オバマ大統領はベトナムを訪問し、5月23日、ベトナムへの武器禁輸を全面解除すると発表しました。
ベトナムは中国と同じく共産党一党支配の国です。冷戦時代のイデオロギーが無意味になったことを象徴するようなニュースです。
 
ベトナムは南沙諸島の領有で中国と争っており、日本と似た立場です。安倍政権はベトナムと軍事面でも連携し、今年4月にはカムラン湾に海自艦船が初寄港したりしています。
 
ベトナムは1979年に中国と中越戦争をしていますから、ベトナム人にとって国境を接する中国との戦争の可能性はかなり現実的なものではないかと思われます。
 
しかし、ベトナムはどこかの国と軍事同盟を結んでいるわけでもありませんし、ストックホルム国際平和研究所の2011年のデータによると軍事予算は24億ドルほどで、日本の545億ドルの20分の1ぐらいしかありません。
 
逆に言えば、日本は島国なのにベトナムの20倍もの軍事予算を出し、米軍も駐留させているわけです。
それでいて安倍政権は中国の軍事費増大などを指摘して、「我が国を取り巻く安全保障環境はいっそうきびしさを増している」ということを理由に集団的自衛権容認と安保法制を実現させました。
 
ベトナムは、中国が軍事力を増強しているからといって、中国に対して卑屈になることはありません。
日本は、中国に対してこそ卑屈にはなりませんが、守ってもらわなければいけないということで、アメリカに対して卑屈になっています。
 
また、日本人の多くは、日本はアメリカの“核の傘”がなければ生きていけないと思っています。
しかし、ベトナムは“核の傘”がなくても中越戦争を戦い、中国を撃退しましたし、今も“核の傘”がなくても中国と領土問題で対立しています。
 
考えてみれば、ベトナムに限らず、世界のほとんどの国は“核の傘”に守られていません。
 
どうやら日本人は、安倍政権も含めて、異様な戦争恐怖症に陥っているのではないでしょうか。
いや、戦争恐怖症ではなくて自立恐怖症かもしれません。
 
問題は、今後です。
トランプ大統領が出現して、日本に米軍駐留費の全額負担を求めてきたとき、日本は“核の傘”がなければ生きていけないとか、日米同盟をやめると日本は何十兆円も防衛費が必要になるとか思っていると、アメリカの言いなりになるしかありません。
そんなときにはベトナムを見て、自立心を学びたいものです。