川崎市の有料老人ホームで高齢者3人が相次いで転落死した事件で今井隼人容疑者(23)が逮捕され、その動機や介護事業での勤務体制などが問題となっています。しかし、警察の捜査はほとんど問題になっていません。
 
この事件は、2014年の11月4日から1231日までの2か月足らずの間に同じ老人ホームで、87歳男性、86歳女性、96歳女性がいずれも自室のベランダから転落死したというものですが、最初の2件は事故として処理され、3件目で初めて事件の疑いがあるとして司法解剖されました。
私はこのことを知ったとき、神奈川県警が天下りとかでこの老人ホームと癒着しているのかと思いました。そういうことがないと説明のつかない愚かさです。
しかし、なんの報道もないので、なんとなく忘れていました。
 
なぜ報道がなかったのか、「選択」3月号の次の記事に事情が書いてありました。
 
 

川崎老人ホーム殺人の異様な報道警察批判を自主規制するメディア

 
 川崎の老人ホームで三人の入居者が立て続けに転落死した事件の報道が異様だ。
 
  不自然な転落をしているにもかかわらず、警察は最後の三人目まで司法解剖を行わなかったが、メディアはその部分にはほとんど切り込まない。司法解剖を行わなかった事実と警察の「初動捜査に問題があった」という通り一遍のコメントを流すだけだ。某紙横浜支局の記者は「警察批判は相変わらずタブー」と明かす。ある新聞社では現場記者が出した検視や司法解剖の問題点についての記事を、上が握りつぶしたという。
 
  逮捕後の神奈川県警による記者レクチャーで、朝日新聞の記者がこの点について執拗に質問をしていた。しかし蓋を開けるとその日の夕刊で、朝日はこの点を記事にしていなかった。昨年九月にこの問題が発覚したのは朝日のスクープによるものだった。「捜査が難航し、警察上層部が立件断念に傾いたことを危惧した捜査関係者が情報源とみられている」(前出某紙記者)。朝日の対応も警察への異常なまでの配慮のようだ。
 
 
2人続けて転落死しているのに事故としか見なかった警察の無能ないし怠慢は異常です。
もしこの時点で事件の疑いを持って関係者に事情聴取していれば、今井容疑者はいちばん疑われる立場ですから、おそらく3件目の殺人はできなかったでしょう。
そう考えると警察の責任は重大で、おおいに批判されて当然です。
推理ドラマの趣もあるので、テレビのワイドショーなどは喜んで飛びつきそうなネタです。
 
しかし、テレビも新聞もほとんど警察批判をしていないところを見ると、「選択」の記事にあるように「警察批判は相変わらずタブー」であるようです。
 
考えてみれば、テレビのワイドショーが取り上げるのは、ベッキーとか育休不倫議員とか号泣元県議とかばかりです。甘利明元大臣となると、ほとんど取り上げません。
要するに弱い者イジメしかできないのです。
 
テレビ局が安倍政権批判をしないのは周知の事実です。しかし、警察批判は安倍政権批判ではありませんし、放送法の「政治的に公平」とも「不偏不党」とも関係ありません。
 
連続転落死における警察の失態について、私も「選択」の記事を読むまでつい忘れていました。
マスコミの役割はたいせつです。
警察批判もできないのでは情けなさすぎます。