1215日、プーチン大統領が日ロ首脳会談のために来日しました。
日本がロシアと関係を深めることをアメリカは快く思っていません。これは日本としては珍しい“自主外交”です。
しかし、日ごろ対米従属外交をしている日本が急に自主外交をやろうとしてもうまくいきません。
 
たとえばプーチン大統領は、12月7日の読売新聞と日本テレビとのインタビューで、「制裁を受けたまま、どうやって経済関係をより高いレベルに発展させるのか」と言って、日本がウクライナ問題でロシアに経済制裁していることを批判しました。
 
日本がロシアに経済制裁をしているのは、もちろんアメリカに要請されたからですが、その一方で、安倍首相はロシアに「8項目の経済協力プラン」を提案しています。こっちで経済制裁をして、こっちで経済協力しようと言うのは、どう考えてもおかしな話です。
 
そうしたところ、次の記事を読んで、改めて日本の外交の実態がわかった気がしました。
 
ロシア、訪日前に強硬姿勢 平和条約巡る共同声明も困難
 
この記事から一か所を引用します。
 
プーチン氏が問題視するのは、日本の米国との同盟関係そのものだ。「日本が(米国との)同盟で負う義務の枠組みの中で、どの程度ロシアとの合意を実現できるのかを見極めなくてはならない」「日本は独自に物事を決められるのだろうか」と、疑問を呈した。
 
これに対して、谷内正太郎国家安全保障局長が11月に訪ロしました。
国家安全保障局(日本版NSC)といえば日本の安全保障政策の要をなす組織で、外務省出身の谷内正太郎はその初代局長です。
谷内局長はロシアでこんな発言をしました。

 同月上旬、モスクワ入りした谷内正太郎・国家安全保障局長は、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記と会談。複数の日本政府関係者によると、パトルシェフ氏は、日ソ共同宣言を履行して2島を引き渡した場合、「島に米軍基地は置かれるのか」と問いかけてきた。谷内氏は「可能性はある」と答えたという。
 日本の主権下であれば、日米安全保障条約が適用される。谷内氏の言葉は、日本政府の立場として「当然の回答だった」(日本政府関係者)。だが、11月中旬にリマであった日ロ首脳会談で、プーチン氏はロシアとしての原則論を強調。首相は会談後、自ら期待値を下げるように「大きな一歩を進めることはそう簡単ではない」と語った。
 
 
2島が返還されれば、そこに日米安保条約が適用されるのは当然ですが、米軍基地をつくるかどうかは、アメリカが一方的に決めることではありません。アメリカがつくろうとしても、日本が断ればいいだけの話です。
 
念のために日米地位協定を見てみましたが、こう書かれています。
 
第二条

1(a)合衆国は、相互協力及び安全保障条約第六条の規定に基づき、日本国内の施設及び区 域の使用を許される。個個の施設及び区域に関する協定は、第二十五条に定める合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない。

 
なにか密約があるのかもしれませんが、領土返還という新事態には適用されないと主張すればいいのです。
 
谷内局長の「可能性はある」という言葉には、「日本の意志」というものが感じられません。
こと米軍基地に関しては、完全に思考停止に陥ってしまうようです。
「当然の回答だった」と言った“日本政府関係者”も同じです。
 
谷内局長が「2島に米軍基地はつくらせない。約束する」と言えば、ロシアの態度も変わっていたかもしれません。
 
谷内局長や政府関係者の“対米従属ボケ”した頭では、自主外交はとうてい不可能です。