沖縄県で米軍のヘリパッド建設を巡る問題で大阪府警から派遣された機動隊員が建設反対派に対して「コラ、ボケ、土人が!」とののしっていることが明らかになりました。
また、同じ大阪府警の別の機動隊員が「「黙れ、コラ、シナ人」という言葉も使っていたことも明らかになりました。
どちらも若い隊員です。「土人」などという言葉を使う差別思想をどこで学んだのでしょうか。
 
松井一郎大阪府知事は「土人」発言について、「表現は悪かったし、反省すべきだと思う」とした上で、「相手もむちゃくちゃ言っている」「売り言葉に買い言葉でついつい口が滑る」などと擁護しました。またツイッターでは「大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」とも投稿していました。
 
松井知事は、警視庁の警官が大阪府民を「土人」呼ばわりしたときも、「一生懸命職務を遂行していたのがわかりました」と言うのでしょうか。
 
日本人が日本人に向かって「土人」「シナ人」とののしるのはおかしなことです。
これを沖縄県民に対する差別だと見なすのは少し違います。沖縄への差別意識は日本人の間に広く薄く存在しますが、そこから「土人」「シナ人」という言葉は出てきません。
 
機動隊員が守っているのは、米軍基地の工事現場です。そして、対峙しているのは日本人(沖縄県民)です。これでは機動隊員は“アメリカの番犬”です。
 
彼ら自身もそのことがわかっているので、なんとかして精神のバランスを取るために対峙する日本人を「土人」「シナ人」と見なすわけです。
 
これは日本がアメリカに従属していることからきています。
普天間基地の危険を除去するために、代わりに辺野古に日本が金を出して米軍基地をつくらねばならず、しかもそれが完成するまで普天間基地の危険が除去できないという不可思議な“日米合意”はその典型です。
 
沖縄に派遣されて“アメリカの番犬”をやらされる機動隊員は、ある意味犠牲者です。
 
 
犠牲者といえば、稲田朋美防衛相もそうです。稲田防衛相は「WILL」2012年1月号においてこう語っていました。

「そこまでアメリカ様の言う事を聞かなきゃいけないんですかと、アメリカに守ってもらっているからと言って何が何でもご機嫌を損ねちゃいけないと、過度に思い込んでいるんじゃないでしょうか。しかもアメリカ軍が日本に駐留している一番の理由はアメリカの利益であって、日本を守る為ではありません。どこまで日本はおめでたいのでしょうか」
 
普通のことを言っていたわけです。
しかし、国会でこのことを追及されると、「事前に質問通告をいただいていないので」とまともに答えませんでした。
 
稲田防衛相の場合は、持論を封じても大臣というポストにありついているので、まだましです。
 
安倍首相も昨年4月にアメリカ議会の上下両院合同会議でひたすらアメリカにこびる演説をし、解釈改憲で「切れ目のない安保法制」をつくって自衛隊をアメリカに協力させることにし、そのため憲法九条を改正する理由がなくなってしまいましたが、自分は長期政権が目指せそうです。
 
日本は構造的な売国国家なので、政治家も生き残ろうとすれば売国政治家にならざるをえません。
政治家はステータスがあるのでまだましですが、売国の第一線に立たされる自衛隊員や機動隊員は気の毒です。