舛添要一東京都知事へのバッシングがますます激しくなっています。
こういうときこそ冷静に、広い視野でものごとを見たいものです。
 
最初、舛添都知事の海外出張費が高額だということが批判されました。しかし、猪瀬知事や石原知事の時代の出張費と比較しての批判ではありません。石原知事なども十分に高額な出張費を使っていそうです。あるいは、ほかの府県の知事はファーストクラスを使っているのかいないのかということもわかりません。
公用車の問題も、「ほかの知事はこんな使い方をしているのに、舛添知事の使い方はひどい」という批判ではありません(東国原氏や橋下徹氏は自分の公用車の使い方と比較して語っていましたが)
 
私の感想としては、「ほかの知事のことを知らないでは批判のしようがない」というものでした。
公私混同など、ほかの知事や議員もやっているはずです。
 
橋下徹氏は舛添知事を批判しつつ、より広い視野からの批判もしていました。
 
 
橋下徹「舛添さんばかりを追及するのは報道機関の怠慢だ!」

舛添さんのことばかり話題になっているけど、他はどうなっているのかの調査報道が弱い。これがまた日本の報道の弱さ。
 
だいたい舛添さんの公用車利用や出張費の高さについて、東京都庁記者クラブは何してやがったんだ? 記者クラブ解散だよ。
 
週刊文春の記者に特別席を用意してやれよ。週刊文春は個人的には大嫌いだけど、今、権力監視ができるのは文春、新潮ぐらいじゃないか。産経がやっと他の知事にアンケートをした模様。
 
ほら見てよ、愛知県知事をはじめ何人かがファーストクラス乗ってるじゃない。これらの知事は、毎日眠れないだろうね。こうやって権力者の行為が正される。公用車利用状況だってもっと調査報道しないと。
 
それとなんといっても政治資金の使い方。国会議員はもっとでたらめだって。週刊文春の今回の調査くらいのことをしたら、どんどん出てくるよ。
 
そして最後は、文書通信交通滞在費。今回、舛添さんが叩かれているのは、領収書等を付けて報告書に載せていたから。でも文書通信交通滞在費は領収書を一切つけなくていい。
 
おおさか維新の会は領収書をホームページで公開しているけど、自民党の谷垣さんは、適切に使っているから領収書を付ける必要はない! と言い切っていた。民進党も沈黙。適切に使っているなら領収書を付けても問題ないでしょ!!
 
国会議員全員が適切に使っているわけがない。舛添さんが家族旅行で批判を受けていることも国会議員当時のことでしょ。新聞テレビももっと国会議員を追及しろよな。
 
これができないのは記者クラブのせい。文春、新潮の記者に特別席を与えろ。ただし、僕は文春、新潮は大嫌いだけどね。
 
舛添さん批判と同じくらいのエネルギーで、国会議員の文書通信交通滞在費を批判しろ!
 
 
バイト店員や不倫の芸能人を批判することにほとんど意味はありませんが、舛添知事は権力者ですから、批判する意味はあります。
しかし、権力者はほかにもいます。舛添知事を批判することがほかの権力者の利益になる可能性も考えなければなりません。
 
今後、都政においてもっとも重要な問題は、東京オリンピックの経費をいかに削減するかではないかと思います。経費をふくらませたい利権屋がいっぱいいるので、それと戦わなければなりません。
舛添知事がその問題にどういうスタンスかわかりませんが、あまり利権のしがらみはなさそうですし、安倍政権も平気で批判する人ですから、かなり期待できるのではないでしょうか。
最悪なのは、舛添知事が辞職して、官僚出身などの知事に替わってしまうことです。
今の舛添知事批判も、背後に利権屋の陰謀があるのではないかという気がしています。
 
舛添知事にももちろん批判されるべきところはありますが、今は舛添知事に強烈なスポットライトが当たって、ほかの政治家が見えなくなっています。
そのためモグラたたきで、ほかの穴からもモグラが頭を出しているのに、ひとつの穴のモグラばかりをたたき続けているような状態です。
 
もうちょっと広い視野でとらえたいものです。