蓮舫民進党代表の国籍問題で騒ぎが起こったのは、劣化した右翼思想のせいかと思っていましたが、考えてみると、これこそが「ガラスの天井」というやつでした。

そのことに気づかせてくれたのは、辛坊治郎キャスターの言葉です。

 

 

辛坊キャスター、蓮舫氏に「二番じゃなくて良かったですね」 

 
民進党の蓮舫新代表(48)が17日、日テレ系情報番組「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)に生出演し、二重国籍問題について、改めて陳謝した。
 
 司会の辛坊治郎キャスター(60)から「おめでとうございます。二番じゃなくて良かったですね」と祝福されると、蓮舫氏は苦笑い。18歳の時に抜いたとしていた台湾籍が、現在も残っていたことが判明するなど説明が二転三転したことについては、「皆様方に二転三転のイメージを与えてしまったことは率直にお詫びを申し上げます」と謝罪した。
 
 この問題に関連して、辛坊キャスターは「普通みんな名字と名前で政治活動をしている。もうタレントさんでもないわけですから、代表就任を機に「村田蓮舫」と本名にするとか、そんな考えはありませんか」と名字を名乗ることを提案した。しかし蓮舫氏は「昔の父の姓だった時、その後母の姓になって、夫の姓になって、その中でずっと変わらなかったのは蓮舫という名前。私にとってはとても大切なもの。ここは今まで譲らないできたんですけど、いろんな声があると思いますので、参考にさせてください」と述べるにとどめた。
(後略)
 
 
自分がどんな名前を使うかは重要な問題で、当然自分で決めるべきことです。
辛坊氏の口出しは、大きなお世話というものです。
 
それはともかく、辛坊氏は改名を勧める理由として「もうタレントさんでもないわけですから」と言っていますが、蓮舫氏がタレントをやめたのはずっと前のことです。
ですから、辛坊氏の真意は「代表就任を機に」というところにあるのでしょう。
 
しかし、代表になったからといってどうして名前を変えなければならないのでしょう。そんな理由はあるわけありません。
 
女性が低い地位にいる場合はいいが、高い地位を目指そうとすると批判され、足を引っ張られるというのが「ガラスの天井」です。
 
辛坊氏は、蓮舫氏が党代表という「天井」に近づいたのでいやがらせを言ったわけで、まさに「ガラスの天井」問題の典型です。
 
考えてみれば、蓮舫氏の国籍問題は前からあったはずなのに、蓮舫氏が民進党代表選に立候補して、当選が確実視されたときから、急に騒がれだしました。
 
 
また、フジテレビ系の9月18日の「ワイドナショー」では、武田鉄矢氏が蓮舫氏についてこんな発言をしたということです。
 
「主役を取れない女優の典型」
「月9の主役になれないタイプ」
「明るい顔で話すことが政治家には必要。蓮舫は残念だが、表情が暗すぎる。自分の潔癖を語る時も暗い。嘘でもいいから明るい表情で語ってほしい」
 
政治家を評価するのに顔とイメージのことばかりです。男性の政治家に対してはこんなことは言わないはずです。
もちろん蓮舫氏が党代表になる前にも言いません。
 
 
女性が党代表になったことでは、土井たか子氏が1986年に日本社会党委員長になった例があります。このときはそれほど足を引っ張る動きはなかったように思います。
土井氏はもともと憲法学者でしたし、「お母さん」的なキャラクターだったということもあったでしょう。
 
それに対して、蓮舫氏はタレント出身で、オヤジ的なキャラクター分類では「女の子」になります。
「女の子」が野党第一党の代表になって、もしかすると首相にもなるかもしれないということで、多くの男が抑え込もうとやっきになっているわけです。
 
人間は序列のある群れをつくる動物なので、序列が乱れたときはマウントポジションを取ろうと争います。
冒頭で引用した辛坊氏と蓮舫氏のやり取りを見ると、辛坊氏の言葉は、政治家のゲストを迎えたキャスターの言葉ではなく、相手に対してマウントポジションを取ろうとするときの言葉です。
こういうことがなにも批判されずにまかり通っていては、日本の政治はよくなりません。