1219日、ベルリンのクリスマス・マーケットにトラックが突入し、12人が死亡した事件はテロと断定されましたが、この事件の報道が例によって大げさです。
最近では、エジプトはカイロのコプト教会で25人が死亡する自爆テロがありましたが、それと比べてもマスコミの取り上げ方がまったく違います。
 
この取り上げ方の違いは、差別主義というしかありません。差別主義は、ヘイトスピーチという形だけではなく、一見人命尊重を装うような報道の形でも表れます。
日本は欧米の文化の影響を強く受けているので、白人崇拝と非白人蔑視、それとイスラム敵視の考えに知らずしらずに染まっています。
そして、そうした差別主義がテロの原因になっているという面もあるわけです。
 
19日にはトルコのアンカラでもロシアの駐トルコ大使アンドレイ・カルロフ氏が銃撃されて殺されるテロ事件がありました。犯人は現職の警官で、銃撃後に「神は偉大なり」とか「シリアを忘れるな。アレッポを忘れるな」と叫んだということが報道されていますが、ほかに「われわれの同胞が安全でない限り、おまえたちも安全ではない」とも叫んでいます。
 
ヨーロッパのほとんどの人は、シリア内戦でいくら人が死のうが関心がありません。シリアから難民が自国に押し寄せてきても、いくつかの犯罪を大げさに仕立てて追い返す口実にしています。
そして、自国でテロが起こって初めてあわてるわけです。
そういう意味では、テロリストが「われわれの同胞が安全でない限り、おまえたちも安全ではない」と叫んだ気持ちもわかります。
 
このように言うと、テロリストに味方するのかと言われそうですが、テロには原因があると言っているだけです。
 
テロというのは「奴隷制社会における奴隷の反抗」みたいなものです。
奴隷制をそのままにして奴隷の反抗だけなくそうとしてもうまくいきません。
が、今のテロ対策はそのようなものです。
 
ベルリンのトラックテロやトルコのロシア大使殺害テロを受けて、トランプ米次期大統領は「テロリストは地球上から根絶しなければならない」とツイートしました。
これこそ愚かさの極みです。9.11テロから15年、テロ戦争を続けてきて、テロは激化するばかりです。今までできなかったことがこれからできるとは思えません。かりに今いるテロリストを全滅できたとしても(絶対不可能ですが)、テロリストが新たに出てくれば意味がありません。
ジャーナリストはトランプ氏に「テロリストはいつまでに根絶できるのか」と聞くべきです。
 
 
ところで、欧米の人種差別主義や白人至上主義においては、日本人も差別の対象です。
しかし、日本人はほとんどそのことを気にしません。というのは、人種差別主義や白人至上主義を内面化しているからです。
つまり自分を白人より一段下に位置づけているのです。
これを外人コンプレックス、ないし白人コンプレックスといいます。
 
たとえば、先日プーチン大統領が来日して日ロ首脳会談が行われた際、プーチン大統領は2時間40分も遅刻しましたが、日本政府も日本国民も抗議も怒りもしませんでした。もし中国習近平主席が遅刻して安倍首相を待たせたら、日本にはかなり怒りの声が満ちるでしょう。
 
トランプ氏は明らかに人種差別主義者、白人至上主義者ですが、安倍首相は面会して「信頼できる指導者であると確信した」と語りました。
 
日本外交は、中国や韓国に対するときと、アメリカやロシアに対するときではまったく違います。
日本人が白人コンプレックスにとらわれている限りまともな外交はできないでしょう。