リオ・オリンピックが終わり、日本のメダル獲得総数は史上最多の41(12、銀8、銅21)でした。
ロンドン・オリンピックのときも日本は38個で、史上最多でした。
つまり少子化が進んでいるにもかかわらず、このところ日本のスポーツ界は健闘しているのです。
 
ゆとり世代が力を発揮しているのだという説があります。そうかもしれません。
 
水泳の男子800メートルリレーで銅メダルを獲得した江原騎士(えはら・ないと)選手は、いわゆるキラキラネームです。キラキラネーム世代も活躍する時代になりました。
 
国別メダル獲得数ランキングを見ていると、圧倒的な偏りのあることに気づきます。
 
リオデジャネイロ・オリンピック国別メダルランキング
 
上位を占めるのはほとんどがヨーロッパ系の国です。
 
一方、インドは人口が多く、経済成長も著しいのに、順位が67位、メダル総数が2個です。
スポーツがその国の文化と深く関わっていることがわかります。
 
アフリカの国で上位なのは、
ケニア15位、13個、
南アフリカ30位、10個、
エチオピア44位、8個。
 
中東の国で上位なのは、
イラン25位、8個、
トルコ41位、8個。
 
ヨーロッパ系の国が上位を占める中で健闘しているのが儒教系のこの3国です。
中国3位、70個、
日本6位、41個、
韓国8位、21個。
 
要するにヨーロッパ系の国に交じって儒教系の国もがんばっているという構図です。
 
ヨーロッパ系の国と儒教系の国がオリンピックで成績がいいのは、教育熱心、とりわけ幼児教育や早期教育に熱心だからだと思われます。
たいていのスポーツは、幼いころから始めるほど有利です。オリンピックのレベルはどんどん高くなっているので、幼児教育に熱心な国が好成績を出すのは当然です。
 
クラシック音楽もひじょうにレベルが高いので、幼児期から始めないと一流の域に達しません。スポーツもクラシック音楽に似てきたわけです。
 
そう考えると、最近の日本がオリンピックで好成績なのは、若い世代ががんばったからというより、その親の世代ががんばって子どもを教育したからといえるかもしれません。
この場合の教育というのはもちろんスポーツの早期教育です。
 
卓球の福原愛ちゃんの母親が愛ちゃんを熱心に指導したのは有名な話ですが、最近は似たようなことがいっぱいあるようです。「リテラ」がそのことを書いています。
 

伊藤美誠、白井健三、池江璃花子…五輪選手の親はみんな“毒親”なのか?感動物語の裏で虐待スレスレの英才教育

 
もちろんオリンピックなどで脚光を浴びるのはごく少数の人だけです。一流を目指してスポーツの早期教育をされた子どものほとんどは、やったことがむだになってしまいます。
いや、むだだけならまだいいのですが、きびしい早期教育は人格形成に問題をもたらします。
 
ゆとり世代がのびのびとやって好成績を出したならいいのですが、早期教育で多数の若い人が押しつぶされているなら問題です。いったいどちらでしょうか。