相模原市の障害者福祉施設で19人が殺害された事件で、植松聖容疑者のナチスまがいの障害者排除の思想が注目されています。しかし、これは「おかしな人間のおかしな思想」ですから、相手にしてもしかたありません。もし植松容疑者がイスラム圏に生まれていたら、ISの思想を名目にテロをしていたでしょう。
 
植松容疑者は今年2月に措置入院させられましたが、医師の判断で12日後に退院しています。このことについて批判がありますが、これは株価が下がったのを見て、あのとき売っておけばよかったと言っているのと同じです。
それよりも私は、なんの犯罪もしていない、周りの人に暴力をふるうわけでもない、ただ過激なことを言うだけの成人を、よく措置入院させたなあと、その判断に感心します。植松容疑者は衆議院議長の公邸に手紙を持っていっており、警察が政治的な判断をしたのでしょうか。
 

この手の事件が起きると、私はいつも同じことを言っているのですが、今回もまた言ってしまいます。
 
犯人はどうしてこのような異常で残虐な事件を起こしたかというと、同じぐらい異常で残虐なことが原因になっているはずです。
それはどんなことかというと、幼児虐待以外には考えられません。
つまり犯人は幼児虐待の犠牲者なのです。
実に単純な話です。
 
植松容疑者の父親は小学校の教師です。母親はマンガ家だという報道が一部であります。植松容疑者は1人っ子です。
父親は教師ですから、なんらかの教育方針を持って子どもを育てたのでしょう。植松容疑者は教師志望で、教育実習もしていますから、父親の影響をかなり受けていると想像されます。
父親はどういう育て方をしたのか知りたいところですが、報道はいっさいありません。
 
植松容疑者は実家で一人で暮らしていました。両親が引っ越していったからです。
子どもがおとなになって実家を出て一人暮らしをするようになるというのが普通です。両親が実家を出ていって、子どもが実家で一人暮らしをしているというのは聞いたことがありません。
植松容疑者が両親に暴力をふるうので、両親がたまりかねて家を出ていったのではないかと想像されますが、なにも報道がないので想像でしかありません。
 
それにしても、私の知る限りでは、「両親が実家を出て、植松容疑者が実家で一人暮らしをしているのはどうしてか」ということ言うテレビのコメンテーターもいません。
 
植松容疑者が措置入院をしたとき、警察や市や病院は当然両親と連絡をとったはずですが、どんなやり取りがあったのかいっさい報道がありません。
また、退院したとき、病院が市に提出した資料には「退院後は家族と同居する」と書かれていたそうですが、同居はしていなかったわけです。その事情もわかりません。

マスコミは親を聖域に置いているようです。
 
植松容疑者の父親が出てくるのはこの記事ぐらいでしょうか。
 
 植松容疑者の父親は26日、都内で朝日新聞の取材に応じ、「今朝起きたばかりで、もうちょっと考えないといけない。すみませんが、もう少し時間をください」と話した。
 
結局、その後も父親はなにも語っていません。
 
もちろん父親や母親が出てこない理由はわかります。今出てきたら、猛烈にバッシングされるからです。
そういう意味では、マスコミがあまり親に触れないのもわからないではありません。バッシングされた親が自殺するというようなことも起こりうるからです。
 
ですから、みんなも真相追究がしたければ、バッシングしたくなる気持を棚上げにして、親の話を冷静に聞かなければなりません。
もっとも、ベッキーたたき、舛添たたきを見ていると、そういうときがくるとはとうてい思えませんが。