7月31日投票の都知事選は、世論調査によると小池百合子候補がリードしているようです。自公推薦の増田寛也候補、野党各党推薦の鳥越俊太郎候補の上をいくとは驚きです。
 
小池氏が立候補を表明したとき、自民党の都連関係者はいっさい聞かされていなかったようで、驚きや戸惑いの声が上がりました。根回しが重視される政治の世界ではまったくの常識破りです。
しかし、結果的に人気があるということは、おそらくこれがよかったわけです。自民党(の少なくとも都連)とは、なれ合っている姿を見せるよりむしろ対立しているぐらいのほうがいいという判断があったのでしょう。
 
小池氏の政治センスは天才的です。
2005年の郵政解散のとき、小泉首相は郵政民営化法案が参議院で否決されたために衆議院を解散するという筋違いなことをして、こんなことで国民の支持が得られるのかと、私を含めて多くの人が半信半疑でいたときに、小池氏はみずから刺客候補として名乗り出て、そこから一気に流れが決まりました。小池氏が流れをつくったとまではいわなくても、小池氏が流れを正しく読んでいたことは間違いありません。
 
小池氏は、私に見えないものが見えている人です。どうしてそうなのかということが気になります。
 
ウィキペディアの「小池百合子」の項目にこう書いてあります。
 
 
高校卒業後、関西学院大学社会学部に入学するも、「国際連合の公用語にアラビア語が加わる」旨を伝える新聞記事をきっかけに、アラビア語通訳を目指すことにし、19719月に大学を中退してエジプトへ留学。カイロ市のカイロ・アメリカン大学(英語: American University in Cairo)でアラビア語を修めた後、カイロ大学に進学した。
 
このときから小池氏は時代の先を読んで行動するということをしていたわけです。
 
ただ、今のところ中東の国で経済的離陸を成し遂げたのはトルコぐらいで、テロリストの輸出国みたいになっている国もあります。小池氏の見通しとは違ったかもしれません。
小池氏はエジプトに留学したということをあまり言いません。アメリカに従属する日本ではあまりうれしくない経歴かもしれません。
 
小池氏は日本新党→新進党→自由党→保守党→自民党と所属を変えてきて、今回は無所属での出馬です。
 
小池氏の思想とか政治的立場とか、政治家としてやりたいこととかについて、私はなにも知りません。「小池ゆりこオフィシャルサイト」を見ると、「基本理念」がいろいろ書かれていますが、きれいごとばかりで、なにも響いてきません。
 
もともと思想とか政治的立場のない人なのでしょう。ですから、なにかに執着するということがなく、時代の風を読んで、それに合わせていけるわけです。
 
思想とかやりたいことがあると、逆風でも向かっていこうということになりますから、小池氏のようにはできません。
 
思想があればよいというものではありません。たとえば憲法学者の小林節氏は今回の参院選に「国民怒りの声」を組織して全国比例代表と東京選挙区に候補を擁立しましたが、惨敗しました。時代の風も国民感情も読めていなかったわけで、野党票を分散させただけです。
 
冷戦が終わってイデオロギーが終焉した時代には、小池氏のような政治家が活躍するのかもしれません。橋下徹氏やトランプ氏も同じタイプだと思います。
政治家の役割が国民の思いを政治に反映させることだとすれば、小池氏タイプがいちばんいいことになります。
 
いや、小池氏タイプの最終的な目的は「自分活躍」ですから、結局国民は裏切られることになるはずです。
 
ただ、私も思想が過剰なタイプなので、正反対の小池氏の時代の風を読む能力などは学ばなければと思います。