タックスヘイブンについてのパナマ文書が流出し、世界中が大騒ぎになっています。
しかし、日本ではあまり騒ぎになっていません。
こういう情報もあるのですが。
 
 
日本の大企業・富裕層はタックスヘイブンで世界第2位の巨額な税逃れ、庶民には消費税増税と社会保障削減
日本のデータはあまり新聞報道されませんが、最近、『しんぶん赤旗』(2013825日付)が報道したところによると、日本の大企業も例外ではなく、東証に上場している時価総額の上位50社のうち45社――つまり上位50社のほとんどが子会社をタックスヘイブンに持っており、子会社数は354にのぼり、その資本金の総額は8.7兆円にもなるということです。これは具体的に有価証券報告書を調べた結果の数字で、そのベスト5を見ると、みずほフィイナンシャルグループのタックスヘイブン子会社が45社でトップ。続いてソニーが34社、三井住友フィナンシャルグループが27社、三井物産27社、三菱商事24社となっていて、銀行や商社が多くなっています。特に三井住友フィナンシャルグループはケイマン諸島だけで18の子会社を持っていて、その資本金は3兆円にものぼっています。国が出資しているNTTやJTも多額の資産をタックスヘイブンに投じているという事実が明らかになっています。
 
 
日本で騒がれないのは、タックスヘイブンを使って税金逃れをすることは違法行為ではないということもあるでしょう。
日本のマスコミは警察や検察が動かないとなにも報道しないという習性があります(外国においても違法行為ではありませんが、道義的に非難されて騒ぎになっています)
 
それにしても、パナマ文書というのは情報量が半端ではありません。データ容量にして2.6テラバイト、ファイル数は1150万件ということです。
この文書が流出したモサック・フォンセカという法律事務所は、これまでに24万件以上のタックスヘイブンの法人設立代行をしてきたということですが、タックスヘイブンの法人設立代行をする法律事務所としては世界で4番目の規模だそうです。ということは世界全体でタックスヘイブンの利用者はたいへんな数になると想像されます。
 
日本に限らず多くの国は財政赤字に苦しんでいますが、各企業や金持ちが本来税金を納めるべきところで納めれば、財政赤字はかなり軽減されるはずです。
そういう観点からも日本ではもっと問題にされていいはずです。
 
 
日本では生活保護の不正受給が騒がれています。
不正受給の金額は、2010年の数字ですが、生活保護費総額3兆3296億円のうちの0.38%、128億円です。
金額が具体的に出ていますし、不正の具体的な手口もよく報道されますし、やっている人間も身近にいそうな人間です。
一方、タックスヘイブンのほうは、税金逃れの金額がいったいいくらになるのかわかりませんし、やっている人間は庶民とは縁遠い人間です。
やはり人間は具体的で身近なことに食いついてしまうものです。
 
人間は貧乏人であれ金持ちであれ、利己的にふるまい、悪いことをしがちなものですが、貧乏人のする悪いことより金持ちのする悪いことのほうがスケールが大きいのは当然です(同様に、庶民のする悪いことよりも権力者のする悪いことのほうがスケールが大きいのも当然です)。
生活保護費の不正受給というのは、世の中でもっとも小さな問題です。
ほんとうに騒ぐべきはタックスヘイブンの問題です。
 
 
日本でも具体的な人名などが報道されると、タックスヘイブンのことがもっと騒がれるはずです。
ところが、今のところ出てきた名前はアグネス・チャンさんぐらいです(本人は別人であるとして否定)
アグネス・チャンさんの名前が出てくるというところに、日本人はこの問題をまともにとらえていないのではないかということが感じられます。
 
結局、これはメディアの問題です。
データ量が多いので、多数の人間を動員して調べなければなりませんが、それができるのは大手新聞社かテレビのキー局ぐらいです。外国でもイギリスのガーディアン紙やドイツのSuddeutsche Zeitung紙が調べて火をつけました。
日本の新聞社やテレビ局も、警察や検察の後追いばかりせずに、気概を見せてほしいものです。