安倍首相は1117日、ニューヨークでトランプ氏と会談し、そのあと「2人でじっくりと胸襟を開いて、率直な話ができた。ともに信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談だった」と語り、2人が笑顔で握手する写真が公開されました。
差別されている者が差別している者にのこのこ会いに行って笑顔を見せるとは、世界中に恥をさらしました。
差別に鈍感な者は自分が差別されても気がつかないようです。
 
トランプ氏は安倍首相についてこんな発言をしています。
「日本の安倍は(米経済を)殺す者だ、やつは凄い。地獄の円安でアメリカが日本と競争できないようにした」
「安倍は頭が切れる。キャロライン・ケネディは安倍氏に飲まされ食わされ、日本が望むことを何でもするようになった」
 
これは安倍首相を評価した言葉ではありません。日本にアメリカがやられているといって(差別主義的な)アメリカ人の屈辱感を刺激した言葉です。
白人至上主義者にとって、安倍首相は所詮有色人種です。
トランプ氏は安倍首相を「猿の惑星」の猿のように位置づけて、聴衆をあおっているのです(トランプ氏が「メルケル首相は頭が切れる。アメリカはメルケルにやられっ放しだ」と演説しても、聴衆はまったく盛り上がりません)
 
 
また、トランプ氏は日本人についてこう語ったということです。
 
 昭和63(1988)年に日本のテレビ番組でドナルド・トランプ氏にインタビュー取材した一橋大学非常勤講師の植山周一郎氏(71)=グローバルビジネス論=は、選挙戦での過激な暴言について、「勝つための戦術だったのではないか」と指摘した。
 トランプ氏は取材当時、日米貿易が米国に不利だと言及した上で「(いい条件を設定できる)日本人は米国人より頭がいい。尊敬する」と持ち上げたという。
 
「日本人は頭がいい」というのはまさに差別主義者の言葉です。
ユダヤ人差別主義者が「ユダヤ人は頭がいい」と言うのと、あるいは私たちが「チンパンジーは頭がいい」と言うのと同じです。
 
日本人をひとからげにして一言で評価するのは、まさに差別主義者のやり方です。
 
「日本人を尊敬する」というのも同じです。
 
トランプ氏はクリントン候補とのテレビ討論会で女性蔑視発言を追及されたとき「私ほど女性を尊敬している人はいない」と反論しました。
女性といってもいろいろな人間がいるのですから、普通の人なら「女性を尊敬する」などとは言いません。トランプ氏にとっては女性はひとくくりにしていいものなのです。
 
 
トランプ氏は外交では「中国やメキシコ、日本には強硬姿勢で臨む」と再三表明しています。
カナダやオーストラリア、ドイツなどはやり玉に上げません。明らかに人種的偏見があります。
トランプ支持派の集会は白人ばかりだということです。
トランプ氏の当選は「白人至上主義者の逆襲」なのです。
 
ですから、オバマ大統領はトランプ氏と面会したとき、笑顔ひとつ見せませんでした。
差別主義者の大統領はごめんだというアメリカ人も多くて、アメリカではいまだに反トランプの動きがあります。
 
そうしたところに安倍首相がトランプ氏と笑顔で面会したわけです。
これではトランプ氏やその支持者は、自分たちの差別主義的政策は間違っていないのだと勘違いしてしまいます。
 
安倍首相はせめて会ったあと、「トランプ氏が人種的偏見の政策を打ち出すことがないか、これから注視していきたい」ぐらい言うべきでした。