せい剤取締法違反で逮捕された清原和博氏は、現役時代に「覚せい剤打たずにホームラン打とう」という覚せい剤追放ポスターに起用されていました。その本人が覚せい剤にはまるのですから、皮肉なことです。
 
このポスターがつくられたのは1987年のことです。
その前年、清原選手はルーキーとして打率0.30431本塁打、78打点、シーズン終盤には4番打者となりチームの日本一に貢献、新人王となりました。高卒ルーキーとしては驚異的な成績です。それに、ドラフト指名のときに巨人に裏切られたといういきさつから同情も集めて、たいへんな人気者になりました。その人気にあやかってキャンペーンに起用されたと思われます。
 
ただ、そのときに期待値が高くなりすぎたのかもしれません。その後も一流選手といえる成績でしたが、世間の期待には少し届かない感じで、清原選手と世間とがずれていきました。
 
ちなみに長嶋茂雄氏は大卒ルーキー年に本塁打王と打点王を獲得し、新人王にもなり、たいへんな人気者になりましたが、その後も世間の期待に応える活躍をしました。
 
また、桑田真澄氏は巨人入団のいきさつからヒールのイメージがつき、不動産投資の失敗でつくった借金を球団に肩代わりしてもらって、「投げる不動産屋」などと揶揄されました。しかし、そうした世間の逆風の中で生きてきたことが逆によかったのか、へんな祈りのポーズをしたりしながら次第に自己のイメージアップに成功してきました。
 
清原氏と桑田氏は奇妙にクロスする人生を歩んできました。そして、桑田氏が清原氏に説教する立場になりましたが、それは清原氏にとってがまんならないことだったかもしれません。
 
清原氏が長嶋氏のような超一流選手になれなかったのは、人間が違うのだから当然だと私は思いますが、中には1年目の好成績で慢心したからだと考える人もいるかもしれません。
 
 
今、世間は清原氏を犯罪者として批判しています(今は起訴前なので容疑者というべきですが)
しかし、麻薬犯罪というのは「被害者なき犯罪」と言われ、普通の犯罪とは違います。
いや、麻薬犯罪の被害者は本人自身であるとも言えます。
そうすると世間は被害者を批判していることになります。
 
日本ではアルコール依存症者は犯罪者ではありません。病人として治療の対象になります。しかし、国によっては飲酒するだけで犯罪者とされます。
日本ではマリファナを使用すると犯罪者ですが、アメリカでは今、マリファナの合法化が進んでいます。
日本でも、覚せい剤依存症者をアルコール依存症者と同じに見なす時代がきてもおかしくありません。
今でも清原氏のためを考えるなら、覚せい剤依存症者という病人と見なして対応するべきです。
 
もっとも今の清原氏は、巨人に裏切られて涙を流した高校生ではなく、ヤクザとのつきあいが噂されるコワモテのオヤジですから、世間の人が冷たい対応をするのもしかたのないことかもしれません。
ただ、そういう冷たい対応は本人のためにならないということは認識しているべきです。